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暗渠ハンター おとめ山。自然と人工、となりあわせの水。

新宿区神田川崖線イッキ責めの2回目です。
前回は1として血洗いの池、2として林泉園を取り上げました。
次は、おとめ山公園、おとめ山の谷戸を扱っていきます。

Photo_5

3 おとめ山の谷戸

ずっと「乙女山」かと思っていました。ありがちですが。
ですがほんとうは「御留山」。
江戸時代将軍家の御狩場で、ほかのひとは入っちゃダメ!の立入禁止だったからこういう名前だったそうです。
明治期には前回の相馬邸となり、戦後一時期荒れて昭和44年に区立公園となったところ。
今回のほんとうの目的地はここでしたw
というのも、「東京湧水せせらぎ散歩」(丸善 髙村弘毅)に載っていたのをみていて、ずっと行ってみたかったところだったので。
少々引用させていただきます。
…公園は道路を挟んで東西にあり、湧水があるのは西区画の一番奥。崖下の石の間から湧き出し、細い水路を下って池に流れている。ここではホタルの養殖が行われ、毎年観賞会が催されている。

ふえー。楽しみです。
まずは東側の池から。
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前回の地図に記した通り、ここは林泉園で湧いた水が旧相馬邸と旧近衛邸の間の谷を通って来る池です。
公園内谷頭の、さらに上に続く谷にある団地(写真奥)は公園の拡張のためにすでに閉鎖されている模様。
Imgp5553

そしてそそくさと西区画の池へ。
西区画の下流には、ホタルの養殖場。清流を利用してここでホタルを育てているようです。
Imgp5563

そっから谷に沿って流れが続いています。
Imgp5564

すげえ、まるで田舎の谷。川崎の生田緑地を思い起こさせるような自然っぷり。
Imgp5565

こんなふうに流れをせきとめてできるような小さな池があるんですが、目を見張るような光景はその上流に。
Imgp5569 

まるでミニ渓流です。
数10m上流に向かうだけで、岩の間からとよとよと湧く湧水が確認できます。
Imgp5571

ちょっとこれは感動もの。新宿区ですからね、山手線の外側とはいえ。

公園の奥までいくとカパッとアイスクリームをえぐったような谷頭があり、その下から水がこんこんと湧いているのが確認できます。
Imgp5574

写真ではなかなか伝えきれないんですが、これはかなり感動の風景。
もっと早くに来てみればよかった。

地形図には示しませんでしたが、すぐ西となり(と行っても5分くらい歩きますが)には野鳥の森公園の池も。
これはあまり資料がないのですが、やはり私邸の池を区の公園にしたような感じです。地図によっては載ってないし、「野鳥の森」というにはちょっと無理がある感じの…w
Imgp5592

同じ崖線の上にできた小さな池。
そしてこれらの池は、神田川に合わさる直前の妙正寺川に注いでいたようです。
※2012.3.25追記:リバーサイドさんからコメント頂いた通り、合流する川は妙正寺川か神田川かは微妙ですね。本来の流れ体系から言えば、合わさるのは「妙正寺川と合流したばかりの神田川」です。しかしいま神田川の分水路として『妙正寺川的な川』が神田川と並行して北に暗渠で流れ、おとめ山の水はおそらくそこに流れ込んでいます。
ですのでやっぱりざっくりいう時は「妙正寺川に合流」というより「(大局的にみた)神田川に合流」としたほうがよさそうですね。リバーサイドさん、ご指摘どうもありがとうございました!

妙正寺川と神田川の合流点といえば、namaさんが昔その夜景を書かれていましたが

その昼間の景色がこれ。
Imgp5598

Imgp5599

まさにサイボーグ。
人によってコントロールされた川。
さっき自然のままの谷頭からの湧水を見たすぐ後にこれって結構衝撃的です。
どっちがいいとかわるいとかじゃなくって。
水に対する憧れとか畏れとか、いろんな気持ちに行ったりきたりさせられる場所ですね。

より大きな地図で 杉並以北でまとめてみよう を表示

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2055 ・・・神田川水系」カテゴリの記事

コメント

大佐でいいかな?と(笑)

ワシもすっかり「乙女山」かと思っとりました。勉強になりました。
実はまだ行ったことないんですよね、おとめ山。。
近いうちに遊びに行ってみようとおもいます!

#ホタルもみてみたいですね!

それから、、、
なるほど「サイボーグ」ですね~
ずいぶん違うものです。
コンクリートの川は吸い込まれて流されちゃいそうで怖いですね。

投稿: 大佐 | 2012年3月22日 (木) 22時22分

あっ、私も乙女山だと思っていました。
一度、行きたいと思いつつ、未だ実現できていない支流の1つです。

それから、ここ、妙正寺川の支流というより、
神田川の支流ではないのでしょうか。
妙正寺川はかつては下落合で神田川に合流していたのですから。
今の妙正寺川の暗渠は、高田馬場付近の水害対策のため、
神田川高田馬場分水路と並行して延ばされたもののようです。

投稿: リバーサイド | 2012年3月22日 (木) 23時42分

大佐どの
あ、そのお名前でよろしいんじゃないでしょうかw
私も乙姫とかそっちがらみだとばかり思っていました。
ここ、近いのにホント穴場ですよ、ただ大佐にとっては高低差がありすぎるのでご満足いただけないかも知れませんがw
それとサイボーグ。namaさん記事で構造を知って「土木技術ってすげえなあ」と思ったんですが、なんか同時にちょっと怖いような気にもなって。きっと昔の人が巨大神殿を前にしたらこんな気持ちになったのかなあなんて思いまいた。

リバーサイドさん
ありがとうございます。確かにそうですね、かつての合流はその名の通り「落合」でしょうから、そこから東のこの地点での合流先は神田川ですよねー。失礼しました。
とはいいつつ実はこの辺りのことはまだそんなに詳しくないので、昔どうだったか・今神田川と妙正寺川はどうなってておとめ山からの水路(たぶん下水道幹線?)は度接続しているのか、をもっと詳しく調べてみることにします!宿題、ありがとうございますー!

投稿: lotus62 | 2012年3月23日 (金) 09時54分

いやいや最初に「サイボーグ」って表現したのはHONDAさんなんですよ。
そいで胸キュンしちゃいましてねw
でもHONDAさんは覚えてないみたいだったんですけどねw

以前ツイッターで分水路をゴレンジャーみたいに例えたことがあるけれど、
それをいつか記事化してみたいなあとおもう昨今。

それにしても自分の夜写真しょぼいっすねー。
新しいカメラで夜にココ撮りに行ってみたいな~~。

投稿: nama | 2012年3月23日 (金) 21時32分

namaさん
あ、命名はHONDAさんでしたかw
分水路ゴレンジャー化、楽しみにしています。その他の「例え系」の企画もw
>それにしても自分の夜写真しょぼいっすねー。
いやいやこれはこれでケッコウ雰囲気出てると思いますよ、なんかこう水と向き合う畏れみたいな…。

投稿: lotus62 | 2012年3月26日 (月) 08時59分

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