カテゴリー「1000 「東京peeling」の考え方」の記事

暗渠ハンター 『暗渠サインランキングチャート』ちょっと更新

先日、船橋のくまざわ書店さんとの柏書房さんとのコラボ企画で、
『暗渠マニアック!』愛読者の方々へのお礼として
「暗渠マニアック的宮本川ツアー」を実施いたしました。
ご参加いただいたみなさま、くまざわ書店さま、柏書房さま、
どうもありがとうございました。
ツアーもつつがなく終了し、有志で(全員でしたがw)飲みに行ったときのこと。
懇親のさなかに参加者のお一人、野村有俊さんから
「こんなところも暗渠サインといえるのでは?」と
いくつかごご指摘をしてくださいました。
それは、
①電車の車両基地
②ごみ収集所
③火葬場
④清掃工場 
についてです。
私の『暗渠サインランキングチャート』も、
かねてから「少し更新しなければ」、と思っていたので、
これを機会にひとつずつ、
ここで検討していきたいと思います。

①電車の車両基地
 
これは確かにそうですね。
ずっと前にここで記事にした梶ヶ谷貨物ターミナルなんて、
じぶんで蓋となって川を暗渠化してるし、
小石川や方南町の東京メトロの車両基地も川や暗渠に隣接しています。
また、すでに「バスターミナル」という項目は
『暗渠サインランキングチャート』に作ってあるし、
以前から「タクシー会社の車両基地も入れなければ」とも思っていたので、
ぜんぶを包み込む形で 「車両ターミナル」という項目名に変更することとしましょう。
②ごみ収集所 
これは疑う余地はないと思います。
実際あちこちで実例を見てきましたし。
しかし。いままで私をしてこのチャートに記入せざらしめていたのは、
「収集所って、不動産でなく動産なのではないか」
と思っていたことからでした。
このチャートに載せるかどうかの自分基準として、
「不動産であること」としているのであります。
それゆえ、「猫」や、
以前谷戸ラブさんが提唱していた「ビールケース」は載せていません。
収集所も、町内会での順番で場所が変わっちゃったりするのだろうなあ、
とすれば不動のものではないよなあ、という解釈です。
でも、少なくとも暗渠上や暗渠脇の「空いているスペース」に設置されている収集所は、
ほとんど固定位置となっているようですよね。
よっしゃ、これを機会に新たに追加することとしましょう。
以上はすべて「施設(スペース要因)」の項に。
③火葬場 
これもうすうす気が付いていましたが、
これまで検証せずに来ました。
ですが、野村さんからのご指摘をいただきちょっと調べてみました。
23区内にある火葬場は、
全9か所。 (落合、戸田、町屋、四つ木、臨海、桐ケ谷、堀ノ内、瑞江、代々幡)
このうち、暗渠横に位置するのは6か所。
開渠横にあるのは1か所、海至近には1か所。
これら水の気配が感じられないのは桐ケ谷斎場ただひとつ、
という状況でした。
文句なし、追加しましょう!
④清掃工場
これも検証したことなかったなあ。
でも確かに言われてみれば…。
と思って23区内の清掃工場をすべてピックアップして検証してみました。
結果この通り。
Photo_2
★2015.11.10追記:コメント欄のとおり、通様からご指摘いただきまして上表・本文とともに訂正いたしました。
★★2015.11.14追記:その他の修正含め、次回記事を2015.11.16の17:55にアップいたします。
★★★2016.2.22追記:さらに訂正です。世田谷の清掃工場も「谷沢川」に隣接していましたよね。
ごめんなさい、西にばかり目が行って東の川の存在を忘れていました;;;。
野村さんのご指摘どおりでした、申し訳ありませんでした。
上の表も修正いたしました。


合計21件中、海、開渠、暗渠に面していたのは15件→訂正、19件
全体の7割→9割とかなりの高確率ですね。
ちなみに。参考までに他の暗渠サインである「学校」。
暗渠とはどんな関係なのかを「杉並区の小学校」だけに絞って 数字を見てみましょう。
杉並区HPによると、
現在の区立小学校は40校。
このうち、開渠または暗渠に面している(含んでいる)ものは 17校で、
比率は42.5%です。
これに比べれば、7割とはものすごいですね。
しかし…。
表をよく見ると、これら15件のうち殆どは海、または開渠に面しており、
暗渠に、というのはわずか3件です。
前出の杉並区の小学校では、
水に面した17校のうち開渠は8校、暗渠は9校という数字でした。
うーん、これを以って清掃工場を『暗渠サイン』と呼ぶには…w
というわけで今回は「清掃工場」は保留!とさせていただきますね。
そんなこんなで、『暗渠サインランキングチャート』もバージョンアップいたしました。
Photo_2
※「施設(スペース要因)」の欄が足らなくなっちゃったので、いくつかの似たものはくっつけました。 「学校」と「団地」を「団地・学校」にしたりとか。
さて、それと、野村さんからもうひとつ重要な指摘をいただいたので
備忘録代わりに書いておきますね。
それは、『暗渠サインランキングチャート』における材木屋さん意味について。
私は材木屋さんを
「施設(川関連産業)」と位置づけ、
『暗渠マニアック!』では 「水運によって材木を運んだのではないか」としました。
しかし野村さんから
「材木屋で出る端切れは銭湯の風呂を炊く燃料となる。
すなわち、 銭湯という需要家のそばに材木屋が建った結果、
材木屋が多く出現するのではないか」
との説を教えていただきました。
なるほどー、これはあるかも!!
いつか材木屋さんに直接取材してみましょう!
野村有俊さま、たくさんの貴重なご意見を、どうもありがとうございました‼

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水無月・暗渠月キャンペーン のはじまり。

「水無月」になりました。
水な(「の」の意)月、というのが由来とも言われますが、
漢字で書けば水無月。
水が無い、といえば暗渠ですからw、
6月は「暗渠月」とも言えるのです!
いっぽう、「暗渠」でツイートを検索すると、
数年前はほとんど決まったメンバーだったのに、
今は多彩な方々のツイートを見ることができます。

また、ある人が発した「暗渠マニア待望の物件が川之江に出現しましたよ。」という
写真ツイートは、
5/31現在(10日間あまり)で64ものリツイートを獲得しています。
やっぱり、みんな暗渠が気になり始めている、そんな気がしますね。
(しますよね、ね。)
そんな、巷が暗渠で盛り上がっている2015年の水無月・暗渠月、
みなさまにあっと驚くお知らせがあります。
・・・ブログ「暗渠さんぽ」を主宰する吉村生と私の共著で、
6月下旬(または7月上旬)、
柏書房より単行本「暗渠マニアック!」が発売される運びとなりました。
よくこんなマニアックな本が・・・w 
しかし、街あるき・街まなび愛好層をはじめとして
地形好き・地図好き層、
そして「なんかのマニアを見て面白がる層」の方々まで含め
楽しんでいただける内容となっている、と自負しています。
今回を皮切りに、
今月は「水無月・暗渠月キャンペーン」と銘打って、
徐々にその内容やこぼれ話をアップしていきます!
20150530_093217496_ios_2
あ、矢野顕子さんファンにはおわかりの通り、
「水無月・暗渠月」は
「長月・神無月」(いいアルバムです!)からのインスパイア(パクリ)ですからね。
しばらくジャケとか見なかったので
タイトルを「水無月・神無月」と誤認してて、
その上でのパクリだという情けなさ、ですが。

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暗渠ハンター 「水のない水辺から」第2回アップのおしらせ

おしらせです。

一部で熱狂的なご指示を頂いております「MIZBERING」での連載記事
「水のない水辺から」。

みなさまのおかげで第2回がさきほど公開されました。
初回「暗渠ってなんだ」に続く今回は
「実際に身近な暗渠を見つけてみよう」という主旨で、
「暗渠サイン」について解説していきます。

これまではこんな風に「暗渠サイン」(暗渠アプリケーション)を整理していましたが、
今回は一部のサインを見直して新しい位置に換えたりしてみました。
具体的には「遊郭・花街」についてなど。

よろしければご一読のほど、
そして今後の継続のためにもぜひ「いいね」のほど、
お願い申し上げます。

先月公開の『水のない水辺から…「暗渠」の愉しみ方』こちら
10/3公開の『水のない水辺から…「暗渠」の見つけ方』こちら

今回の「表紙」は、田柄用水(田柄川の上流のほう)の蓋暗渠とキバナコスモスで。 

Photo

そうそう、公開されてすぐには猫綱(@nekotuna)さんから
「橋の銘板埋め込み」というのはどうなんだとツイッター上でご意見をいただきました。
猫綱さんありがとうございます。

このご意見に対しては<銘板も「親柱」の一部として含める>と考えました、
とお返事を差し上げました。

確かに、こんな例があるんですよねー。

1

(柴又付近の用水路の暗渠)

しかし親柱は暗渠以外のところにもしれっと保存される例があるので
ご注意ください。

そうそう、暗渠沿いだけどぜんぜん違うところから持ってこられた、
という例もありますよね。
初台川の「田端橋」銘板や、烏山川の「みなみはし」とか。

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さて!いよいよ来月からは

「東京『暗渠』散歩」の本田創さん、
デイリーポータルZの「面白いもの発掘名人」三土たつおさん
先日のスリバチナイトで会場を興奮のるつぼとせしめた「暗渠さんぽ」の吉村生さん
とのリレー執筆が始まります。

おたのしみに。

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暗渠ハンター 「MIZBERING」で連載スタート。

今回はおしらせを中心に。

MIZBERINGというサイトをご存知でしょうか。

という趣旨で、
日本全国で起こりつつある「水辺コンシャスな活動」を
緩やかに支援し連携を図る、
といったことをやってらっしゃるところです。
(上はかなり私自身による意訳をしています、間違っていたらごめんなさい)
アドバイザーには憧れの陣内秀信先生なんかも名を連ねていらしたり。

で、そのサイトにて

という月イチの連載をさせていただくことになりました。
1

いやーなんかリアル水辺の話題満載の、
水しぶきがきらきらと迸ってるようなサイトに
こんな薄暗くてじめっと苔むす暗渠話なんて載せてしまってもいいのかしらと
最初は戸惑いました。
それを承知で拾ってくださった編集サイドの
度量の大きさ・懐の深さについてはもうただただ深く敬意を表すばかりです。

すでに掲載から5日間が過ぎようとしているのですが、
このMIZBERINGというサイト自体大変多くの方々に読まれているようで
おかげさまで今までにない手ごたえを実感しております。

もともとは、MIZBERING企画会議の場で
この運営に参加されている渋谷リバースさまが、

「『水のない水辺』である暗渠、ってよくないすか」

と素晴らしい発言をしてくださったことがきっかけになったと伺っています。
この場をお借りして、改めて渋谷リバースさまに感謝申し上げます。

たまたま渋谷リバースさまとは過去に面識があったので、
私にその具現化を持ちかけてくださいました。

その時点では単発記事か連載かは決まっていなかったのですが、
「水のない水辺としての暗渠」というコンセプトに
私もものすごく刺激され、
やりたいこと・言いたいことがもくもくと頭に湧き上がってきてしまったのです。
さらに、私だけではなくいろんな視点で深めていけるともっと楽しいかな、と
これまでも一緒にものを書いたことがある暗渠仲間数人にお声がけしてみました。
そしてみんなに構想をご理解いただきながら
さらにお互いのアイデアをじっくり出し合って連載としての骨格を決めたものです。

(この会議はある夜の「やまじ」で行われました。まさに水辺で生まれた企画であるのですw)

というわけで、今後は毎月10日前後に1年間。

第2回までは私が「水のない水辺の愉しみ方」を概論でお伝えし、以降は
本田創さん
吉村生さん
と交代で具体的な場所を取り上げて「水のない水辺」の愛で方を
ご紹介して参ります。

どうぞ、お楽しみに!

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徒に、「ネットワーク」という切り口で自分の萌え要素をみてみた

最近はフィールドワークばっかりだったので、たまにはリクツっぽいこともおもいつくまま書いてみたりしてみます。
今日は画像ナシで文字ばかりっすw

1 復習:このブログの主旨
この「東京Peeling!」なるブログの主旨は、シンプルに言うと
●ふつうに生活している東京という街も、実はいろんなレイヤーが掛かっている。
(よく見える例→幹線道路や鉄道網などのレイヤー、よく見えない例→昔の川跡や昔の町並みなどのレイヤー)
●その「よく見えないレイヤー」をぴりぴりとピーリングしてみよう!
●そしたら、思いもかけないレイヤーがあったりして、いろんな「東京」が見えてきてすっごくおもしろい!!

ということで続けております。
もちろん今後もこういう主旨で続けていくわけですが、
たまに初対面の方に聞かれるとすごく回りくどい説明しかできないのです;;;

「どんなブログ?」 えっと、暗渠とか中心にして、みなれた東京を一皮むくっつう・・・
「なんで暗渠なんですか?」 うーんと、なんか人間のもつ両義的な心の片方のメタファーっつか、誰も心の中に暗渠をもっているんだなあって・・・

ダメだこんな説明では・・・w
ってことで、まあたまにぼんやり「自分のやってることってなんなんだろう」って考えることがあります。いや、ほんとにぼんやりと。

で、このまえ通勤途中の地下鉄でふと考えたのが、以下の「かくれネットワーク」というキーワード。
つぎのパラグラフではそのことを。

2 最近かんがえたこと:自分の「萌え要素」を「かくれネットワーク」で捉えなおしてみる   (ここから脳内BGMは「ニューロニアン・ネットワーク」by H.Hosonoで執筆w)

もちろん幹線道路も地下鉄なんかもネットワーク、といえますよね。
もともと私は地図が大好きなので、これらネットワークを知る・把握するのが大好きでした。これは誰もがよく見えるネットワーク。

で、このネットワークというキーワードを使って
「東京Peeling!」で扱っているものたちを捉えなおしてみたら
どんなことがいえるかな・・・
と自分のアタマの中を整理してみます。

川も川跡も上水や用水路もネットワークです。
暗渠を辿ったり、その起点である湧水をみて歩くのもすごくたのしいです。
だんだん使われなくなって旅客路線として使われるようになった貨物専用線の存在を知ったときには、すごくわくわくしました。
このネットワークは、よく目を凝らしたりフィールドワークしてみないと見えてこない、「かくれネットワーク」。
銭湯やクリーニング屋さんやバスの操車場などがこのかくれネットワーク上に並んでいる様が見えてきたときには、そうれはもう興奮したものです。(今でも興奮しますがw)
また貨物線は引込み線を通して工業地帯を結んでいます。
この貨物線のさきっちょにある工場も、
実はこのかくれネットワークでつながっていました。
私は橋の裏側も好きなのですが、
橋というまさに分断された岸同士をネットワークする重要な存在でありながら、
実はその裏側にはそれぞれの個性溢れる顔がある、という点がお気に入りのポイントなのかも知れません。
まあ強引ですが、これも「ネットワークのその裏側」ってことでかくれネットワークの範疇に混ぜちゃえw

また、ネットワークでつながっているのにそのネットワークという線がいつの間にか消え去り、点としてだけ残されている、
つまり「かつてあったネットワークを偲ばせる証拠」のようなものにも心惹かれます。
それがセピアがかったその存在を熱く主張する大衆食堂や大衆酒場であり、
昭和期の団地であり、
廃線や一部の廃墟であったりするのかも知れません。
なくなったネットワークの痕跡といういか。

そうか、自分の抱いている興味範囲やここでしている「ピーリング」とは、
東京を包むかくれたネットワークの平面を一枚一枚はがして
その存在や残滓を味わうことだったんだな、と改めて思った次第です。
そしてそのピーリングに適する手段が、
きままにする散歩だったり
自転車にのってほっつきあるくことだったりするのでしょう。

・・・これでもまだ「上手にひとに説明」できないなあ・・・
むしろさらにややこしくなったかw

まあ、そんな気持ちでこれからもがしがしピーリングしてまいります。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします、
と別に何かの節目でもないのに思ってみたりしましたw

3 おまけ:職業的な興味と「かくれネットワーク」
さてここからは、ちょっと普段拙ブログを読んでいただいている方々にはあまり馴染みのないこと(つまりさらに独りよがり=読み手のみなさんのニーズを無視してしまう身勝手な内容)になってしまうかも知れませんが。
自分の備忘録的に書かせていただくことをお許しください。
なのでもちろん、以下は読み飛ばしていただいても構いませんw

私は社会人になって以来ずっとコミュニケーションビジネスに携わってきました。
人にものをよりよく伝えるというミッションの仕事です。
数年前までは、「マスメディア」という確固たるネットワークが存在・君臨していたので、
あまりネットワークそのものを考える機会もありませんでした。
ところが
このところマスメディアというネットワークが「万全ではない」といわれてきています。
事実、マスメディア以外の情報ネットワークで伝わる情報の量・質は
数年前と比べ物にならないくらい膨大になってきていますし、
その反面マスメディアに出す広告の量や出来高(広告売上)もどんどん減ってきています。
つまり、これまで私たちのビジネスは
「すでに存在しているネットワークインフラを使って、どんな情報を流通させればいいかだけを考える」
ということでやってきましたが、
今は
「どんな情報を流せばいいかを考えるのはもちろんだが、
それを<どんなネットワークを使って流すか>にもっと頭を使う」
もしくは
「流すネットワーク自体を考える、新たに作り上げる」
のが重要な仕事になってきているということです。
おっと、新たに作り上げるというのはちょっと傲慢な言い方でした・・・。
私たちがネットワークを新たに作るなんておこがましいのです。
昨今の情報インフラの発達やライフスタイルの変化によって
もういろんなところに、たくさんの「かくれネットワーク」ができています、
それを探して・見つけだして利用させていただく、
というほうが正しい。

このようことは、
これまでのコミュニケーションビジネスの経験があればあるほど難しいことです。

こんな状態を、コミュニケーションビジネスの行き詰まり、と考える人もいれば、
新しいコミュニケーションビジネスの始まりと考える人もいます。
私はもちろん後者ですし、
それにひとかたならぬやりがいと可能性を感じています。
(つまり、今後の私自身の職業的に宿命的なキーワードも「かくれネットワーク」である、ということです)

   (ここから脳内BGMは「くちびるネットワーク」by R.Sakamoto に変わるw)

普段趣味にしている暗渠や橋裏や工場などのことを
「かくれネットワーク」として捉えなおしてみたら、
たんなる自分の興味で衝動的にはじめたブログが、
今残っているまたは生れつつある・消えつつある「かくれネットワーク」を意識する、
という職業上のある種の訓練になっているのかなあ、
なんて前向きに思ってみたり・・・。

さて、このブログが私の職業に生かされる日が来るのか?(<こないと思うw)
まあハナからそんなことは考えてもいませんがw

明日はふつうに暗渠ハンター。ご紹介するのは天王洲と高浜橋です!

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暗渠の魅力~レイヤー・ネットワークとしての暗渠

今回はフィールドワークでなく理論編ということで。

暗渠暗渠とか地形地形とか言っててもあまり周囲の方々に理解していただけないのですが、「私にとっての暗渠」や「地形」の意味やときめきポイントなど、ちょっといくつかにわけて書いていきたいと思います。

今日はその1回目。

もうずいぶん前のことですが、学生となって北関東の田舎から東京にきました。
そのころドキドキしたのは、地下鉄路線図。

普通の地図帳で東京はよく見ていました。山手線がぐるっと廻り、東京湾があり・・・・。
いろんな移動の必要性などあって東京にきてから地下鉄路線図をまじめに見るようになりましたが、
これまで見ていた東京の地図に見えていなかった地下鉄のネットワークを知って、
「ああ、こことここはこんなふうに繋がっているんだ」と胸がときめきました。

そして、社会人になってクルマに乗るようになってからは都内のロードマップに夢中になりました。
それまでは「JR+地下鉄」で各所の繋がりや場所を把握していたのですが、
クルマになるとその地図が書き換えられます。
駅と駅とではこんなに乗り継いで・離れていても、クルマで行けばすぐ近く!なんてケースはざらにありますよね?
それが面白くていました。

今考えると、

・地図帳に載っていた東京の地図
それに頭の中でレイヤーとして
・地下鉄路線図
が被さって。さらに
・都内ロードマップ
が被さって・・・・。そういう「ネットワークのレイヤー」を楽しんでいたようです。

さらに、ここ数年は特に自転車で都内を移動することが多くなり
自分のなかに新しいレイヤーができつつあるわけです。

それが、

「暗渠という昔の川のネットワーク」であり、
「尾根や谷という地形の連なりのネットワーク」なんですね。
私が暗渠や地形に感じるおもしろさの一つは、これ。(図参照)
1








自分の頭の中の地図に、「川筋」や「尾根筋」などのどんどん新しいネットワークが被せられていくんです。
それがすっっごくおもしろくて。

これまでの自分の地図に重ね合わせていく愉しみ。
重ねるすなわちぺりっと捲る(=Peel)悦び。
暗渠を巡ろう・なんかほっつきあるって見ようと思わせる動機のひとつは、
そんなところにあります。

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東京peeling宣言。

ピーリング。すなわち皮を剥くことなんじゃないかと思う。自分のやってることは。
東京という平板な、あるいは一般情報で塗り固められ硬直化した都市の皮を1枚剥いでみると、いろいろな面白いことが味わえる。
・文字通りコンクリートで塗り固められた暗渠を辿って、頭の中でピーリングしてみる。
・東京の坂や尾根、台地を足で確かめて、ビルや道路のテクスチャをピーリングしてみる。
・普段通っている橋、表面を1枚ピーリングして(裏返しにして)橋裏を覗いてみる。
・昔から地域密着で営業しているストロングタイプの大衆酒場(などの物件を「ハードコア・セピア=略してハピア」な場所と呼びます)に身を置いて、そこを基点に一帯をピーリングしてみる。
・東京の周縁にある工業地帯を見ながら東京での日常をピーリングしてみる。
・地図を眺めながら歩いたポイントを思い出し、ピーリングしたことを頭の中で繋ぎ合わせてみる。

とかとか。
私にとっては暗渠も橋裏も大衆酒場も工場も、今を異化し新たな東京の景観を立ちあらわす働きをする重要なピーリングポイントなのである。

というわけでなんとなくいくつかの自分の趣味の体系化ができたような気がします。(<ほんとかw)
これからもピーリングに励みマス!

・・・・・という主旨で、これまでの備忘録私的ブログを2009年7月30日(友引)にタイトルを変えリニューアルしました・・・・・

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