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暗渠ハンター 田園調布に湧く「せせらぎ公園支流」とその他のこと

ちょっとだけ、田園調布の周辺の暗渠を。
これも、『凹凸を楽しむ 東京「スリバチ」地形散歩 』を読んでいて、「あ、ここも行っとかなきゃ」的に出かけて行ったところです。
地形的にはこんなかんじ。
google earth様、東京地形図様、いつもありがとうございます。

Photo 

ここ田園調布付近で展開する主な作戦は、
・宝来公園下の谷をチェック
・田園調布せせらぎ公園の湧水の具合を見る
・そっから田園コロシアム跡を通ってまた駅に登っていく川跡(「せせらぎ公園支流:仮」)をたどる
以上3つ。

まずは作戦その1、宝来公園下の谷。
ここはさらっといきましょうかね。
前出『凹凸を楽しむ 東京「スリバチ」地形散歩 』の地図には川跡として書かれているのですが、その他手持ちの資料にはここの川に関して書かれたものを持っていません。
なにか現地で川跡だったという手掛かりでも見つかればな、と思って訪ねたわけです。

谷の起点はここ。
玉川浄水場でした。
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ここから深い谷が刻まれて、いわゆる「田園調布の街」の外周を抉るように多摩川へと向かっていきます。

きょろきょろしながら歩いていくと、確かにソレっぽい風景はありますが、決定打はなかなか見つかりません。
Imgp5298

そうこうしてるうちに随分谷を下りてきて、宝来公園の池まで来てしまいました。
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田園調布の崖下にある池です。
まあ普通に考えても、この池の排水はこの谷を通って多摩川に向かうはずです。

あ、カモも寒そう。
Imgp5309

顔を自分のダウンに突っ込んで寝ているようです。

池を過ぎるとますます谷は深くなります。
見てくださいこの崖っぷり。
Imgp5316

道は大きく蛇行しています。

Imgp5312

が、浄水場と池と崖と蛇行道以外大した手掛かりも見つけられないまま東急東横線多摩川駅に着いてしまいましたw

この駅前で、東急東横線の反対側を流れてくる川跡と合流します。
こっちの川は、いくつかの資料で確認したことがありますし。有名な湧水もあります。

ということで作戦その2 田園調布せせらぎ公園にある湧水を見に行きましょう。

駅からスグだし緑も多いしで、なかなか小さいお子さん連れのお出かけスポットとしては人気があるようです。(ただしこの日みたいな極寒の真冬以外)

入口の案内です。
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第1湧水池と第2湧水池。豪華!二か所もだくだくしてるようです!

まずは第2湧水池から。
おお、こんな見事な崖下に!
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こんなきれいな湧水池が!
Imgp5326

この池から、斜面を生かした公園の敷地をこんな素朴な姿で流れていきます。
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素敵です。ああーなんでこんないい所に今まで来なかったんだろう。勿体なかったなあ。
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さてサクサクと歩いて次なる第1湧水池へ。第1ってくらいだから、もっとすごいのがあるのかなあと期待を膨らませその場所へ行ってみます。
Imgp5331

あれ?ここだよね?ここですよね?
崖下の谷頭に、うっすらと窪んだエリアがあるんですが…。
枯れてしまったの?渇水期だからなの?
公園の清掃をされている方がいたのでお話を伺ったところ、
ここ数年はもう湧水が出なくなってしまってるんだよ、とのこと。
ああ、また一つ清井が消えてしまったのか…。

気を取り直して、先に進みましょう。
この湧水は、さらに上流にある水源からの流れの通過点に過ぎません。
これが作戦3。
古地図を見ると、元田園コロシアムの敷地を突っ切って田園調布駅の東へ辿ることができます。
田園コロシアムは現在テニスクラブとなっています。
その敷地に流れが入っていくところは、微妙に窪みが見えます(左がそのテニスクラブ)。おおー。
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さてこのテニスクラブの反対側、おそらくここに抜けるはず。
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ここから住宅地のブロックの中を通って、流れはいったん駅前の通りに出てきます。
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田園調布名物のサンリオのいちごの形のショップ、すでに覆いが掛けられて解体が始まっていました。
諸行無常のひびきあり。
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駅に向かってこの道をいくと駅付近でぐぐっと左に折れますが、
川跡は折れずにまっすぐまた住宅を抜けます。
この道の左手のほう。
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さらに奥には小さな池もあったようです。

その先に回り込んで見ます。
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さっきの川は右(下流)から左(上流)に向かっているはず。

上流をめざし左に曲がると…やっと出会えました。

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歩道となった暗渠。
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新しく舗装されたようなのが残念ですが、
細くてあまり人通りのないこの細い路地にしっかりと残る川跡。
舗装される前に見たかったなあ。
車止めもしっかりあるし。
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あんまりいい雰囲気なんで、振り返ってもうワンショット。
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ほんの50mくらいの区間でおわってしまうところも儚くていいです。
その先はまた道に紛れてしまします。
Imgp5359

そしてそのまま田園調布駅の北で東横線にぶつかり、終了。
この辺が谷の始まりです。
でもさきほどの田園調布せせらぎ公園の湧水のインパクトが強いので、
ここは仮に「多摩川 せせらぎ公園支流」と名付けましょう。

作戦を3つも遂行した割には盛り上がりの少ない散歩でしたが。
最後の暗渠はいい収獲たったかも。

より大きな地図で 田園調布 を表示

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2051 ・・・多摩川水系」カテゴリの記事

コメント

田園調布中学校の脇にもせせらぎ公園支流の支流の暗渠がありますよ。
ここは、公共溝渠利用計画図を見ると1m以下の幅の溝渠の表示になっています。

国分寺崖線にも湧水の渇水の危機が迫っているんですね。本当に残念です。
東京の名水湧水68選なのに…

投稿: hikada | 2012年3月 9日 (金) 21時09分

Lotusさん、こんにちは!
実は、せせらぎ公園の場所は実家の近くでして、多摩川園遊園地~ラケットクラブ~全域宗教団体になりかけての6割大田区買い取り~「せせらぎ公園」に命名 など経緯を見守っておりました。(遊園地のころはさすがにあまり記憶ありませんが)
それで嬉しくて読ませていただきました。Lotusさんが未踏だったなんて、意外です。

・「多摩川 せせらぎ公園支流」ですが、陰影図など確認すると東横線を超えた向かい側あたりまで、谷頭が続いているように思いました。
以前実際にそれで確認しに行ったところ、建物の形状がそれを思わせるように基礎が低かった記憶があります。

・hikadaさんが書かれているように、田園調布中学校の西側をそうように流れがあり、開渠と蓋暗渠になっています。中学が高くて、その崖下という感じです。線路のほうからの支流と合流する田園調布2-59あたりは池だったことがあるのが「時層地図(昭和初期)」でわかります。そこにも行ってみると、民家でつきあたりになるのですが、明らかに水の匂いがする庭があります。
この中学周りの支流も時層地図でわかりますが、現在の環八が尾根となっていてこの激しい谷戸を避けて道が通っていますので、今でも辿っていくと環八の手前で行き止まります。
写真を去年同行者のカメラで撮ってあるので、今度送りますね。

実は、実家近いけどこの中学には通っていませんので開渠のこと去年まで知りませんでした。で、行ってみて雰囲気に結構驚いて胸躍りました!
ぜひ再訪を!

投稿: misaki810 | 2012年3月10日 (土) 02時17分

hikadaさん
おっと、知りませんでした!もしかして環八の歩道橋の下に続くやつ…?また行かなきゃ…。
どうもありがとうございます。

misaki810さん
ども!ご実家がお近くとは…あちこちでご縁があって嬉しいですww 
なんか自由が丘からその先は、以前馴染みがあっただけにどうも足が向かずにおりました。
>東横線を超えた向かい側あたりまで、谷頭が続いているように
おっと、てことは東横線を西に越えていくということですか!?私も地形図もう一回凝視してみます!
2-59あたりは確かに!確認しました!(でもあからさまに人のお宅だったので、ちょっと触れずにいようかとww)
中学校の西!やはり歩道橋の下のところ…?(GoogleSVではそこしか確認できないw)
ぜひその開渠と蓋暗渠、見てみたいです、っつかもう一回行かないと…w
ありがとうございます!

投稿: lotus62 | 2012年3月10日 (土) 22時20分

misaki810さん
お写真ありがとうございました。見事!!!
っか地形図みると確かにこっちに谷戸が開いてますよねえorz。
次回再訪のモチベーションが上がりました!!!

投稿: lotus62 | 2012年3月11日 (日) 20時39分

はじめまして、暗渠ハンター様(でいいですか?)近所の話題に飛びつきました。3/9ですか,その頃私も田園調布中学校の下の暗渠を確認した所でした。

さて、昔の話の遠い記憶です。東横線/目蒲線(今は目黒線)の東側で田園テニスクラブの南端あたりから、線路築堤脇道の東端に細いどぶ川が流れてました。そして、多摩川園の敷地内ではそのまま線路築堤脇(昔は駅も築堤の上にありました)を巾2−3メートルのどぶ川となって南下して最終的には丸子川(六郷用水)合流していたと思います。

その後、東急が多摩川園を閉園し多摩川ラケットクラブにしようとしていた時、実はこの敷地は緑地で仮設建築しか建ててはいけなかったんですが、クラブハウスを建てる必要が東急側にはあり、一方この敷地内のどぶ川を暗渠にして下水道化したい東京都と間でなにやらあったようです。(ちょうどその頃大学の卒論でこの敷地の事を調べていたら、教授が東急の重役を紹介してくれて電話したんですが、けんもほろろに「ここはなにもたちませんからねっ!」とガチャンと切られちゃいました。結構微妙なときだったんですね。)

遊園地の頃は今のせせらぎ公園の湧水とそのどぶ川はあまり関係なかったですね。多摩川園の中には池か小川があったかも知れませんが、電車沿いのどぶ川は開渠で護岸は垂直、たしかコンクリートのビームが突っ張っていました。現在の富士見会館の下には大きな池があった様です。ではでは。

投稿: たつお | 2012年3月22日 (木) 00時21分

たつおさん
ようこそいらっしゃいました。コメントどうもありがとうございます。
(えと、私は「lotus」とか「ロータス」とか「ろーたす」とか呼んでいただければいいです、暗渠ハンターは職務名なのでw)
特にご近所の方にコメントでいろいろお教えをいただくのは大変ありがたいです!
実は記事は3月ですが、現地には2月の半ばに参りました。
多摩川園、実際にあった頃を知らないので大変興味深く読ませていただきました。何やらオトナの駆け引きがあって、そのさなかでのお電話だったのですね。しかも相手が重役とはw それにしてもどんなテーマで論文を書かれたのかそちらにも興味津々です。
ここも、やはり川というよりドブだったんですねー。富士見会館あたりの池のことも知りませんでした。一帯の以前の姿が目に浮かぶような貴重な証言、どうもありがとうございました。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: lotus62 | 2012年3月22日 (木) 09時57分

ロータスさん、どうも。ロータスと言えば23,33、49、49B、56、72とかって車の話は大好きなんですが、ここは場違いかと。W さて、早速のご返事有り難うございます。暗渠探検に関してはロータスさんの熱意には敬服しております。

小生,水路関係ではなく、卒論はいわゆる卒業制作という建築科の卒論でした。地元なので廃園となってしまった多摩川園の敷地を再開発するというテーマでやりました。はや30数年前ですがね。しかし,いまでは地元の歴史というよりも地形とか近世近代のの土木開発史的な視点で我がふるさとを見てます。都市が現在の様に開発されまくってしまい、古来の原型が目で見えなくなっている事が自分の探究するきっかけになっています。生まれ育った今の住所は六郷用水に面しておりますので、生まれながらの水路ファンですかね。

もともと地図は好きなのですが、3.11より少し前に温暖化による海面上昇とか縄文海進とか関心を持つようになり、地図とにらめっこして,自分の家の海抜がタッtの10メートルなのを大丈夫かなとか思っていた所で,あの津波でますます,地形とにらめっこをしている様な状態です。

興味のある所は「有名な」六郷用水以前の水路がどうだったのかです。呑川、多摩川に挟まれているこの地域は起伏に富んでおり既に暗渠になっている水路がたくさんあります。しかし、自分の記憶範囲では全てドブでしたがね。グーグルの地形図で楽しんでおります。田園調布近辺も鉄道開発がらみで地形が大幅に改変されていますが、いろんな水路もぶつ切りになっていることでしょう。地元鵜の木、久が原も昭和初期の耕地整理で変わっていますので、明治はどうだったんかな?と想像を巡らしています。

では、Peelingがんばってくださいませ。

投稿: たつお | 2012年3月23日 (金) 00時30分

たつおさん
日頃からのご贔屓、心から感謝申し上げます。
自分はロータスといえばヨーロッパとかエランとかしか知らなかったんですが、どうもそういうマシンがあるようですねw
たいへん興味深いテーマの論文です。教えていただきありがとうございます。私の興味も歴史というよりまさに水が絡む地形とその土木開発含むひととのかかわり、のようなものかなとコメントを読ませていただいて感じました。
六郷用水も、入り込むとどこまでも深そうな水路ですね(物理的にではなくw)。私はまだまだ六郷用水の一部をほんのすこしさわってみた程度にしか存じません…。
用水として人工的に開削されるさらにそれ以前となると、いったい世田谷・大田の多摩川左岸はどんな様子だったのでしょうね…。ほんとうにめくり甲斐・剥がし甲斐のあるところですねw
そうそう、先日しかすけさんhttp://www.sansakuka.com/から、ご自身で目次を作られている「近代デジタルライブラリー」http://kindaidigital.blogspot.jp/2012/02/blog-post_09.html?spref=tw というのを教えていただきました。公開されている東京の地籍地図を、みやすいようにしかすけさんが整理してらっしゃるサイトです。あまりに素晴らしいのでたくさんの方に宣伝したいのですがwたつおさんのご研究にもお役にたてるかも、しれません。

投稿: lotus62 | 2012年3月23日 (金) 10時31分

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