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暗渠ハンター 品川用水、流れの果てにある遺構。

品川用水の末端の末端のお話を。

1 プロローグ

世田谷の川探検隊さんが「東京ぶらり暗渠探検」の中で『中小河川の「母」』と呼んだ品川用水。

グランドマザーである玉川上水から三鷹で分水されたこの「おっかさん」は、世田谷・目黒のたくさんの川に水を落としながら品川の村まで水を運んでいたわけですが、その末端の何本かは目黒川に注いでいました。

主なもののひとつは、武蔵小山の地蔵辻から別れて大崎駅を抜け、ほぼ居木橋のたもとで注ぐもの。地蔵辻から目黒川合流点までは、「桐ケ谷川(仮称)」、「西五反田川(仮称)」、「大崎川(仮称)」などに分岐してそれぞれのコースで目黒川に辿りついています。

地蔵辻で別れるもう一本は、平塚橋をくぐって戸越公園を掠め、下神明あたりを北に進んで居木橋の下流で目黒川に注いでいるもの。
この後者の川筋は、まあ西品川あたりまではなんとか辿れるんですが、その後JR東京総合車両センター(以下「車両センター」)というデカいブラックボックスに入ってしまい、その後よくわからなくなってしまいます。

ところで、この車両センターの立地はちょっと面白いところで、
東:東海道本線(京浜東北線)
西:りんかい線
南:東急大井町線
北:東海道新幹線(横須賀線)

と四方を鉄道に囲まれた、ある意味(決して不便とかの意味ではなく)陸の孤島的な場所でもあります。
そこに車両基地がまるまる入っており、その他品川区役所や公園、病院、もちろん住宅もあります。また北側の広町1丁目という地番は第一三共製薬をはじめとした大小の工場が集まるミニ工業団地となっています。
商業施設と言えば四季劇場「夏」くらいしかないから、まあほとんど一般の方がぶらりと訪れる場所ではないでしょう。

話を戻しますと、その「品川用水・最後のブラックボックス!」である車両センター、なんと一般公開してるというではないですか!
というわけで、はすはすしながら向かってみたわけです。

2 催しいっぱいの「夏休みフェア」(ほとんどスルーしたけど)

夏休みの最後を飾る的な日程のせいもあるのでしょうが、
ものすごい人です。
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(因みに写真がなんか昭和の銀塩写真みたいになってますが、これはカメラの設定を間違えてたためです)
当日はもちろん猛暑。にもかかわらずこの人出。
ところでこの入場者の整理役には何人かの少年が携わっていまして、近所の小学校からのボランティアかなんかなのかなあと思っていたら、彼らが着ている服に「鉄道少年団」なる誇らしげな刺繍のワッペンが。
??? と思って帰ってから調べてみると、そういう組織があったんですね!ボーイスカウトみたいな感じか…。知らなかった。今の今まで知らなかった。
全国各地にあって、いろいろ活動も盛んなようです。ちなみにこれは水戸の鉄道少年団のweb。
しかし「鉄道を通し、公衆道徳の教育・指導 」とかすごいな。
鉄道ってやっぱ特別ななんかがあるんだなあ…。国家や民族や共同体のなにかを背負ってるみたいな。興味深いです。

とにかくいろんな催しがあって、催しがない場所でもこんな具合ですからもうほんと激混みなわけで。
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鉄分があまり高くない私としては、むしろこれとか
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こんな風景に反応してしまいます。
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あ、でも学食&社食といった類にはかなり食いつくたちなので、この日の「社食解放」はかなり楽しみでした。
おそらく今日は絞り込まれた一部のメニューだけなのでしょうが、特設の食券売場で券を買って給仕口に並びます。
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食べたのはカツカレー。
食堂内の椅子は当然満員だったので、外で。
まさか食堂横の売店でビール売ってるとは思わなかったし、この暑さの中での一杯なのでテンションあがります!
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食堂棟には、こんなポスターが貼ってありました。さすが鉄道会社、きちんとしてる!
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でも
「ヒゲのそり残しに注意する」
「こまめな洗濯を心がける」
…などなど書かれていることをしない人がいるから、
こういうポスターができるんだよなあ(笑)。

ずいぶん横道にそれましたが、品川用水跡はどこだどこだと向かてみます。
結論から言うと、明確な川跡はありません。
まあ期待は初めからしないで行きましたが。

ブラックボックスに入る前の品川用水の軌跡(西品川1-7)から言って、この建物あたりを流れていたはず。地下は防火水槽になっております。
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ちなみにこの群衆のみなさんは車両センターから望むりんかい線の通過車両を撮影せんと待ち構えている模様。

そして敷地内に入ってからはこの植生のあたりを通過したんだろうなと予想します。
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その延長線上には、思わせぶりな建物も。
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まあ、敷地内での主な成果は正直言ってこれくらい。
でも、「はっきりと残っているわけではない」と確かめられただけでも大きな収穫でした。
JRさんに感謝。

さてせっかくここまで来たし、車両センター出てからってどうなってるんだろうなあとこの先を見に行くことにいたしました。暑かったけど…。

3 まさかの痕跡と三嶽橋合流口

この先の広町1丁目にいくには、一旦大井町駅まで出て大きく回り込まねばなりません。
猛暑の日には堪えます。
途中あった毒島氷室さんでかき氷補給。
150円なんですが、これがふんわりしてやわらかい溶け味の氷で美味いことこの上なし!近くまでいったら絶対食べたほうがいい!
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広町1丁目は、工業団地としては小さめですが、思った以上に工業団地してました。休日だからひっそりしてますが、すれ違ったり追い越されたりの数台の車は商業車とトラックのみ。

さて、このへんが怪しいはずと目星をつけたところは。
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ここです。この砂利のままの道が流路。

入ってみると、砂利の間にわずかに護岸のようなものが確認できます。感激!遺構の少ない品川用水にあって、この流末間近まで来てやっとこんなものに出会えるとは…。
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上の写真は、この道に入ってから入口すなわち下流方向を振り返ったところです。すなわちこの護岸跡は左岸。

わかりずらい写真ですが、右岸もわずかな痕跡が残っていました。
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道のまんなかには雨水孔的なものも見られます。
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やがてこの道は行き止り。産廃工場の裏手に突きあたります。
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このブロックのすぐ向こうは車両センター。だいたいの流路がさっきまでのところと一致しました。

ではこの先目黒川まではどうなってるのか…。

入ってきた砂利道の反対側は、第一三共の工場敷地内。
しかし流路の延長線上には建物はなく、運動場的に使われているようです。
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反対側に回り込むと、もう第一三共敷地からは細い道一本隔てて目黒川。近くに架かっていた三嶽橋という橋で目黒川対岸に出て追ってきた流路付近を眺めてみると…。
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おお!見事な合流口が開いていました。
やっぱりここだったのね、とうれしくなります。

念のためこの合流口の上に立ち、第一三共敷地を覗いてみますと
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おおお、見事に予想流路上は空洞になっているではありませんか!

ちなみにこの写真すぐ左にはお稲荷様が祀られています。
なんだか、第一三共さんも品川用水を大事にしてくれていたような気がしてきますね(やむにやまれぬ事情でこういう建て方をしたのかもしれませんが…)。

車両センター潜入、がメインの目的でしたが、こんな工場エリアがこんな場所にあったこと、そこに品川用水が流れ、いまも遺構が残っていることに深く感動した一日でありました。

より大きな地図で 品川用水・朝日地蔵から を表示

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コメント

謎のゾーンに突入した貴重なレポートですね!
といいつつ、写真に出てくるクリーム色と赤の、なんだか少し違和感のある電車が何者なのか、この3日くらいそっちのほうが気になってました。でも今分かりました。踊り子号の車両を昔の特急あまぎ風に塗装したやつですね。ああすっきりした。鉄分多めですいません。

投稿: 大石俊六 | 2012年9月17日 (月) 18時09分

俊六さん
はあーこれはちょっとレアな車体だったんですね…確かに注目していた人が多かったような…。
この横にも「何かに圧力のようなものをかけて何かをメンテナンスするような特別なミッションを持った車両」が展示されていて、そこにもちょっとした人だかりができていました。
いずれにしても、すっきりされてよかったw 何もお手伝いできませんでしたがww

投稿: lotus62 | 2012年9月18日 (火) 09時51分

あ、地図を拝見すると、西品川1-18あたりの細道は、品川用水の末流だったんですね!
歩いた時、暗渠っぽいなあ、とは思ってました。

投稿: 猫またぎ | 2012年9月18日 (火) 20時46分

猫またぎさん、やっぱりすでに歩いていますよねーw
西品川1-18辺りは、細い路地を通っていたようです。横須賀線のすぐ北側には池もあったと聞いています。
また、横須賀線を越えたところはがくんと数段の階段になっているんですが、何かの資料で「ここは”暗渠の滝”となっている」と書かれていましたね。

投稿: lotus62 | 2012年9月19日 (水) 12時55分

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