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暗渠ハンター もっと知りたい妙正寺川。蓮華寺支流と大和3丁目支流

妙正寺川については断片的にしか知らなくって、ほとんど土地勘というものがありません。
でももうちょっとこの辺りにも詳しくなりたいな、ということで行ってみました妙正寺川。

とはいえ計画があったわけではなく、あえて
事前調査ナシ行き当たりばったり丸腰で体当たりしてみようかと。
こういう時は「暗渠のための開渠さんぽ」方式(by namaさん)ですね。
大和町というあたりの川べりを歩いていると、果たしてこんな合流口が見えてきました。
下谷橋のたもとです。

Imgp2795

よっしゃ、早速ここから暗渠を見つけに脇道に入っていきましょう!
すぐ横には大和小学校。
Imgp2798

単にプールの排水にでも使っていた合流口なのかなあ、
と少々期待がしぼんでしまいますが…。
学校の裏手に回ってみると、歩道に擬態した水路跡、
らしきものが現れます。
(ここで小さくガッツポーズ)
Imgp2799

進んでいくと、緩い上り坂に暗渠らしい道が見えてきました。
Imgp2801

綺麗に蛇行してるし。
Imgp2804

これは護岸の一部でしょう。
Imgp2805

あー、いいかんじに苔むす大谷石。
Imgp2807

と、この道を登りきったところに車止め登場。
待ってました、暗渠の証し!
Imgp2808

さてその先ですが、柵に阻まれたワイルドな水路跡になっているのです。
Imgp2809

柵の向こうはいちおう舗装はされているものの…。
Imgp2810

もともと通行できたのかもしれません。
なぜ塞いじゃったんだろう。

手持ち地図を見ると、この道の右側は蓮華寺というお寺の敷地になっています。
よし。回り込んでみよう。

蓮華寺の裏口のようなところに辿りつき、
中を(合法的に)覗き込むと、果たして池がありました!
しかもすごい立派な池。
ちょうど地形も谷頭でいかにも湧水、もういかにも支流水源。

もっとよく見てみたい、と思って正面入り口を探し、
お寺の方にお断りして池を間近から見せていただきました。
Imgp2814
広くて、うっそうとした草木に囲まれていて、
余りに絵になりすぎている池でちょっと虚を突かれたかんじ。
こんなところ(早稲田通りのわりと近く)にこんな池があったなんて!
ちょっとだけお寺の奥様にお話を伺いまいた。
「昔はこの池で水が湧いていたんだけど、もう湧水は枯れてしまった」
「今は周辺から集まってくる水がこの池に溜まっている」

んだとのこと。

ってことはこの付近にいくつかの湧水ポイントがあるんだろうか…?
と期待を込めて周辺を歩き回ってみましたが、さしたる成果はありませんでした。

ただし、
早稲田通り(この辺りの尾根筋にあたります)から
この池に向かってこんな道を見つけました。
Imgp2817

Imgp2818

Imgp2819

たぶん池につながる水路に間違いはないと思いますが、
※2011.11.7追記:いや、「間違いない」は言いすぎでした(苦笑)。あるかたからコメント頂いて、ここは以前あった銭湯「鶴の湯」への入口路地だったようです。
…であればこの路地は、銭湯排水のための私設排水管が通っている可能性が高いでしょうが、それを「水路」や「暗渠」というにはちょっと我田引水すぎますね…はい。早稲田通りに水源があればまた話は別ですが、たぶんない、と思いますし;;;

早稲田通りに水源を求めるのはちょっと苦しいですね。
たぶんこれは、宅地化に伴って本来の水源より上へ上へと
水路が延びていく現象(=水路の「上流拡張現象」、とでも呼びますか)
によるものだと思います。

この上流拡張現象については模式図をどうぞ。
Photo_2

この現象は都内でも結構各地に見られ、東京はほんとに急に・爆発的に拡大した都市なんだということをあらわす一つの証拠なんでしょうね。

さてここまで書いてきましたが
じつはこの蓮華寺の池やそれに続く流れを見つけたときは、すごく興奮したんです。
ここにこんなものがあるなんて聞いたことがなかったから。
でも、家に帰ってみてみたらもうすでに今年の春には
「東京の水2009 fragments」でHONDAさんが書かれておりました
ってかこの記事自分も読んでるじゃんorz。思い出しましたw
ここでHONDAさんはこの流れを「蓮華寺支流」と名付けられています。
この記事の一つ前に、隣にある「大和町3丁目支流」についても書かれていますね。

さすが!ってか忘れてる私はどんだけ…。

気を取り直して、この蓮華寺支流をANGLEで記述しておきましょう。

Angle

はい、この蓮華寺支流の東隣にもうひとつ谷があったので、
私も(このときはとても興奮しながら)川跡を探して歩いてまいりました。
こちらは軽くご紹介しますね。

この谷底を貫くように、大和町3丁目支流が流れています(した)。
どうも上流は、3丁目25を通るものと、
3丁目28を通るものと2本あるようです。
(記事末の地図参照)

3丁目25を通る流れはこちら。
この写真の真ん中に、赤い消火器みたいのが見えます。
Imgp2832
そこだけ土地が窪んで、左右に浅い谷が走っています。
その消火器のところまで行って、右方向をみるとこれ。
Imgp2833
ここが確認できる最も上流の川跡でした。
この川跡をブロックの反対側(下流方向)に回り込んで確認します。
こうなってました。あ、ここにも赤い消火器がありますねw
Imgp2830

もっと近づいてみましょう。
Imgp2831
奥に小さく見える赤いのが、さっきの道の消火器でしょうね。

そしてもう一本、3丁目28へ上がっていくのがこちら。
Imgp2826
左には小さな階段。
この低い台地を避けて回り込むように、写真真ん中から右奥へと
水路が続いていました。

これら2本が3丁目26のブロック内で合流し、
おそらくこの道を通って妙正寺川に注いでいるものと思われます。
Imgp2841

途中小さなクランクみたいなのを経ておそらくこの道。
Imgp2842

延長線を辿っていくと、妙正寺川にこんな合流口が
口を拡げておりました。
Imgp2845

まだまだ妙正寺川でのハンティングは続きます。
たぶん次回は鷺ノ宮あたりで見つけたヤツを!

より大きな地図で 杉並以北でまとめてみよう を表示

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2055 ・・・神田川水系」カテゴリの記事

コメント

蓮華寺の脇の、何故か塞いでしまっている道、こっそり入れる所があります。
でも、草ぼうぼうで、冬にチャレンジしようと思っておりました。

なるほど上流拡張現象。そう言われてみると、いろいろな場所で見受けられます。
なるほどなるほど。

投稿: 味噌max | 2011年10月16日 (日) 18時11分

今回の記事に出てくる車止めの道と全面柵の暗渠跡の2枚の写真。
lotusさんが「なぜ塞いじゃったんだろう」と思われた部分。
私も今まで気にも留めていませんでしたが、確かにこれは不思議です。
私も今、都内の公共溝渠を調べているのでぐんぐん気になってきたのです。

これはたぶん、区道に認定された暗渠と、区道に認定されそこなった暗渠の違いではないでしょうかね。
水路を暗渠にしたときに、住民から「歩道にしてもらって構わない」とOKされたのが車止めの道、「知らない人が家の裏を通るのは困る」などの事情で区道にできなかったのが全面柵なのかな、と。
調べると面白いことになりそうです。ヒントをありがとうございました!

投稿: 俊六 | 2011年10月16日 (日) 20時05分

蓮華寺の湧水は涸れてしまってたんですね。すると凹地に集まる雨水がたまってるんでしょうね。
でもあの水量を考えると雨の後などは密かに湧き出しているのかもしれません。

投稿: HONDA | 2011年10月16日 (日) 21時56分

>味噌maxさん
えーっ!さすが「中野区担当」!!! 合法的に入れるんですねw
こんどいつかの蛇窪みたいに一気に探検しましょうかw!

>俊六さん
ヒントなんて滅相もないですw 直球すぎるかなとためらいながら書いた稚拙なつぶやきから
そこまで到達されるとはさすが…。
区道認定の有無の差、とはとても面白いですね!
周辺住民の方の意向が反映されていると思っていままで見た暗渠路地を思い出してみると、なかなか楽しい!
ぜひ何かわかったら教えてください!!

>HONDAさん
足跡を追わせていただきましたw
たぶん住職さんの奥さまらしき方がおっしゃっていまいた。たしかにあの量ですからね、
雨水だけでは持たないと思います。
ただ、訪問時は先日の巨大台風の数日後でした。冬など雨のすくない時期にもどんな状況が見に行ってみたいと思います!

投稿: lotus62 | 2011年10月17日 (月) 15時50分

12枚目から14枚目は、もともと私道でした。水路敷きではありません。12枚目の写真の奥(突き当り)に鶴の湯という銭湯(鉱泉を地下からくみ上げていました)がありました。そこに行くための私道です。北側と早稲田通りを結ぶものです。

投稿: | 2011年11月 4日 (金) 23時51分

?様
コメントどうもありがとうございます。
この近辺にお詳しい方なのでしょうね、貴重な情報頂きまして、心から感謝申し上げます。
確かに昔「鶴の湯」跡、確認しました。なるほどこの路地はこの銭湯の出入り用、だったのですね。しかも鉱泉汲み上げの銭湯とは、貴重でしたね。
このブロック(大和町4-44)の下水道台帳も調べてみましたが、やはりこの路地には下水道管も通っていませんね、ブロックの周囲には下水管が配されていますが…。
お恥ずかしいですが大ハズレ、でした。早速記事の内容も訂正させて頂きます。
ご覧のとおりの拙いブログですが、どうぞ今後とも遊びにいらっしゃってください。

投稿: lotus62 | 2011年11月 7日 (月) 10時49分

名前を入れ忘れました。申し訳ありません。この辺りは子供のころから居りましたので多少土地勘があります。

そのため、もうすこし、書かさせていただきます。

蓮華寺分流の終点は、今回の地図でいうと、大和小学校の左(西)の道が妙正寺川とあたる場所です。妙正寺川の左岸に四角い開口部があります。

大和小の西側の道は、暗渠の上です。車止めの道のところで下流から見ると右に直角に折れていました。たぶん区画整理の結果ではないかと思います。

あと、大和小のプールの排水口は、校舎の裏で、かなり上段に丸い開口部があります(直径20センチぐらいです)

地図の大和町住宅の上の付近の左岸にもやはり開口部があり上流部に向かって農業用水(?)の跡の暗渠が見られます。都営住宅のほうに向かっています。念のため。

投稿: 前回は失礼いたしました。 | 2011年11月 8日 (火) 21時45分

前回は失礼いたしました。さん
だいじょうぶです、どうぞお気になさらずにw
その土地の事をよく知ってらっしゃるかたの情報は、何にも代えがたい貴重なものです。どうもありがとうございます。

おお、蓮華寺からの流れは小学校を突っ切ってはいなかったのですね!たしかに敷地の西にも四角い合流口が見られます(google SVで確認!)。なるほどーそうでしたか!プールの排水口も同じく確認!小さいから見過ごしそうになりましたがw
大和町住宅の開口部は、現地で確認しました!
この先に何かあるかな、と思って入っていったのですが、住宅横の車止め以降は痕跡が見つけられませんでした。以前水路はあったのですね。
そうでしたかー。新たな発見ばかりです。ほんとうにありがとうございます。あとで地図も直させて頂きますね。

投稿: lotus62 | 2011年11月 9日 (水) 10時07分

<自己レス>そっか、記事中リンクのHONDAさんの「東京の水…」でも、大和小の手前で二手に分かれて、四角い合流口への流れともう一本東の流れとで妙正寺川に合流、といった内容のことが書かれていましたが、そういうことだったんだ!

投稿: lotus62 | 2011年11月 9日 (水) 13時23分

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