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暗渠ハンター 谷端川沿い湧水ものがたり 下り谷を流れる支流

谷端川の湧水支流シリーズ、こんどはまた少し下流に移動し、山手線池袋から大塚までの間に湧いていたという二つの支流をご紹介します。

まずはこちらを。
googleEarth さん東京地形図さん、いつもありがとうございます。

Photo

※2012.4.20修正:猫またぎさんのご指摘により、「上板橋」の駅名を「下板橋」に修正しました。

ひとつめは上池袋2-2から湧いていたもの。この支流の流域は「下り谷」と呼ばれていたのでここでは「下り谷支流(仮)」と呼ぶことにします。
そしてたぶんご紹介は次回となりますが、上池袋1-3で湧いていた支流で、谷端川と合流するところで瓢箪池という池を作っていたらしいので「瓢箪池支流(仮)」と呼んでお話を進めていくことにします。

1 下り谷支流(仮)

まずは、
豊島区郷土資料館研究紀要の第11号「<調査ノート>豊島区の湧き水をたずねて」横山恵美
の湧水リストを見ながら水源を探します。

途中、山手線・埼京線・東上線に加えて首都高池袋線が交差するものすごい入り組んだところがあるんですが、ここすげえな。
Imgp6512

たぶん鉄の世界では有名な場所なのかも知れません。
私的にはこの首都高高架の橋裏が萌えですが。
Imgp6514

その首都高下あたりは、こんなふうにひときわ窪んだ場所があり、上池袋2-2というのもこのあたり。

Imgp6568

ここだ、と特定はできませんがこのブロックから北へと暗渠が始まります。

ここですね。
Imgp6570

見事に家々から背を向けられた細いみち。
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一度団地にぶつかって途切れてしまいますが、
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そこにはゆラックス(旧鳩の湯)という銭湯も。
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二つも暗渠サインがあれば安泰です。
団地の裏側に回ると流路に再会できました。
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これがこう続いていきます。
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そして一旦埼京線・東上線にぶつかって途切れます。
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裏側に回りましょう。
この続きとして怪しいところが二か所。ここと、
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そのすぐ近くのここ。
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その先も、流路らしきものは2本現れます。
結構迷いましたが、さきほどの豊島区郷土資料館研究紀要の第11号「<調査ノート>豊島区の湧き水をたずねて」にはこう書かれています。

上池袋2-2付近から湧き出た清水は小川となり、北上してJRと東武東上線を抜け、谷端川の一の橋(板橋区板橋1-2)近くに流れ込んだ。明治44(1911)年の巣鴨村全図にこの小川が描かれている。このあたりには幾筋もの小川があって谷端川に注いでいた。

古地図にもこのあたり下り谷一帯は田んぼの記号が。
おそらく代々木川など田を流れる川によく見られるように複数の流路を作って広く田を潤していたのでしょう。

というわけで、一本にあえて特定せずいきます。
北池袋駅に近いこの道と、
Imgp6608

その一本西を並行するこの道。
Imgp6598

しかし暗渠的に見どころはこの2本そのものではなく、実はこれらを横につなぐ路地。
悪水路との役割分担の名残でしょうか、2本の間に段差が残っているところには階段。
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そして細くて長い暗渠路地。
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暗渠路地沿いの古い家。
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至る所孔。
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これらすべてが、かつての田んぼの上にある。

二本の道沿いのそれぞれに、学校のプールや銭湯など暗渠サインも見ることができます。

東上線を踏切で越えて、大規模なマンションの横を抜けると行く手にちょっと盛りあがった地点が見えてきて、
Imgp6638 

到着、谷端川の一の橋です。
Imgp6639

谷端川は緑道公園のように整理され、この先埼京線板橋駅へと続いていきます。
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谷端川が板橋駅をくぐるところがここ。
Imgp6644

これはオマケ。ついでにその先まで谷端川を追っていくと、流路にソース工場がありましたー。
Imgp6649

では次回は瓢箪池支流(仮)を。

より大きな地図で 杉並以北でまとめてみよう を表示

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2055 ・・・神田川水系」カテゴリの記事

コメント

ここ、雲雀ヶ谷ともよばれているようですよ。
http://kaeru.moe-nifty.com/ankyo/2011/03/post-9e1d.html
って、わたしも他の方の記事で知ったわけですが。

片方しか歩かなかったので、もう一本の狭い方は気づきませんでした。
なんとなく、狭い方がいいなぁ。
でも広い方を通ると、途中にすごく遊んでくれるすりすり猫がいるんですけどね。
若い猫だったから、今もいるんじゃないかなーと思うんですが、、、

投稿: nama | 2012年4月19日 (木) 12時18分

あーこの記事憶えてまっせ。でも今回ここを「雲雀が谷戸」と認識してなかったので参照してませんでしたw
…ということで、今「雲雀が谷戸」がどの地域を指すのか調べちうです。よくわかんないんですよ。
東京時層地図・大正地図ではもう板橋駅の東あたり(すなわち記事で書いている下り谷ではない)なんですが、「いたばしの地名」の巻末にある明治44年地図には、まさにここで書いている下の谷あたりに「字雲雀が谷戸」と表記がありました。
うーん、ちょっと宿題にさせてくださいね。

namaさん記事のすりすり猫、超かわ!

投稿: lotus62 | 2012年4月19日 (木) 22時36分

えーと、この辺はあまりよく分かっていないんですが、冒頭の陰影図にある「上板橋駅」は「下板橋駅」が正解ですね。
「上板橋駅」はかつての最寄り駅だったので、ちょっと気になってしまいます。
「上板橋駅」と言えば前野川の源流の近くですからね。

あと、先日行った藍染川の染井霊園内の源流の凹みがこの陰影図の中にくっきりと表記されていて、ちょっと興奮してしまいました。

投稿: 猫またぎ | 2012年4月20日 (金) 09時13分

ご指摘ありがとうございますw さっそく修正しました;;;;
まったく、このあたりに弱いというより不注意すぎですね;;;上と下とそんなに違うんですねw
たいへん失礼しました!

そうそう、ちょうど墓地付近の谷戸が見られますね。HONDAさんが言っていた公園の西の小さな二股の谷も。

投稿: lotus62 | 2012年4月20日 (金) 23時23分

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