暗渠マニアック!ここが見どころ読みどころ③
努力は裏切らないね。
なんて気分に勝手になってるわけでして…。
ちなみにこの「区境暗渠の本数リスト」を『区境暗渠データ帖Ver.1.0』とするなら、
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「暗渠マニアック!」の第3章は「湧水と暗渠」。
川、暗渠の始まりとしての湧水を、吉村と私それぞれの視点で述べていくパートです。
私としては実はこの章がいちばん書き応えがありました。
ブログで断片的に扱ってきた湧水系のものを
ようやく自分なりのやり方で筋を通すことができた、
そんな気持ちです。
吉村はこの章で目黒川の支流暗渠、空川を取り上げ、
持ち前の深堀り力で
そのいくつかの水源である「湧水」のナゾに迫ります。
身内で言うのもなんですが、このお話も
私でさえ初めて知る内容が多くてたいへん面白かったです!
対する私は、都心の湧水ポイントを俯瞰します。
公園なんかで大事にされている有名な湧水ではなく、もっと地味なヤツばっかりを。
そんな、ほんとに湧水かいなと疑うような、
住宅の脇や裏でひっそりと湧いている水を
「わき水(湧き水/脇水)」
とポジショニングし、書き始めました。
そしてそれらを「湧水」と呼んでいいかどうか、
柴田化学製の簡易水質調査キットなどを足掛かりに
推理していくお話です。
あ、ここから先はぜひ本書でw
*
ところで、今回触れられませんでしたが
執筆後で出会った今日深い話題が一つ。
2月の終わりに神戸に、
文部科学省が主催する「第4回サイエンス・インカレ」を見にいきました。
大学生や高専生の優れた「自由研究」を発表する
理系ヤングw のお祭りみたいなものです。
そこで目にしたのが、東京大学 高野雄紀さんの研究。
見事上位に入賞したこの研究のテーマは、なんと
「東京都区部の湧水量に水道漏水が与える影響」!
この研究が素晴らしかった!
とてもざっくりいうと、
・都心で見られる湧水は、「上水道管からの漏水」がけっこう含まれてるんじゃないか?
・そんな仮説を証明しようと、何年もおとめ山公園の湧水データを取り続け、雨水量や成分などと照らし合わせながら検証し続けている
という内容です。
この仮説を聴いた瞬間にぶっ飛びました。
その発想はなかった…!
あまりに感動したので、表彰式後に高野さんにご挨拶させていただいたほどです。
高野さんの研究テーマはその後読売新聞なんかにも取り上げられ、
最近は地下水学会で共同研究者の方とこんな論文も発表されています。
ちなみに高野さんにお会いした際に
「暗渠はお好きですか」と聞いてみましたが
「いや、そっちはちょっと…」とのことw
次回「わき水」のことを書くときは、
はこんな視点もご紹介していきたいなあ。
*
「暗渠マニアック!」FB特設ページはこちら。
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先月柏書房から発売の「暗渠マニアック!」、
おかげさまで無事にみなさまに受け入れていただいているようです。
まことにありがとうございます。
7/11はNHK「ブラタモリ」で仙台の代表的な暗渠、
四ツ谷用水を取り上げていましたね。
東京スリバチ学会の皆川会長がたくさん暗渠の話をし、
タモリさんもノリノリでやり取りしていた影響で、
「暗渠」
「暗渠マニア」
「暗渠の交差点」など含めて
その時間は普段の数十倍(もしかしたら数百倍)の暗渠ツイートがあったみたい。
世間的にも暗渠がキテるようです。よね?
まあそんな中、少しでも多くの方に「暗渠マニアック!」に興味を持っていただけるよう、
またすでに「暗渠マニアック!」をお持ちの方は、
さらに再読が愉しくなるよう、
気まぐれに見どころ・読みどころをご紹介していこうとおもいます。
さて今回は「章の扉」のこと。
「暗渠マニアック!」はぜんぶで7つの章から成っていますが、
その各章の扉にはモノクロの暗渠関連の風景写真と
短い「いざないことば」を設けました。
写真は、我々の写真ストックから編集さんとデザイナーさんに選んで頂いたものです。
なんか物によっては、
モノクロになると元の写真よりかっこよくなるんだなあと学びました。
それと、文言。
こちらはもう最後の最後にわっと書いて入稿という感じでした。
けっこうわさわさと。編集さんに手助けいただいて、我々著者と3人でPC上でやり取りして仕上げました。
でも、短時間に作ったのに
火事場の馬鹿力が発揮できたのか、結構いい出来なのではないかと自画自賛…。
とても気に入ってます(私は)。
ちょっとポエム入ってるものもあったりして。
でも扉だし若干ウェットでもいいかと。
写真は第3章「境界と暗渠」の扉。
こちらとあちら、世界を二つに分かつ川。
世界は、自己から他者を区別することでできあがる。
土地に水で線を引き、ソトとウチを作りだす川は、世界の創始者といえるのかもしれない。(以下続く)
それと、告知です。
「暗渠マニアック!」共著の吉村生さんが、
大好きな桃園川のほとりにある暗渠カフェ、
その名も「モモガルテン」さんでパネル展を始めます。
このまま一冊の本になるんじゃないかってくらいの濃い内容。
ぜひいらしてください!
以下吉村さんのFB投稿から。
****************
暗渠マニアック!の著者が行うイベントの情報です。
展示「桃園川の記憶」
吉村のもっとも肩入れしている暗渠は桃園川、なのに、桃園川の記述が少ない、と感じた方はいらっしゃるでしょうか。
それは、桃園川と松庵川については一章分ではとても足りないこと、それから、この2暗渠ではまだまだやりたいことがある、と思っていること、が理由です。
やりたいことのひとつ。桃園川に関する地元との相互交流型の展示を、桃園川沿いのカフェモモガルテンさんにて、やらせてもらえることになりました。
会期は7/15-8/30、営業時間や休日はモモガルテンさんのものをご参考に。8/12-19は夏休みだそうです。
中野区部を中心に、流路、ほとりにあったものがたり、謎、むかしの写真などを10数個のパネルにして掲示予定です。暑い時期なので、無理に歩かず脳内暗渠さんぽとしゃれこんでみてはどうでしょう?(カフェなので、なにかご注文はしてくださいね。)
期間限定特別メニューとして、暗渠めし、暗渠ドリンクもつくっていただけます。
暗渠マニアック!、東京暗渠散歩、水路敷Tシャツ、特製桃園川絵葉書も販売いたします。
長くなってしまいましたが、また情報は足してゆきます。ぜひ、桃園川に遊びにいらしてみてください!(よ)
****************
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発売から10日ほどたって、
都内ではようやく店頭に行きわたってきた感のある「暗渠マニアック!」です。
いや、正直に言うと、「あるところにはある。ないところにはない」状態なのですがw
「あるお店」ではどんな風に売っていただいているか
とても気になるので、
週末はいくつか本屋さんをまわっての現場視察をしております。
そこでまず気づいたのは、
「どの売場に並べるかは本屋さんの考え方次第」
だということ。
特にこの本は、いろんなジャンルのキワに位置するような本なので、
若干扱いづらいのかもしれませんね。
旅行カテゴリーの、特に東京とかの街歩き系に並ぶことが多いようですが、
写真集カテゴリーやサブカルチャーカテゴリーに並ぶケースもあるようです。
これはこれで読者の「新規開拓」にはいいのかもしれませんが、
目的買いでいらしたお客様はちょっと見つけづらいかも…。
というわけで、どうぞ本屋さんでお求めの時は、
思い切って店員さんに
「6/25発売の、柏書房の暗渠マニアックはどこですか」
と聞いちゃうことをお勧めします!
もうひとつ肌身にしみたのは、
店頭で一定程度の陳列スペースを確保するかどうかも、
本屋さん次第、特に本屋さんのご担当者次第なんだなあということ。
まあベストセラーはちょっと置いといて、
こんな海のものとも山のものともわからない新刊本なんかは、
ご担当者さまが興味を持ってくださらないと仕入れもしてくださらないでしょう。
反対に、ご担当者さまが「!」と思えば、
思い切った大量陳列もしてくださいます。
そしてそのご担当者さまに「本の情報を届け、提案する」版元の営業力が、
大きく作用するようです。
版元である柏書房さんのおかげで今回は、
何店かの書店さまで
POPや数枚のパネルをご提供しての大量陳列も実施していただいていますし、
千駄木の往来堂書店さまや船橋近辺のくまさわ書店さまでは
購入者向けの「オリジナル暗渠解説ツアー」キャンペーンも展開させていただきました。
詳しくはこちらをどうぞ。
※往来堂書店さまでの企画は、ご好評いただきすでに締め切らせていただいています。
柏書店の営業さん、すごい!
それにしても、大量陳列されたいくつかの様子をみてると、
やっぱり店頭って、特に書店さんの店頭って、
力のある「メディア」なんだなあって改めて感じます。
写真は西荻窪の颯爽堂書店さん。
入口すぐの、話題の本的コーナーに、表紙を見せて陳列をしてくださってます。
柏書房の編集さん手づくりPOP付!
お店の許可を得て撮影させていただきました。
*
さて最後にちょっとほかの本のお知らせも。
実は「暗渠マニアック!」とほとんど同時期に、
お友達の本も発売になっておりました。
ジャンルは全然違うんですけどね。
地形友達のツテでSNSで巡り合ったフードライター、
白央篤司さんの「にっぽんのおにぎり」です。
47都道府県をべんきょうしながらその県「じまんのおにぎり」を知っていく、
という絵本(写真ですけどね)みたなかわいい作り。
楽しい本ですよ。
おにぎりの製作は「病気になったバーテンダーの罪ほろぼしレシピ」を書いた
藤村公洋さん。
藤村さんの握ったおにぎりの表情もいいです。
別冊による作り方ワンポイント、みたいなのもついてるから再現も可!
よろしかったらご覧になってみてください。
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