カテゴリー「3000 異形地点・工場からピーリング」の記事

暗渠ハンター JR脇に水路!高浜埋め忘れ川(仮)。

もしかして今日ご紹介する水路は、
あまり誰も取り上げていないところなんではないかなあ。
背伸びしなくては見ることができない、
ギリギリ山手線内で見つけた開渠のお話をします。

でもそこまで行くにはちょっと話が長いんですが、
お付き合いください。

前回の湧水水質調査では、成覚寺に行きました。
都営地下鉄三田線・泉岳寺駅のすぐそば。
実はこの測定のあとは、昼ごはんに高浜橋に行こうと決めていました。
さらにわくわくすることに、泉岳寺から高浜橋に歩いて行くには、
高さ1.5mという低ーいトンネル、というかガード下を通っていかねばならないのです。
このガード下、低いだけでなくやたら長いんですよ。200m以上あるらしいです。
ここを通るのも楽しみのひとつでした。
低くて(たぶん)暗くて長い。
なんか暗渠とも通じるところがあるではないですか。

そのガード下の入口がここ。
東海道線高輪ガード、という名前らしいです。
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むわー。タクシーも屋根の提灯ギリギリですよ。
ある筋では「提灯殺し」という愛称で呼ばれてるみたいです、このガード下は。

もう橋裏も見放題。
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いい眺めです。

見上げていると、ちょっと引っかかることが・・。
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場所によっては、水面の照り返しのような光が橋裏に反射されていて、
なんだか線路付近に水の気配。
3日くらい前にちらとにわか雨程度のお湿りはありましたが、
水たまりが残るくらいには降ってないよなあ…。
かすかな疑問が浮かんでくるのです。

しかし長いんだこのガード下は。
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向こう側が見ないんだもの。全然。
途中、側溝に激しく水が流れ出ている箇所がありました。
地下水が流れ出ててるんだろうなあ。

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どばどばと激しい水音がガード下に響いてるんですが、
以外にクルマの交通量も多いのでかき消されてしまいます。

ようやく出口。
なぜか出口には仔猫含む3匹の猫さんたちが。
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なんかパイプに「成ってる」みたい。
どうやら出口にある高浜公園というところに猫だまりがあるようです。

ガード下をくぐり抜けるとすぐにあるのが高浜運河。
新幹線の車両基地への引き込み線、そしてなんと首都圏の貨物線の二路線が
この高浜運河の上をとおります。
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ここは橋裏ファンにはたまらんすよ。

猫だまりのあった高浜公園は、ちょっと東西に細長いんですが、その公園の片方はモロ高浜運河のはしっこに接続。
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上の写真は、高浜運河から振り返って
高浜公園の端っこを撮影したものなのですが、
公園の端っこに二つほど丸い合流口がちょっとだけ見えます。
拡大画像でどうぞ。
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なんなんでしょう…。この公園は暗渠上にあるのかしらん。

とまあその疑問はちょっとそっとしておきます

さてさて高浜橋の昼ごはん。
ここは以前夜にきた場所

なんだか夜はハードルが高そうだから昼にきてみたいなあと思っているうち、
何軒かは店を閉じているといううわさも入ってきて、
そろそろちゃんと行かなきゃなあと決意したわけです。
(以前猫またぎさんがレポートをツイートしてくださったことも大きなきっかけでした)

第一候補で狙っていた「シーパラダイス」は準備中でした。
夜はやってるのかな…。
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ネオンの看板ばかりが目立ちますが、
この焼き肉屋さんの名前は「芝浦ホルモン」。
どうやらシーパラダイスという名前は2階にあったバーの名前らしいです。
2階はすでに営業していない、とのこと(2階にいらした方の直接情報)。
そこでもう1軒だけ残る「はるみ」に。
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なんと店前には「連続麻雀牌マンホール」が。

もう見事に運河っぺりのお店です。
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店内はたいへんにいい雰囲気でした。
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いただいた「はらみ焼肉定食」(withビール)。
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うまかった…(小並感)。
いや、うまかった…(万感の思いをこめた小並感)。

せっかくなので、帰りも同じガード下から。
しかしガード下っつよかトンネルですよ。
こうしてテキスト打ってる今も何度か無意識に「トンネル」って打ってしまってそのたび修正してます。

こつこつと洞窟のようなガード下を長い間歩いて、
出口の山手線内に戻ってきました。

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そんで、なんとなくなんとなくこの道の両側のコンクリをそれぞれ
覗いてみたんですよ。
…そしたら。
まずは向かって左側、田町側です。
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うぇー!衝撃の開渠!
じぇー!ってこういう時に使う言葉なんだろうなと思います。
なんと山手線の内側に沿うように川が。
写真は撮れませんでしたが、
この開渠はガード下の道を暗渠でくぐっているようです。
そう言われればこのガード下入口の道。
暗渠部分の舗装がへんですわ。
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とすれば反対の品川側は…?
高い所から振り返って見てみると。
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じぇじぇじぇ!ってこういう時に使う言葉なんだろうなと思います。
近づいて金網のスキマから覗いたもう一枚もどうぞ。
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神々しい・・・。

これらの川、ガード下の品川側がちいさな溜まりになっていいて、
カメが優雅に泳いでいました。
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ここからは想像ですが、この川と溜まりは高浜運河に繋がっている
「運河の埋め忘れ」的なものなのではないでしょうか。

線路下は断続的な暗渠で高浜橋に繋がっていて、
そのためときどき水面が露出している箇所で橋裏に「照り返し」が見えるのでは?
そして高浜運河へのジョイント地点が、
出口の公園の下に見えた合流口では?

そう考えるほうが自然ですね。

さてでは、この「高浜埋め忘れ川(仮)」、
どこからどこまで続いているのか?大変興味深いですね。
最初に見た田町側は、
どうも覗いた範囲で見切れているようなのであっさり追うのを諦めます。
たぶんその先でおしまい。

では品川側は?けっこう奥まで続いているように見えますからね。
並行する道はないですが、
駐車場や公園など覗き見ポイントはがあるので
コの字ウォークで観察していきましょう。

隣の駐車場から、なるべく奥を覗き込みます。
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水はたいへんきれいです。
水質調査をしたいんですがとても手が届きませんw
そして、品川側からガード下方面に静かに流れているようです。

さらに品川側に移動。マンションと小さな公園があるところから覗いてみたら…。
溝はあるけど水面ははっきりとは確認できません。
あるようなないような…。
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冬にまた来るか…。
さらに先の駐車場から。
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水路消滅です。
少なくとも言えるのは、
品川駅あたりから続いている水路ではなく、
その途中から現れる水路であるということ。
まあ一つのそして最もロマンあふれる推理としては、
西にそびえる泉岳寺方面の台地から集まる湧水を集めて…
ということですよね。

さて真相は…?
まあ白黒はっきりさせるのはもうすこしあとでいいか。

より大きな地図で 高浜橋 を表示

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廃線ハンター 真夏のある日、ブラジルに行ってきた。日帰りで。のお話。

去年の夏の話を今更するのも何なんですが…。
ブラジルに行ってきた話をちょっとだけ書こうと思います。
電車、東武伊勢崎線を使って行ってきたんです。
ええ、群馬県の大泉町っていうところが、事実上ブラジルタウンになっていて、そこに行ってきたよという話なんですけどね。

そこまでは、都心から2時間くらい。
東武伊勢崎線で館林まで行って、そんで東武小泉線っていうローカル線に乗り換え終点の西小泉というところで降りる。
そこがもうブラジルなわけです。
ブラジルと言えばかねてからの私の「一度は行ってみたい国」ナンバーワン外国。大好きなジョアン・ジルベルトの国ですし、ミーハーですがイパネマでビール飲みつつサンバやショーロなど聴いてみたかったわけです。
そこで。群馬のブラジルとはいえ、ブラジルっぽさをより味わうため、よりによって真夏の、最高気温を記録した猛暑の日に行ってきました。

さて、この西小泉という駅は大泉町というところにあります。
暗渠好きとしては、その名前も気になりますよね。
大泉に小泉。もしかしたらでかいの小さいのの泉だらけの町だったりして!?
しかしそういうわけでもありませんでした。
大泉という町名は、その昔(1957年)小泉町と大川村が合併してつけられた名前だとのこと。まあ小さい泉ならあるのかなw?

この町は、人口4万人くらい、2009年時点での町内外国人比率が15.7%で全国一位です。(wikiより転記)
戦前はここに中島飛行機(!)の工場があって、そこが戦後は三洋電気や富士重工の工場となり、1990年に入国管理法が改正されたのを機に人手不足解消のためブラジル、ペルーなどの日系人を積極的に町が誘致した結果だそうです。
ブラジルサンパウロ州のグアラチンゲター、というところと姉妹都市関係も結んでいる、本格ストロングタイプのブラジルタウンでもあります。

街中はクルマ社会ですね、一時間に1本か2本しか電車がないので、
ちょっと現地に行くにも難儀します。ほんとのブラジルほどじゃないけど。
これが西小泉に掲出されてる時刻表。
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でも朝の5時台に3本あるって凄いw

もう駅前からしてすでにブラジルです。
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この看板、当日写メ付きで「ブラジル着いた」ってツイートしたら、騙されてくださった方も数名。(ごめんなさい、その節はご迷惑をおかけしましたw)

でももうほんと駅前からかなりのブラジル。
駅前の宮城商店。
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ここの自販機だってもうブラジル仕様です。
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この夏最高気温を記録した街中をへふへふ言いながら歩き、こんな商業施設に着きました。
ブラジリアンプラザ。
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実はここの2階にフードコートがあって、ここをめざしてきたわけなんです。
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バイキング形式で、ブラジルの日常食がたーんと食べられます。
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ちょっと盛り過ぎw?でもおかわりしてきましたww
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当然冷たいビールとともに。
ビールもブラジルめしもめくるめくような美味さでした。
たしか1000円。お得すぎます。

このフロアにはブラジルな雑貨屋さんも入ってるんですが
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なぜかフロアぜんたいは閑散とした不思議な雰囲気。
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実はここ改装中で、なんか夜営業するダンスフロアになるみたいですね。
満腹したあとは再び灼熱のブラジルの街に出ます。
ちょっと距離は離れているんですが、大泉にはこんなブラジルショップが何軒もあるのでハシゴ。
なんか全然いつもの暗渠っぽくならないんで、無理やり途中で出会った「橋跡(?)」など載せておきましょう。
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なんかビル跡地みたいなとこに生えてる雑草がとても芸術的だったのでつい撮った一枚。
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街中の看板も日本&ブラジル。
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こんな日本の田舎っぽい風景さえどっか異国風に見えてきます。
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こちらは、TAKARAという店とキオスケ・ジブラジルという店が隣り合った「商業集積地」。
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どちらもブラジルのスーパーみたいで楽しいです。
外国のスーパーって楽しいですもんね。
フードコートもありますよ!TAKARAではブラジリアンプラザと同じようなバイキングプレートあり!
こんどはこっちでも食べてみたい!
店の裏側は、たぶん従業員食堂になってます。屋外だけど。
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ブラジルも堪能しましたが、やっぱり暗渠や側溝も気になります。
道路を横切るまっすぐな側溝。
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なんか不思議に蛇行(ちがうだろ)する側溝。
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しっかし、おなかいっぱいなのと、何より暑いというより熱いのとでもうへとへとでしたw
マジ暑かった。
家に帰って食べようとテイクアウトしたコシーニャ(ブラジル風コロッケ)も、
歩いているうちに傷んじゃうくらい。

お、ここは川跡っぽい!しかも緑道になってる!
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いずみ緑道、というこの緑道。駅からまっすぐ続いています。
これ、駅方面。
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幅広の道がまっすぐ続いています。
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なんか水っぽい設備もあるし。
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暑くて干からびてるけどw

川跡かもと思いましたが、これは実は西小泉駅から付近の工場に続く引き込み線の跡でした。
廃線です。
Wikiによると、昭和初期にこの一帯の工業製品を輸送するための軍需鉄道、だったそうです。
そうかー。川跡ではなかったですが、これはこれで萌えます。
廃線・貨物線も普段見えないレイヤーのひとつですからね。

というわけで今日は、暗渠含有率が少ないブラジルのお話でした。

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工場萌え 「ワンダーJAPAN」さんに感謝!工場夜景バスツアー

今日は暗渠ではないネタを。
先月、川崎市観光課がやっている「川崎工場夜景バスツアー」にいってきました。

実は、みなさんよくご存知?の雑誌『ワンダーJAPAN』読者プレゼントに
軽い気持ちで応募してみたら、当せんしちゃったんです。
・・・改めまして、『ワンダーJAPAN』さん、このたびはどうもありがとうございました!

平日の仕事帰り。
18時半に川崎駅付近に集合して貸切バスに乗り込み、
概ね3時間京浜工業地帯を廻る、というもの。
そりゃもう川崎の工場といったら私の大好きな化学工場プラントがたくさんあり、
フレアスタック(工場の煙突から炎があがる、アレ)もたくさん見れて
しかも複雑な構造物の各所に点る銀河系みたいにまばゆいばかりのイルミが満載、
の工場萌えのみなさんにとっては聖地ともいうべきところです。

行く前は、
きっと客層もマニアックな人ばかりなんだろうなあと想像していたのですが、
(実際2年ほど前に行った京浜工業地帯クルーズには
見るからに工場萌えの方々ばっかしだった)
出発時間ギリギリにバスに乗り込んでみるとなんとなんと・・・。
バスはほぼ満席。しかしその8割方は「クラブツーリズム
常連さんみたいなおばさま観光客ばっかりでした。
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実際、このツアーの募集には大手旅行会社が代理店となっているので、
おそらくはそのルートの告知のせいで
このような「観光客」の方が多かったのでしょう。
まあ数を稼ぐには正しい告知手法だったと評価せざるを得ませんねw

その他は、「自分の市でも工場を観光資源化できないか」と視察に来たある市役所の職員さん、20代と50代の母子、それにカップルが数組・・・。
これには驚きましたねー。
・工場夜景趣味が、普通の夜景趣味のなかの一つというポジションを獲得しはじめている。
・時間があってお金もあるオバハンの触手がいろんな娯楽に伸びている。
・川崎市の「工場観光資源化」が着々と実を結んでいる。しかもこれまでマニアにしか通じなかった吸引力が一般にまで拡大している。

などなど変わりつつある消費トレンドを目の当たりにするという瞬間でした。
マジで目を疑いました。
おまけにマスコミの取材も2件ほど入っていて。
工場萌えもここまで認められてきたかと思うと感激もヒトシオです。

おおまかなコースは、川崎駅を出発して
①東扇島 川崎マリエン(まあ埋立地の突端にある展望ビルです)
②千鳥町 日本触媒工場横
③千鳥町 臨港倉庫の屋上
④東扇島 東公園
⑤浮島 高速道路

で川崎駅に帰る、というかんじ。
実はだいたいここいらへんはこのときに夜中自転車で行ってきたところではあるのですが・・・。

まあ普段単独では入れない③なんかは、もう貴重な体験なわけです。
っつわけで、仕事帰りなのでおなかも減ったから
Mクドナルドで買ったつまみとワンカップ焼酎(ビールだとすぐトイレに行きたくなりそうなのでw)
を買いこんでバスツアースタート!

まずは①の川崎マリエンです。
海がすぐそこなので、マリンのエントランスだからマリエン。
っふふ。なんだか自治体運営ならではのネーミングw
ここの最上階展望台(13階だったっけな・・・)で20分か30分の自由行動です。
しかしここは、確かに夜景好きにとってはいいスポットかもしれませんが、
工場萌えにとっては全然萌えん・・・。遠いんですよ、工場群が・・・。
3倍ズームにしてやっとこんなかんじ。
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ささ、つぎつぎ!

で、②の千鳥町まで移動して日本触媒を眺めます。
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次いで③。
ここは、このツアーならではの特別侵入エリア。
かなり期待できますね。
バスを降りて倉庫建物に入り、屋上まで上がるのですが、
ツアーガイドさん(川崎市観光課の、うら若い女性の方でした)からは事前に
「ゼッタイバスから建物に入るまでは写真を撮らないでください」
と何度も注意を受けていました。
これ、もしものテロ対策、らしいです。

当然この施設は観光目的でなくバリバリの現役実用倉庫ですから、
こんな通路を通って階段を登っていくわけです。
オバサン主体の観光バスツアーの一団がw
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で、屋上からの眺めは・・・・。
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ここは結構いい!
対岸にあるのは水江町という島なのですが、
ここには私の憧れの工場、東亜石油がそびえたっているのです!!!
かつてこの夜景を求めてここ千鳥町をうろうろした時は、
こんなによく見えなかった・・・。
さすが、遮蔽するものもなく見通しがいい!!!
もう無駄に何枚も写真撮りまくってしましましたw
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ふと足元を見ると、
この倉庫への引き込み線もなかなかいい眺め!
オレンジ色の照明がなんてロマンチック!!
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④の公園からは、対岸の浮島の工場を眺めます。
正面の東燃ゼネラル、エネオスの工場稼働状態がいまいちで、
おまりきれいな夜景が見えませんでしたので、
ここは割愛。
あ、一枚だけ、
対岸に見えるフレアスタック
(煙突で不要なガスを燃やし排気を浄化するやつ)をどうぞ。
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工場よりもむしろ、運河からぴょんぴょん跳ねる大きなスズキが
気になりました。釣ってみてーwww!

最後のクライマックスは、浮島をアクアライン入り口から大師方面へと
高速道路を走るパートです。
ここまでの行程は、③の倉庫屋上以外はすでに行ったことがあったし、
「なんかいわゆるビギナー向けのツアー?」
なーんてちょっとナメてましたw
また当然浮島の工場は廻ったことがありますので、
正直あまり期待していませんでした。

しかしこれはすごかった!!!!!
高速道路ですから、バスは高架を通るんですよ。
この高いところから眺める工場の夜景はかなりすごい!!!
おまけにバスで移動しているから、
おびただしい化学工場の夜景が前から後ろへと
たくさんの流れ星のように次から次へと過ぎ去っていく・・・。
たとえ「あらー」という感嘆詞がやたら多い
たくさんのオバサンたちに囲まれていても、
それはそれは幻想的な景色を味わえるのです!

ちょっと前に、缶コーヒー「BOSS」のCMにあったでしょう、
あれがそのまんま見えるんですよ!!!!
コーフンしてたから全然うまく写真撮れてないけど;;;
これじゃ全然わからんねww
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これは期待値をはるかに上回るパフォーマンスでした!!!
これだけでも来た甲斐あった!
「ワンダーjJAPAN」さん、改めてどうもありがとうございました!!!!

行程とか、ガイドさんの解説とか
「工場萌え」的にはちょっと食いたらないところもありましたが、
でもこれは参加できてよかったです!

でもですねー、
できれば、参加しているほかの方に、
・なんでこのツアーに参加したのか?
・いちばんどこが気にいったか?
・それはなんでか?
・そこの景色を見たとき、どんな気持ちになったか?
・参加して、払ったお金ぶんの価値はあったと思うか?

とかとか、じっくりマーケティングリサーチしてみたい!
そんな職業的欲望にも駆られましたw。

工場夜景も、いろんな人のいろんな楽しみ方に対応して、
その価値も多様化してるんだなーと
思った夜でした。

ご参考地図です。

より大きな地図で 工場夜景バスツアー を表示

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暗渠ハンター 蘇我のJFE第五高炉と暗渠たち④これは暗渠かはたまた・・・

というわけで、日も傾きかけたころ、再び蘇我駅西口を出て
前回の「線路の下をくぐってくる流れ」がないものかと探索に出かけます。

だいたこのへんかなあ・・・なんてあたりに怪しく湾曲する道路発見。
この道路を少し歩いてみて振り返ったのがこのショット。

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まず左側に線路が見えますね。
これが外房線と内房線で、少し先に蘇我駅があります。つまり背後が千葉東京方面。
そして真ん中が怪しい道路。
右側に低い金網柵が見えますが、この金網柵のさらに右側は普通の片側一車線くらいの幅の道路です。
この真ん中の道路はこのように柵のこっち側で、ずらーっと縦列駐車の枠がある、
まあ「湾曲してずーっと続いている細長ーい駐車場」になているというわけ。
見た瞬間、「暗渠じゃね?」と思いました。

こんな風に、ずーっと先まで続いているわけですよ、
そりゃもう暗渠ファンがみたらゼッタイ「!」と思われると思います。
一定の幅で、囲われた道で、ゆるいカーブを描いて続いている道・・・。
私も昔の川跡を埋めて道路(駐車場)として使っているところ、かと思って小躍りしました。

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この道には、支流のような用水跡(と思しきもの)もいくつかみられます。

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どんどん進んでいくと、こんな風に道路が横切っていたりして。
ここが昔橋だったところか?
・・・しかし欄干どころか橋跡のようなものは見当たりません・・・。
しかし一端暗渠だと思うと、もう自分を疑うことさえしなくなるようで・・・www

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この地点から後ろを振り返ってみましょう。
ほら。川跡っぽいでしょう?

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実はこの付近に2軒ほど本格的手作りっぽいキムチやさんがありました。
おおー、なんか美味そう!帰りに寄ってキムチ買って行こうっと♪

どんどん進むと、広大なJFEスチールの敷地にぶち当たります。
そしてさらにその向こうは海になります。
ここでこの道はおしまい。
JFEの敷地に川が流れ込んでいた、 ということか・・・?
さすが憧れのJFE、川さえ飲み込んでおられたかw?

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川が続いていたかと思われる部分を覗くことができる道が横に繋がっているので、
もう少し追いかけてみます。
おー、あの真ん中の茂みの右側、ちょっとくぼんでるから
あそこに川があったのかなーなんてピュアな気持ちで想像。

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さらに海側を眺めると、JFE工場かの煙突や給水塔、フレアスタック(排気口の出口から立つ炎)など
心躍らせるアイテムが見えます。

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夕日に映えてすごくいい景色。
なぜか映画「パラダイス・カフェ」のテーマソングが頭に流れてきましたw

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これはフレアスタックのアップ。

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よくこのような炎を見ると、
「CO2をムダに排出してけしからん」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
これは排出するガスを炎のチカラで化学変化させ安全な状態で大気中に放すしかけのひとつです
どうかけしからんと思わず、「おお、がんばってもやしとるわ」とやさしい目でご覧いただけるとありがたく存じます。

さーて「川跡」を戻って、キムチ買って船橋の大衆酒場に向かおうっと!
というわけで帰り道。

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光山商店、という「川沿い」のお店でキムチを買っていきます。
超自家製のおいしそうなキムチと、キムチ味の鱈(辛子明太・・・辛子明太「子」ではない)をゲット。

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もうここで半世紀お店を構えている、というおばさんに、
帰りしな「そういえば、この横の道は昔川だったんではないでしょうか?」
と尋ねてみました。

・・・すると、衝撃の事実が発覚!!!!!!!!!!

「いーやー、これはちょっと前まで線路だったのよう」

orz 川跡ではなかったんです・・・・・・・・。

聞けば、ここはJRの線路と昔の川崎製鉄の工場を結ぶ引込み線。
貨物列車ががたんごとん言いながら通っていた、
廃線の跡だったのです・・・。 軽く絶句。
うひゃーもうてっきり川跡だと思って疑いませんでしたよー。
そういやこの幅も両側の囲いもこのカーブも納得がいきます。
なんてアホなんでしょう自分。

しかし廃線や貨物線も最近めきめきと好きになっているので、
これはこれですっごく嬉しいんですがw

帰り道は、きたときと違って「廃線・・貨物線・・・引込み線・・・・鉄道・・・・」
と心の中で念仏を唱えるように歩きましたw

はい、そんな目で見た、内房線・外房線と合流する地点風景を改めてどうぞ。

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と、こんな具合にたくさんの思わぬ収穫を手にした私は
蘇我駅を発ち、無事に船橋駅前の大衆酒場、「一平」にたどり着きました。

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鰻の寝床のような、コの字型カウンターだけのいい風情のお店です。
やっぱいつ来ても安くてうまい!

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さくっと喉を潤して、これまた満足。
買ってきたキムチの匂いを気にしながら横須賀線に乗って都心へと向かう、充実の一日でした。

行程は①での地図をご参照ください。

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暗渠ハンター 蘇我のJFE第五高炉と暗渠たち③冠水注意かよw蘇我駅東口

蘇我駅の南を流れる名無しの川はは、JR線のぶつかるところで上流が暗渠になります。
暗渠上から下流を眺めたところ。

ここまで鯔の子の群が遡上してきています。
写真手前の川面の波紋は、もしかしたらこの群が描いたものかもしれません。

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下流から暗渠部分を見たものがこちら。
暗渠はまっすぐ線路に向かっています。
(写真がありませんが、実は左斜め前からくるもう一つの暗渠もここで合流し、水路のYは字路を作っています)

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線路にかかる陸橋を越えてまっすぐな暗渠をたどってみます。

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うーん。方向としては間違いないのですが、
このあと地上の痕跡は途絶えてしまします。

あきらめて、蘇我駅の東口(工場詣の反対側)に向かいます。
もうかえろっかな、と。
実は船橋の駅前にいい大衆酒場があって、帰りはそこに寄ろうと計画していました。
そこがもう開店している時間だし。

なんて考えて駅前ロータリーに着きましたが、そこに掲げられていた看板がこちら。

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えー。駅前ロータリーが冠水しちゃう可能性あんのかーw

・・・と笑っている場合ではない。
つまりどこかで水路に繋がっているはずではないか!
駅前に地図を見つけて、じっと観察。
あ、よく見りゃ「現在位置」の右のほうに青く描かれた水路が書いてあるではないですか!

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実は、冒頭に書いた「Y字路」暗渠のかたほうが、この水路だったようです。
Y字路からその方向を見たときには、すっかり普通の駅前商店街が続いていそうだったので
「どうせ痕跡ないだろうなあ」と相手にしていなかった・・・・。不覚でした。
暗渠の続きは、その商店街でなくもっとキツいカーブを描いて
商店街よりも線路側に一本あったのでした!

というわけですぐに現場直行!
おお、地図にあった水路はすでに蓋暗渠となっているではありませんか!
しかもすっごい左右に長い蓋です。
これははじめて見る蓋素材!
なんか木琴みたいな蓋だ(木じゃなくてコンクリだけどw)。

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自転車置き場となっているこの蓋暗渠を進むと、やがて線路と交差する地点へ。
この辺になるとさっきの木琴型コンクリ暗渠(<なんか矛盾をはらんだ言い方ですねw)は
同じコンクリでも違った仕様となっています。

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ここから、来た暗渠を振り返ってみましょう。
うーん、少なくともあの駅前の地図が描かれた時点では、
ここは開渠だったわけですねー。
それにときどき冠水まで起こすような開渠だったと・・・。
ふぅーむ。

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駅に戻ります。
いやー、いいもん見られた、これで思い残すことなく船橋の大衆酒場へ・・・。
と思い東口の階段を登って改札へと向かいます。
(蘇我駅は橋上に改札があります)

ある種の達成感を胸に、橋上の窓を覗いてみます。
さっきの暗渠の反対側が見えました。

あ。
続いてんじゃん!

しかも開渠になって!!!

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ズームで開渠部分をアップにしてみましょう。

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おおー!!!!

これは帰るわけには行かない!
船橋の大衆酒場ですぐにビールを飲むわけには行かない!!!

再び駅の階段を下りて、線路に沿って千葉方面に延びているこの暗渠&開渠にアプローチ!

近づいてみると、もうすっかりどぶ川のテイでした。
少し臭いもします。

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それでも、どこまで続いているか確かめたくなるのが旅先の暗渠ってものです。
追っていくと、一旦赤い鉄板暗渠になっていたりします。

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その先で流路がわからなくなってしまいました。
ここがその最先端部分。

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じっくり観察すると、どうやら写真右手のほう、
つまり線路・ホームがあるほうからの流れと合わさっているようです。

・・・・うーん。どうしよ。
せっかくだから、この線路の反対側がどうなってるか、
みてみっか!!!

というわけで、船橋の大衆酒場はよもや逃げるわけではないでしょうから、
とことん行ってみっかと。

改めてさっきの階段を越え、再び西口へと降りるのでした。
西口階段上から見るJFE第五高炉が、夕日を浴びてさらに美しく迎えてくれますw。

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さあ、もうひと探検!

行程は、①の地図をご参照ください。

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暗渠ハンター 蘇我のJFE第五高炉と暗渠たち②名無しの川の暗渠

はい、千葉市中央区は蘇我駅周辺のお話の続きです。
前回はたっぷり解体中の製鉄工場で引っぱってしまいましたが、ここからしばらくは暗渠がらみのトピックを。

蘇我駅の南側を東から西に流れる名無しの川。
写真のような開渠部分は、JRの線路の西側部分から海岸の工業地帯の運河までの僅かの区間です。
水面は穏やかで美しく風景を映しています。
底は決して美しくはないのですが、流れている水自体はまあまあの透明度。

魚はいないかねーと思ってよく目をこらしてみると、
実は5~10cmくらいの小魚が大量に上流に向かって遡上していました。
たぶん、鯔のこども?
はじめは可愛かったのですが、
そのあまりの大量の群れにちょっとキモチわるくなったりwww
いったいどこまで遡上していくのかな・・・。   

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すっかり街中を流れる川なので、あちこちにクルマ2車線分の幅のある橋が架けられています。

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前回チラ見せでご紹介したのは、この名無しの川から垂直に延びる暗渠。
同じように垂直な流路は数本ある(あった)らしく、
名無しの川にはこんな合流口がいくつか見られます。写真のようにすべてコンクリートで塞がれていましたが。
もうずいぶんまえに機能停止しているみたいですね。
なんだかすこし廃墟テイスト。

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前回の蓋暗渠は、この名無しの川を挟んで反対側にも延びています。
ほら。

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追いかけていきましょう。
いいですねー。半私有地化されているところも、都心の暗渠とおんなじです。

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その先はすっきりしていますが、
よく意味のわからない飾りブロックが何らかの自己主張をしています。

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いきなり、かっくん90度に曲がります。
やはり元は耕作地で、用水路だったのでしょうか。

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すらっとした蓋暗渠が続きましたが、この先にはちょっとした蓋の乱れなんかが見られました。
何者かによる破壊工作?局地的に不穏な空気が漂っている、と言えなくもありませんw
ここだけ蓋の材質が微妙に違うんだよなー。

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大きなクルマ通りにでるところで流路は追えなくなります。
この流路終りの蓋も立派。
大きくて威厳があります。

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この暗渠どんつきのあたりで見た、千葉版の大径マンホール。
色からして、この大径→小径整形工事はわりと最近なのかも。

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ではまた名無しの川に戻りましょう。

ここは「今井五号橋」。

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「五号橋」は立派な継ぎ目を残しています。
まあ現役の橋なんだからあたりまえか・・・。

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線路に近づくに従って川幅が細くなってきました。
こんな、自転車も通れないような細い、しかもナナメに架かった橋があり、
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この先のJR線路下でいよいよ暗渠となります。
 

こっからは、また次回で!

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暗渠ハンター 蘇我のJFE第五高炉と暗渠たち①まずは工場詣から

JR千葉駅のひとつ先に、蘇我という駅があります。
この駅は、去年あたりから解体が始まっていることで工場マニアには有名な駅。
以前私もこんな記事を書きました

ここにはJFEスチールという日本が誇る製鉄会社があるのですが、
その第五高炉という鉄鋼生産工場のカナメ部分がゆっくりと解体されているのです。

それがいまどんな塩梅になってるか、もう一度見に行ってきたというわけ。
なんと言っても前回きたときはデジカメを持っていなかったんですね。
そんで相当悔しい思いをして、私をしてデジカメの購入を決意せしめた、という物件でもありますw
(実際前回ここに行って3週間後にはデジカメ買ったw)

アプローチは、京葉線で。
京葉線は、高架だし京葉工業地帯がよく見えるのでとても楽しいです。
ほんと飽きません。
ただ、空いてる電車で腰掛もせず窓からデジカメを構えて海側を見ているオトナ、
というのは周囲にとってはあまりキモチのいいものでないかもしれませんw

はい、窓からはこんな景色がたくさん見えます!

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蘇我駅にはあっという間に到着。
駅の西口を出るともう正面にそびえる第五高炉ですが、"参道"を近づいていくとまた陸橋の上からも絶景が!むわー!!

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前回と違うのはデジカメを持っているか否か、だけではありません。
前回の第五高炉詣のあと、私は暗渠に目覚めてしまっているのです。
蘇我駅周辺の暗渠もどうしても気になってしまうんですw

というわけで、早速参道の横に走る蓋暗渠発見!
いい物件です!
待っててね、第五高炉御参りしたらかならずアナタを追いかけるからねww

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さあもうすこし高炉に近づきます。
ちょっと暗渠仲間の方々にはイタいばかりかもしれませんが、
暗渠の前にしばし工場の魅惑のフォルムにお付き合いください。

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逆光なので、露出をあげてもう1枚。
デジカメは手に入れたものの、写真のテクは未入手なのです。

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さて、ディテールもどうぞ!

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うわ、なんかこれ宇宙戦艦ヤマトの第一艦橋みたいですねw

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となりには大きなサイロとでかい小屋(<すでに"小"屋ではないか)w。

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小屋部分の露出を上げてみましょう。

うわーなんか素敵なものが詰まってるー!

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遠くJFEスチール工場が続きます。
それはこんな素敵な眺め。

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どこかヨーロッパのデカダンな匂いさえするフォルム(意味不明)。

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はぁー。蘇我の工場満喫です!

1年半ほど前に来たときと、実はあんまりフォルムが変わっていませんね。
でも大きなクレーンはこの日も稼動していて、ゆっくりゆっくり解体は進められているようです。

JFEスチーという名前になる前、この工場は川崎製鉄といいました。
蘇我の町は川鉄の町でした。だから実際このあたりの町の名前は「川崎町」。
そんな町のシンボルであった高炉が解体されていくのを、
町の人はどんな気持ちで観ているんでしょう。
解体していく工場と入れ替わるように、このあたりにはショッピングセンターや郊外型の大規模リテールが続々と出来上がっていました。

さて、参道途中の暗渠に戻りましょう。

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本格的には次回以降で取り上げますが、
この辺は工場周辺の運河に繋がる川が流れており、この開渠と暗渠を追っていきます。
その他、後半ではあっと驚くオチのある謎の流路のことも。
どうぞお楽しみに!
(下の写真がその川。架かる橋の名前から「今井川」かと思ってましたが名前わからず ←6/15訂正)

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今回の蘇我シリーズの地図です。

より大きな地図で 苏我 を表示

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工場萌え 貨物基地に萌えるはずじゃなかった③廃線パーキング!?

貨物ターミナル、隅田川駅の最終回です。
まるで萌える工場のようだった駅ですが、周辺の再開発が行われる以前はもっと広大な敷地を有していたようです。
どうやら海運とも密接に連絡があったようで、すぐそばを通る隅田川から引き込まれる運河の跡がまだ一部、荒川区立瑞光橋公園として残っています。

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ここから隅田川駅方面を望むと・・・

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間はマンションだらけw
こんなマンションが立ち並ぶブロックが、いつくも駅の周りを囲んでいます。
おそらくそのブロックの間には、いくつもの運河が張り巡らされていたのでは・・・。

さて、名残惜しいのでまた隅田川駅に戻ってみましょう。
日の暮れかけたセメントサイロは、さらに異様な雰囲気を醸していました。
吸い寄せられるようその足元まで近寄ってみます。
遠くから見たときは一枚の金網フェンスがあったので諦めていましたが、
どうやら結構近くまで入れそうです。
金網フェンスは、サイロのある駅の敷地の囲いではなく、敷地に沿って作られている駐車場のフェンスでした。
しかも・・・。この駐車場、サイロから流し出されてくるセメントを受ける貨車が通されていた線路跡なのです!!!
おおー!廃線駐車場!!!
下の写真の、屋根の下がサイロの足元で貨車がセメントを受取る「セメントプラットフォーム」です。

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そしてこの小屋もセメントプラットフォーム!
向こうに出口もみえますね。かっくいー!!!

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廃線となっているセメントプラットフォームを覗き込んでみましょう。

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んー、ここは川燃え・鉄萌え・貨物基地萌え・工場萌えに加えて廃墟萌えまであるんだー!!! もう私的パラダイス!!

そう思ってみると、その中心軸となっているセメントサイロを崇め奉りたくなりますねー。
というわけでもう1枚w

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少し冷静になって周りを見てみると・・・。

駐車場スペースの上にはあの、あの、何て名前なんだかわかんないけど
ふつう線路の上にずっと続いてる、あの電線が架かってるブリッジが延々と!

この駐車場全体が、廃線スペースを利用していたんですねー!!!感動!

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駐車場の隣には、途中までレールがしかれたままの廃線もありました。

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あーありがたや隅田川駅w

ボケボケですが、もういちど廃線駐車場の夕景をどうぞ・・・。

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さてまとめとして、貨物線市場のお話を少し。

貨物線が旅客線に転用されるくらいですから、当然貨物の需要自体は減っています。
なんでも、戦後の高度成長期まではぐんぐん需要が伸びて、
「こりゃもっと貨物ネットワークを充実させんとあかんで」
ということで本格的なネットワークやターミナル基地を作り始めたらしいんですが、
その高度なネットワークが完成するまでには陸上運送に需要をもってかれてしまった、
ということです。
京葉線も本来は貨物用に整備された路線だったのですが、貨物線としては結局本格的に使われぬまま、旅客線となったらしいです。

最近の貨物事情もついでに。
2010年4/15の日経新聞によると、
「09年度はコンテナ貨物の輸送量が8.2%減った。これは最近のピークである07年から比べても1割減」とのこと。
景気が悪いので生産活動が減り、荷物も減ったというのが理由らしいです。なるほど。
しかし、3月単月で見ると、自動車や電機などの貨物輸送が順調で、持ち直してきているとのこと。・・・景気も底打ちか!?

ちなみに。こんどのGWは、
「通行料金割引で高速道路が渋滞する→トラック輸送が不安定になる→やった!貨物の書き入れ時じゃね!?」っつことで、
貨物列車は26%増便するそうです。
頑張れJR貨物!!!

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工場萌え 貨物基地に萌えるはずじゃなかった②セメントサイロと遠くの信号

隅田川駅の2回目です。

ここには「貨物線というレイヤーで頭の中の東京地図をピーリングする」という興味でやってきましたが、ここに意外なものが存在していたのです。

それがこれ!!!

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まるで私が大好きな「工場」かと見紛うばかりの物件が!!!!
これが貨物ターミナルの駅敷地内にどどーんと存在しているのです!
あとで聴いたところによると、これはセメントサイロなるもので、
全国に配送されるセメントをここに蓄えておいて、
これらから貨物貨車に直接どばどばと積み分ける装置。
この給水塔っぽい本体と、それにまとわりつく化学工場みたいな
パイプや支柱や塔が、工場萌え心を激しく揺さぶります!!!
ああー、全国の工場萌えの仲間に教えてあげたいこの感動!
京浜工業地帯でも京葉でもなく、こんな隅田川のほとりにこれほど素敵な物件があろうとは!
全く予想だにしませんでした;;;

もう1枚、敷地横ビルの4階にあるスポーツジム行きのシースルーエレベーターから眺めたセメントサイロ群をご堪能ください。

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続いてディテール。サイロの先端部分はこんなソリッドな設備がくっついています。

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それにしても、ここの立地もなかなか興味深いんです。
この貨物ターミナルは江戸時代の処刑場だったそうで、そこの跡地を利用して作られました(鈴が森みたいなかんじ)。まあイワクつきの土地ですね。
今では貨物駅(南千住)周辺にはもうタワーマンションがぼんぼん建っている巨大再開発地域 なのですが、その再開発地域とマンション群の間には、まるで「こっちとあっちは異空間なんだよ」みたいに結界を結ぶかのように、にぎやかな商業施設が「壁」を作っているのです。
これがその「結界」施設。街の設計上、必然として作られたんだろうなあ・・・。

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さて隅田川駅の敷地沿いにぐるっと回りこんで歩いていくと、駅の中が金網越しに見渡せる場所がありました。

これは金網越しに覗き込んだ風景。

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ここも「工場萌え」心がびんびんと揺さぶられるポイントでした。
遠くに見える信号の灯りが、まるで工場夜景のようにも見えます。
(ってかそうにしか見えないw)

さらにこれ。

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もうまるで工場のトラスに灯るあかりのようです。
(これまたもうそのようにしか見えないww)

ちょっと撮影ポイントを変えると、先ほどのセメントサイロも背景に入ってきます。
サイコー!!!

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貨物ターミナル駅にいることを忘れそうな興奮です。
もうこうなると何に萌えてるんだか自分を見失いそうですww
ぜんぶかっこよく思えてきたw

この「ひろーい敷地に続く遠近感たっぷりの風景」というのも工場萌え要素なのかもしれませんね・・・。

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さらに歩いていくと、敷地内にトラックなどが出入りする、大きなゲートがありました。
ところが案内板には「敷地内には入るな」と堅く拒否。

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中に入ってもっといろいろ見たいけど、まあしゃあないなあと諦めていると、
中から自転車に乗ったおじさんがふらふらと出てきました。
手にはケータイを持っていて、いかにも「中に入ってケータイカメラで写真とってきちゃった」風情の。そのおじさんがこちらに話しかけてきて、
「中に入りたいの?全然ダイジョブよー。あっちにいる人たちに『写真撮りたいから見せて』って言ってみなー」とノタマるではありませんか!

よっしゃ、なんか去年から自分が「潜入キャラ」に思えてきたので、ここぞとばかりに潜入を試みてみます。

ところが。敷地内に入ってしばらく歩いて事務所に到着、事務所の方に「写真撮りたいんですが中に入ってもいいですか?」と尋ねたところ、
「入口に関係者外は立入厳禁ってかいてあったでしょう?もうすでにここまで入ってきている時点で本当は罰せられますよ」とやさしく諭されました。
やれやれ。おっさんの口車に乗ってあやうく犯罪者になるところでした;;;;。

というわけで引き返し、もういちど金網越しに合法的な萌え景を一枚w

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隅田川駅シリーズはもう一回、続きがあります。

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工場萌え 貨物基地に萌えるはずじゃなかった①隅田川駅?

私はこれまで一切鉄要素ってないと思っていました。
小さい頃から電車のおもちゃにはほとんど興味も示さなかったし、
たしかプラレールみたいなのも欲しくなかった・・・・。

ところが、最近の「東京人」の貨物ターミナル特集を読んでちょっと興味が出てきたんです、電車そのものではなくその貨物輸送のために都内に張り巡らされた輸送ネットワークに。

だって、りんかい線とか京葉線って、もともとは旅客用でなく貨物用に作られたって言うんですよ!!!
いま旅客用に使われていなければ、その路線も「知る人ぞ知る線路」になってるわけで。
もしかしたらいまでも人知れずひっそりと貨物コンテナだけを運び続けていたかも知れない・・・っていうかかつてそうだったなんて考えると、わくわくしますでしょう!?
また、「貨物専用線」というネットワークが東京の地図にひとつのレイヤーを作っていると思うと、これはもう立派な「東京Peeling!」の研究対象となるわけなのです!
こういうのって撮り鉄とかの用語でいうと、線鉄っていうのかな。路鉄?網鉄?うーん・・・w?

ふぅ。前置きが長くなりましたが、その貨物ターミナル特集に載っていたのが「隅田川駅」。
もちろん貨物ターミナル駅ですから普通の旅客乗車ではたどり着きません。
そんな駅に、貨物線ネットワークへの興味とそれから「川」という名前の魅力と相俟って、出かけてまいりました!! いったいどんなところなんでしょう。

隅田川駅は、南千住駅のすぐ近くにあります。
南千住からアプローチすると、まずつくばエクスプレスの陸橋をこえていきます。
この橋裏がブルーでかっこよかったw 橋裏ってホントにいいですね!
・・・あ、これは本編とは特に関係ありませんw

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そして見えてくるのが、隅田川駅です。
どうです、我々が利用する駅の概念とは全くのベツモノ。 のっけからどこか謎めいていて素敵。

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ちょっとアップにしましょう。外界を遮断する門扉の横には、「隅田川駅」という表札がかかっています。表札ですよ、表札w

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隔てられるとますます中が覗きたくなるものです。
が、なかなか全容がつかめません。
地図を見ると敷地は広大です。中は一体どうなっているのでしょう・・・。
覗こうと思っても山積みのコンテナが邪魔をして・・・。

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そこで、「ではまわりのちょっとちょっと高い建物から覗いちゃおう」作戦に切り替えることにしました。
ちょっと移動すると、「ドナウ広場」があります。先を急ぐのでこの際「チェコかよ」「どんだけドナウなんだよ」的なツッコミには触れませんw

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このすぐ横に、3階建ての駐輪場がありました。
よし、高さはじゅうぶん。ここに上って隅田川駅を眺めてみよう!!!
ってんで3回まで登りましたが、なぜか隅田川駅方面の窓ガラスは全部刷りガラスで目隠しがされています。こっち側以外は全部素通しの窓なのにー!!!!

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なにか隅田川駅に、重大なヒミツでもあるのでしょうか?
ちょっと勘ぐりたくなりますw
敷地の角、隅田川駅方面と90度の角度にあった窓から、カメラを持った手を伸ばして隅田川駅を撮ったのがこれ。全容とは全くいえない、端っこの写真です。

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うーん。駐輪場登頂作戦は失敗。
なんてちょっとがっかりしましたが、実はこのあと、何てことなくこの駅構内の景色を眺めることができるようになりますww

お、駅の向こうには最近東京タワーを追い越したスカイツリーが。
でかいけど、頭に2本のツノみたいなクレーンが載ってるところがなんかカワイイっすね。
昔ウルトラシリーズにああいう怪獣が出てきたような既視感もちらりと・・・。名前なんつったっけな・・・。

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では「隅田川駅」シリーズ、あと数回続きますー!!    

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