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暗渠ハンター 大袋駅を囲む大袋を見にいく。その1

久々に「暗渠に行った話」を書こうと思います。
それもいきなり埼玉の、越谷とかそっちのお話です。

私の実家は栃木にあるのですが、
いつも行き来はJR宇都宮線を使っています。
ある日きまぐれに
JR久喜駅で東武線に乗り換えて帰京してみました。
まあ景色はJR線とそう変わりはないのですが、
ひとつ印象に残りすぎるくらい残ったものが…。
「大袋」という駅があったのです。
袋といえば「水に囲まれた土地」を意味する地名です。
それに「大」までついてるとは…。
ドキドキしてきます。
大袋駅を通過したときは単に平坦な土地にしか見えなかったのですが、
その場で「東京地形地図」を立ち上げてみたらまあびっくり!

1

わかります?
左下は元荒川という開渠の川。
そこから発する、
たんこぶみたいにびよーんってなってる隠された道が見えますね?

2

そこで即座に、
・このたんこぶみたいなのは、元荒川の蛇行の跡である。
・それに囲まれているから、この土地の名は「大袋」。
と気が付きました。
東京地形地図さん、毎回どうもありがとうございます。

そしてこれは後日木土地理院のサイトで「地理院地図 電子国土web」で確認した画像。

Web

しっかり「川跡」(青のヨコシマ)として載っていたのです。
さあ、あとは現地調査だ!
ってことで、さっそく行ってみることにしました。

*
暑い夏の日。
だったのですが、隣の北越谷駅で降りて歩いてこの「ふくろ」に近づくことにしました。
さすが元荒川の沿岸部、たくさんの暗渠道がありました。
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ひーこら歩いて着いたのが、ここ。
「ふくろ」下流の、元荒川との合流点です。
元荒川の河原から陸(左岸)を見たところ。
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水門があり、その向こうは「外野合ポンプ場」がありました。
やはり先に地形図でみたとおり「ふくろ」はうっすら低いので、
いまだに暗渠となって水を流しているのでしょうか。

さーて川道がうまく見つかるかなー、一番低いのがここだし、この植え込みのある歩道が怪しいなー。
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なーんて十数メートル進んだら、いきなり開渠が現れたので拍子抜けです。
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再生水か何かでしょう。親水空間として整備されていました。

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このあとずっとこんなふうに開渠が続きます。
ここで合点がいかなかったことがひとつ。
流れが逆…」

先ほどのポンプ場は、元荒川の上流から別れた「ふくろ」が再び元荒川に合流するポイントです。
すなわち「ふくろ」の下流。
言うまでもなく水は上流から下流に流れるのが当たり前ですよね。
ですがここでは、下流から上流に向かって流れているのです…。
なぜだ?
再生水のフェイク開渠だから?
それにしてもなんでわざわざ逆に…地上と地下とで水を循環させている?

わかりません。暑さのせいもあってちょっと頭が混乱しそう…。
持って行った、「半分水を入れて昨夜から冷凍庫に寝かせておいたペットボトルに今朝泡盛を入れたもの」をひとくちごくりと飲んでも
口から出るのは「うまい」という自分に言い聞かせるような小声だけです。

冷たい泡盛とともにこの疑問を携えながら、先へと進むことにします。
無駄に文学風の言い回しをすることもやめることにします。

横から何本も支流が合流してきます。
やはり肥沃で田んぼもたくさんあったのでしょうね。
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親水空間は東武線に近づくにつれ消え、
こんなコンクリ蓋暗渠が登場します。
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いよいよ線路ぎわ。
線路手前では一瞬開渠に。
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じつはここ、あちこちから集まってくる何本もの暗渠の合流点となっていて、
線路際は、タコ足コンセントにコードが絡みつくような
蓋暗渠の混線状態となっています。ちょっと珍しい風景かも。
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線路を越えると「王子コンテナー埼玉工場」の横を幅広コンクリ蓋で続きます。
線路を越えた地点でもやはり他の暗渠と交錯してました。
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そしてこの幅広コンクリ蓋暗渠の「ふくろ」は
しばらく行くとくいっと左に曲がって工場内を突っ切ってしまうのです。
この塀の真ん中のところから敷地の中に。
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「ふくろ」の湾曲部分ですよね。
こちら塀から敷地内に入った「ふくろ」の姿。
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へえー。(ダジャレではありません)

しかし、曲がらずにまっすぐ続くコンクリ蓋もあるのです。

どこにつながっているのだろうとまずはこれを追いかけてみましょう。
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少し行けば、まるで桃園川みたいなレンガ敷きの暗渠に。
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そして間もなく他の川と合わさって開渠となります。
相変わらず流れる方向は同じ。
ここまできて地図を改めて見たときに、
先ほどからの「なんで逆流?」の答えがわかりました。

この川は、丘を越えて「ふくろ」の東となりの新方川の水系の用水路につながっています。
つまり、「ふくろ」の少なくともこの下流部分は、
農地整備または都市整備の一環としてある時期に
この新方川水系に水を逃がす(水を回す)水路として
本来とは逆の傾斜をつけられた水路として「変身」した、というわけでしょう。
その意味ではサイボーグ川。
「ふくろ」内側の低地に頻繁に起こったであろう洪水対策であったのかもしれません。

さて、謎が一つ解けたところで、
湾曲後の「ふくろ」を再び追いかけていきましょう。

続きは、次回。

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