暗渠ハンター 大袋駅を囲む大袋を見にいく。その3
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たまたまこの大袋・せんげん台近辺のことを書いて予約投稿としていましたら、
9/9、9/10の台風18号による大雨があり、この近辺でもたいへんな災害に見舞われてしまいました。
そんな状況でこの記事を公開するのは不謹慎なとも思いましたが、
ここでの「日常」をお伝えし、かつ住民の皆様が一刻も早く普段通りの暮らしに戻れるよう
私なりのエールのつもりで、予定通り公開させていただくことにします。
住民の皆様には、心からお見舞い申し上げます。
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「ふくろ」上流端はおそらくここ。
周囲より凹んだ溝を刻む道が
元荒川と交わる地点に、小さな水門がありました。
下流のポンプ場があった水門と比べるとすっごく地味です。
きっと須賀用水の取水口はもっと格段に規模がでかいことでしょう
(googleSVで確認する限り、取水口である永代橋はもう水門どころか堰ができとります)。
地形や道路を見る限りおそらく
「ふくろ」はこの先大袋小学校の東をかすめて北へと向かうのでしょうが、
私はこの後の予定もあるので大袋駅、
つまり「ふくろ」のまんなかへんへと向かうことにしました。
ところがこっちもかなり面白い。
「ふくろ」中央部でも、あちこちに暗渠が走っているのです。
もう駅までの道がたのしくて仕方ありませんでした。
なんかこの辺りは足立区の江北あたりに似てる感じがしました。
お、また出た。鉄板でつじつまを合わせる蓋暗渠カーブユニット。このあたりのお家芸なのかも。
駅前まで続いてる。
おそらくこれが線路を越えて、「その2」冒頭でご紹介した暗渠の交差点まで伸びているのかもしれません。
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「ふくろ」現地リポートはここまで。
この日、この後の用事は大袋駅からさらに北、東武動物公園駅から少しあるいた公園「新しい村」で。
ここで、水没祭という激しくわたし好みの名前の催しがあり、
そこで演劇が上演されるのを観に行くのです。
ひょんなことからTwitter上で知り合った劇作家。高野竜さん@takanoryu のプロデュースする、屋外劇。
この日の演目は知る人ぞ知る(らしい)、唐十郎の「秘密の花園」。
舞台は水上です。
解放された舞台。もちろん観劇無料。
この公園にある池に、わずか3畳ほど。
丸太を繋いで筏のようにした狭い舞台。
ここを中心として、時には池に落ちたり飛び込んだりして話が進んでいくわけです。
装置からして、尋常な設定じゃない。
ストーリーは、普通に現実的なふうに話が進んでいくわけじゃなくて、
こう、荒馬に乗ったような展開で、
その不条理から垣間見る非日常の心象風景を見せつけられるような、
役者による演劇という祈祷によって日常の裂け目を作り出すような、
そんな劇。アングラ。
そうか!アングラ。「アンダーグラウンド」じゃん!
暗渠的な存在の演劇なのか。だから私は観に来たのか!?
観終わった後でじーんとくるおもしろさ。
当日の様子はこちらでどうぞ。
…この高野さんとは「藤右衛門川」への興味で接点ができました。
暗渠が繋いでくれた縁。
最近藤右衛門川を舞台にした戯曲「一輪の書」を完成され、
(暗渠戯曲ですよ!)
来年5月には、府中の是政にある「豆茶房でこ」というカフェで上演されるとのこと。
暗渠好きはぜひ見に行かれたし。
以上、おおきな「ふくろ」と水没祭、埼玉は越谷あたりのお話でした。
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