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暗渠ハンター 板橋湧水跡めぐり 5

「いたばしの河川」(板橋区教育委員会)で取り上げている
無名の川や湧水の断片を訪れるシリーズです。
たぶん今回で最後になるかなと。

突然ですが、
同僚から、ここ半年くらいに出版された「文藝」(河出書房新社)を
数冊もらいました。
載っていたのは芥川賞候補(だった、かな。この記事が世に出る頃には…)「砂漠ダンス」山下澄人とか「想像ラジオ」いとうせいこうとか。
読み応えありましたね、どちらも。
特に「砂漠ダンス」はその構造が新しいなあと思いました。
クラウドによって実現する「集合知」みたいな何かを感じる構造。
そこで語られる自意識と疎外感、みたいな。

それでね、「文藝」ってくらいですから、毎号何本かの小説が載ってるわけです。
で、これ結構目次が面白いんですよ。もくじ。
作家の名前たタイトルの前に、こんな小見出しが載ってるんです。

出張に出ていたはずの妻が、愛人と泊まったホテルで急死。夫と幼い息子に残された妻の“形見”とは?
伊藤たかみ 冷蔵庫の奥の形見

娘たちを「違う世界」へ連れて行ってくれる魔法、それは…待望の中篇!
松田青子 英子の森

「わたあめのような富におぼれて育った」五十代・独身姉妹の共同生活?
青山七恵 風

男は今日、東京へ来た…師からの命を実行するために
大石圭 鮫

この小見出しがね、いいなあと…なんか、こう修辞法的に。
中には、タイトルだけでは魅かれなくても
これでちょっと読んでみたくなるようなリードもあります。

こういうのを川や暗渠に付けるとしたらどんなかなあ…。

すっぴん娘がメイクを覚え、着飾り踊らされた果てに流れ着く先は…
「桃園川」 
とかね。

俺は用水?自然河川?自らを問い続け張り裂ける青年期を送った男の壮絶人生。

これは…「烏山川」。

都会のエリートコースを歩んだ仮面の下の奔放人生と、産み落とした子どもたちの織りなすストーリー。

これは「三田用水」。

今回のシリーズに小見出し付けるとしたら何だろうなあ…。

湧水。幻の滴たちが紡ぎだす不思議な旋律にいたばしの街が踊る…。
とかかな。
意味のないマクラが長すぎました。本題に入るとします。

5 中台あたり

より大きな地図で 出井川周辺 を表示

中台3丁目にある日大豊山(ぶざん、と読むそうです)女子高。
ここの下にある広い谷間というか窪地は長久保と呼ばれていたそうで、
一帯が湿地だったそうです。
Img_0053

そうでしょうね、谷底から周りを見ると、
切り立った崖に囲まれているスリバチ地形。
豊山高校の東の坂道ではこんな要塞状態です。
Img_0052

そして高校西側にはこんな崖下の流れも。
Img_0055

ぐるっとこのスリバチを一回りしてみます。
スリバチの西側高台には、中台延命寺というお寺があります(ふつうのおうちの寺なのでちょっとわかりづらいですよ)が、
そこにかつてあったらしい池からたくさんの水がこの窪地に落ちていたそうです。
延命寺からのスリバチビュー。
Img_0062

まるで滝のようだったんでしょうね。ちなみに奥が豊山高です。

そこからさらにぐるっとスリバチ北側に移動。
高台崖上には中台公園という公園があるのですが、
その崖下も延命寺下と同じように水量が多かったと書かれています。
その崖下がここ。
Img_0067

ちいさな祠がありました。

この窪地に集まった水はこの道を北に流れていきます。
(下流から上流をみたところ)
Img_0083

この道の東は急峻な崖。
西は大規模に開発されたマンション。
首都高5号線にぶつかる前、東の崖下にこんな池がありました。
Img_0080

手元地図にも載ってなかったし、柵に囲まれて近づけないので
まるで「秘密の池」みたいな雰囲気です。

ほどなく首都高5号池袋線にぶち当たって東にいき、
西向きにやってくる出井川と合流します。

一連の、スリバチに集まってここを流れ出井川にそそぐ川を、
「出井川 豊山女子高支流(仮)」とでも呼ぶことにしましょう。

マクラでの小見出しとは全く違う内容になりましたが、
板橋湧水跡めぐりシリーズはいちおうこれでおしまい、
にしようかな。

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