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暗渠ハンター 「失われた川の魂」としての暗渠

先日、田原光泰さん著の『「春の小川」はなぜ消えたか 渋谷川にみる都市河川の歴史』(之潮)
を読みました。
これは面白かった。

著者の方は白根記念渋谷区郷土博物館の学芸員さん。
さすが、深い見識と郷土愛にも満ちてます。

特に前半の、渋谷川上流の状況を江戸以降の
都市開発の歴史と重ねて説明してる章が読み応えがありました。
田原さんは、
川や水路が余儀なく変化させられるその要因を
農地から宅地への用途変更に伴う
・周辺の道路整備
・排水路整備
という観点から説明されています。

暗渠を歩いていてよく、
湧水ポイント(川の水源)よりさらに上に
(人工の用水や上水と接続するわけでもないのに)
水路跡が見られるところがありますが
これは公共下水道が未整備だったころの、
宅地開発に伴う排水路整備の仕業だったりするのよ、とか
なるほどーと思いました。

それと、明治以降の都市づくりでけっこう水路は付け替えられていて、
必ずしも昔の自然河川の跡がそのまま暗渠になっているわけではない、
ということを改めて認識させられました。

いや、うすうすわかってはいたのですが、
「暗渠ハンター(中級)」を自ら名乗る私としては、
ときどき水路を辿りながら
①「(暗渠になってなくても)水路跡を追うこと」
に萌えなのか、
②「(水路跡には関係なく)とにかく暗渠を追うこと」
に萌えなのか、よくわからなくなることが多いのです。
いや、基本的にはどっちも萌えなので、
あえて明解に区分する必要もなかったからそのままにして
放っておいたのですがw
しかしせっかくだから一旦自分の中で整理してみました。

「暗渠ハンター」という肩書きwからすると
②が主ミッションのようですが、
仮に①のような状況であっても(つまり地下に実際の暗渠がなかったとしても)
そこには「土地の履歴としての川」があるはずだし、
それは「形而上の暗渠」なのだと思うんです。
違う言葉でいえば、川跡にいつまでも残っている川の魂、みたいな。

がらんとした真っ暗な地下の管をごうごうと、
あるいは静かに流れていく暗渠にもなぜか惹かれますし、
実際にそんな管なんかなくても、
どの川跡にもたぶん「流れの記憶」(=形而上の暗渠)
のようなものがあると思うんです。それにも強く惹かれます。

だから「暗渠ハンター」は①だって追うのだ。
っていうか①のほうがより基本的なミッションなんだろうな。

その他にも興味深いこと満載の、とてもいい本でした。

Book 春の小川はなぜ消えたか 渋谷川にみる都市河川の歴史 (フィールド・スタディ文庫6)

著者:田原光泰
販売元:之潮
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