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2010年12月

暗渠ハンター 谷沢川橋めぐり②ケイコクの直前

谷沢川橋めぐりの2回目です。
今回は富士見橋以降の後半戦となりますが
そのまえに一つトピックを。
中町5-18-10でみつけました。
「真性おしくらマンホール」。
Imgp7660
これまでいくつかこの「互いの円周を侵食しあってる」という
真性おしくらマンホールを見つけることができましたが、
蓋がコンクリ製でなく鉄板、
というのは初めてでした。
うれしいw

さあそしてここが富士見橋。
わかりやすい装飾が施されていますが、
ここ自体川になってるくらいですから標高は低いし、
残念ながら西のほうに富士山は望めません。
なんで富士見なんだろ・・・。

仮説①この先西のほうに向かうと多摩川の土手。そっから富士が見えたから、
「富士見に向かう時に通る」ので富士見橋。

仮説②昔近くに藤棚があったので、洒落を利かせて漢字を変えて富士見橋。

仮説③昔水量が豊富で川は深くごうごうと流れ、落ちたら助からないくらいだった。あるとき上流に落ちて流された人がいたがこの橋桁にうまく引っかかって助かって、このときの逸話がここを不死身橋と言わしめ、漢字がいつのまにか変わった。

仮説④・・・もういいかw

富士見橋のたもとにはペットショップ。
ペットショップと書いてはありますが、
実質的には観賞魚やさんですね。
川の傍で昔から営業されていたのでしょうか。

橋の下、東側をよく見ると、
合流口が見えますね。
Imgp7667

橋を通過する幹線道路を見ると、
これにに横から細い旧道(おそらく)が
合わさってきているんです。
(下の写真、左から右には橋を通る幹線道路、正面が細道です)
Imgp7666

もしや支流でも・・・?
と思って辿ってみましたが、成果なし。
ただ、おかしな表具屋さんが。
Imgp7668

狙ってやっている感じがアリアリなので、
悔しいからあえてツッコミはしませんw

お次は丸山橋。
Imgp7672

ちょっと護岸が味気ない感じになってきました。
この橋の下流には、水位を見守る監視カメラが設置されています。
(下の写真の右上のやつ)
Imgp7674

なんかさっきまでは「住民のアメニティを大事にしてます」的な
川の雰囲気でしたが、
護岸といいカメラといい、
だんだん緊張感が漂う川べりになってきています。

次の橋は「いなりずし」。
Imgp7676

あ、緊張ゆるんだ。

すこし下ったところにある中町小学校敷地からは、
どでかい合流口からしゃばしゃばと水が流れてきています。
Imgp7678

そして弁天橋。
Imgp7681

弁天橋というからには近くに弁天様や湧水などがあるのでは?
と思いましたがざっと地図を見る限りはわかりません。
どこかに合祀されているのかもしれませんね。
それよりなにより弁天橋にはもっと気になるものが!
これ。
Imgp7683

「連続麻雀牌マンホール」。
以前上下水道エキスパートの方にお話を伺った時には、
「流路をサイフォン式で交差させている地点」
と教わりました。
うーん、でもこれ、川と並行してるしなあ。
何が何に交差してるんだろう・・・。

帰ってから下水道台帳で調べてみると、
ここは下水道管が交差しているのではなくて
どうもここだけ「複線化」してるようです。
何のためにお・どんなしくみになっているのかまるでわかりませんが、
この連続麻雀牌マンホールはこういうイレギュラーで
トリッキーな地点にも敷設されるようだ、
ということだけはわかりました。

また下流に下るのですが、
地図を見ていてどうも不思議な道があったので、
川筋をちょっとだけ離れて確かめに行ってみます。
なんかですね、ふつうの道路から垂直に、
短い行き止まりの道路が出ているんです。盲腸みたいに。
しかも行き止まりのところがぽちっと丸くなっていて、
全体のフォルムが前方後円墳、または鍵穴みたいな。

何だコレハ?と思って現地を確認したく。
住所は中町3-33-19。
実際はこんなところでした。
Imgp7687

奥が前方後円墳の丸いところのほうね。
ロータリー?ヘリポート?おしゃれなパティオ?
よくわからないところでした。
おそらく宅地開発時に作られた「欧風パブリックスペース」的な
場所なのでしょう・・・か?

また橋に戻ります。
お次は田向橋。
Imgp7689

このへんまで来るともう護岸からは愛嬌が感じられなくなります。
好きだけど。
ストロング・スタイルの護岸とでもいいましょうか。
Imgp7692

続いて宮前橋。
Imgp7693

え?橋に変化がなくなってきた?
そうですねえ、私もうすうす感じておりました。
写真紹介する意味あんのかw?

その次は矢澤橋。趣向を変えて親柱でどうぞ。
この写真は専用メガネをかけて見ると
3Dで飛び出して見えます。
Imgp7697

うそです。

矢澤橋から先は、
一気に川が蛇行してたいへん面白い表情になるのですが、
Imgp7698

残念ながらこの先は流路を追えなくなるので
コの字ウォークで進んでいきます。

たどり着いたのは姫之橋。
Imgp7701

傍らには「姫の滝」と刻まれた小さな碑も。
昭和13年の水害で壊れてしまいましたが、
付近には3mほどの滝があったそうです。
名前のいわれとなる悲しい伝説もあるようですが、
今回は割愛しますw

この橋の下で川はこんなふうになってます。
まず上流方向。
Imgp7702

そして下流方向。
Imgp7704

そうです。川が二つに仕切られて、
おまけに端っこに水門まで。
何なんだこれ?
と思ってあちこちググってみましたが、
これまた庵魚堂さんの「世田谷の川・探検隊」によると、
川の汚れを浄化するための沈殿池、とのことでした。
ビジュアル的にかなりインパクトある水路です。
なんか川に手を入れすぎて、
ちょっとサイボーグチックですね。

さらにコの字ウォークで次のなかの橋へ。
ここからはもうほとんど渓谷になりかけの、
荒々しい表情を見ることができます。
Imgp7711

今日の橋めぐりは大井町線の手前まで、
と決めていたので、次が本日最後の観察ポイントとなります。
等々力通りを谷沢川がくぐる地点。
路上から見た上流。
Imgp7715

そして、等々力渓谷と呼ばれる直前の下流方向。
Imgp7716

さてこれで今日はおしまい。
前回冒頭で平らげた
ふつうの「カレー+ナポリタン+ハンバーグ」のせいで、
まだおなかはいっぱい、というありさまでした。

行程は前回地図をご参照ください。

毎回予約投稿でアップしていますが
どうやら今回が2010年最後の記事になりそうです。

今年もご贔屓にしてくださったみなさま、
ほんとうにありがとうございました。

どうぞよいお年をお迎えください。

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暗渠ハンター 谷沢川橋めぐり①「ふつう」のすごさ

以前取り上げた谷沢川の上流部分(これとかこれ)。
世田谷区の桜3丁目の各地(やたぶん農大横の品川用水)から
宇山緑地に集まってきて、
かくかくと用賀の住宅地を流れ、東名高速下から開渠になって、
最後は等々力渓谷となる川。
川趣味の方には、
かつて「上流の争奪戦」が起こった(とされる)ことでも有名な川。
その谷沢川の、中町付近を辿ってきました。
いや、延々とまっすぐな開渠が続くところで、
暗渠者の皆様やドラマチックな渓谷ファンなどの方々から見たら
なんてことない「ふつう」なさんぽなのかもしれませんが。
川の景色もまっすぐで単調。

しかし!下水道マニアの方々にはある意味で有名なエリアなのかもしれません。
・・・そのココロは以下文中でw

ちなみにこの付近は、リバーサイドさんや
庵魚堂さんの「世田谷の川 探検隊
」でも取り上げられているところです。
ちなみにリバーサイドさんのブログでは谷沢川の橋一覧も
googleさんといっしょに作られています!

さて出発は大井町線・上野毛駅。
降りてまずはとあるところで遅いヒルメシを、
ということで環八を北上します。

あ、環八出てすぐに暗渠みつけました。
Imgp7636

矢印かw
ちょっと今日は時間がないので奥まで辿っていけないのが残念。
先を急ぎます。
10分ほど歩いてついたのは、
カレー屋さん「パピー」。
Imgp7641

この2階です。

言っときますが、味はたいへんふつうですw
何がいいかって、たとえばこれ。
Imgp7639

どうです!
カレーのお皿の半分にナポリタンが乗っかってるんですよ!
ナ・ポ・リ・タ・ン。
(言っときますが、このナポリタンの味も至ってふつうです)
さらにその上に見えるのはなんですかー!?
ハンバーグですよ!!!
(しつこいようですがハンバーグの味もたいへんふつうです)
ふつうな3種が一緒の皿に乗っかって、
激しくふつうなメニューとなっています。いい意味で。
こんな夢のようなメニューがほかにあるというのか、いや、ない(反語)。
まるで大人のお子様ランチですね。逆説的ですが。

結構なボリュームなのですが、
お腹が減っていたのできちんとたいらげ、
いよいよ谷沢川に向かいます。

あ、その前に。
このお店のすぐそばに、東急バス瀬田営業所がありました。
Imgp7638

バスターミナルといえば、暗渠です
・・・ところが。
東に谷沢川、西に多摩川。
ここは思いっきりそれにはさまれた山の上でした・・・。
ここだけは暗渠と関係なさそうですね・・・。

さて、谷沢川です。
Imgp7648

今回は、ここ高山橋!から下流に向かっていきます。
Imgp7647

どうにも親しみのわく名前の橋ですな。

おお、橋のたもとではさっそく
Imgp7649

丸い合流口が手ーを振ってるよさよならー♪
あ、すみませんちょうど今フリッパーズギターの
ヘッド博士の世界塔」を聴いていたので
曲の歌詞に引きずられてしまいました;;;;
意味の分からない方ごめんなさい。

谷沢川にはこのように、
Imgp7650

Imgp7652

Imgp7653

比較的高い位置にたくさんの雨水管合流口が見られます。
つまり、雨水と汚水を一緒に流す合流管がない地域。
ちょっと前に上下水道のエキスパートの方から教わったように
比較的新しい時期に下水道整備が「正しく」されたエリアなのかもしれません。

さっきのバスターミナルは「はずれ」でしたが、
高山橋のすぐ近くの川沿いには
こんな「バスターミナル風」の施設がありました。
Imgp7651

コカコーラボトリングの営業所。
たくさんの配達トラックや営業車が停められる場所です。

下流に進み、次の橋は
やぎわ橋。
 

うわー、橋のたもとに合流口が見えるんですが、
これ三つ重なってますよw

Imgp7658
まるでチビ太のおでんですな

対岸にも合流口があったのですが、
なにやら水がけっこうな勢いで出てきているではありませんか!

Imgp7654_2
何か面白いものがありそうだ、
とちょっとこの合流口のむこうを辿ってみることにします。
お。銭湯。

Imgp7656

喜久乃湯(喜の字は、看板では七が三つのやつが使われていました)。
近くの酒屋さんで聞いたら、もう数年前に営業をやめてしまったようです。
入口のコインランドリーは営業中。
一瞬この洗濯排水か?とも思いましたがそれなら
「汚水管」に流すはずですからね・・・結局あの合流口からの
じゃばじゃば水の源はわからず。

まあこのようにここいらは、下水道切り口で見れば
「汚水」と「雨水」がきっちり分かれて敷設されている
「分水式」エリアなわけですが、
帰ってから下水道台帳をみていたら
ちょっとおもしろいことに気が付きました。

いえね、ここは世田谷区の西端のほうに位置していますが、
世田谷でもまんなかへんは「分流式」でなく
ほとんどが「合流式」なんです。
ではいったい、この両者の境目はどうなっているんだろう、と。

ここからすぐ東に行くと、呑川深沢支流なんです。
つまり、この谷沢川と呑川深沢支流の間に尾根があって、
そこが分水嶺になっているのですが、まさにそれが境界でした。
分水嶺の東・呑川側の下水道は合流式、
こちら西側は分流式!!
面白いですねー。近代的な下水道も、
太古からの「川と台地が刻む地図」に従っていたとは!

調子に乗って、ほかの境目もざっと見てみました。
どうやら目黒通りと環八でそれぞれ、
分流式と合流式の境界があるようです。

おとと・・・。
なんか思ったより長くなっちゃったので、
いったんここで切り上げます。

続きの下流は次回ご紹介します。

次回分と合わせて、付近の地図をどうぞ。

より大きな地図で 谷沢川高山橋から を表示

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暗渠ハンター 烏山川の上流②高源院の池とその先

前回烏山川上流の橋跡地帯をご紹介しましたが、
今回はまたもうちょっと上流を。

前回の烏山松葉通り住宅という団地を抜け、
中央高速をくぐるとまた別の団地が登場。
東京都住宅供給公社烏山北住宅、
って長い名前のやつと、
これに隣接して烏山アパート、
ってのがものすごい広い敷地に立ち並んでいます。
うーん、やっぱ川跡の田園地帯を一気に開発して団地に、
ってパターンなんでしょうね・・・。
こちらの造成時期はちょっとわからないのですが、
たぶん雰囲気からいってやっぱり昭和なんだろうな・・・。

さてこの東京都住宅供給公社烏山北住宅の敷地の
東に川跡があります。
ほら、前回の欄干のミニ版みたいですね。
Imgp0375

橋の下を覗くと・・・。
お!開渠です!!
Imgp0376

立派なはしご式開渠。
Imgp0378

それにしても「甲類自治会」って・・・w?
なんだろうと思ったら、こんなページを見つけました
ここ、地元では「青葉団地」と呼ばれているのですね。
どうやら甲類と乙類とあるようです;;;;
どうも建て替えを検討中のようですね。
きっと意見を取りまとめたりするの大変だろうなあ・・・。

さてさっきみたいなミニ橋がいくつか続いて、
Imgp0379

三鷹のほうに続く道路を越えると、
玉川上水にぶつかります。
玉川上水からの分水路はこれ。
Imgp0381

なんか、なぜか包帯巻いた傷痕のように見えました。
もうずいぶん長いことこんな状態なんだろうな・・・。
このすぐ向こうが玉川上水です。
分水はしばらくこんな状態で家の裏手を流れ(下の写真奥)
Imgp0388

この岩崎橋のたもとで上水と別れ出るようです。

Imgp0389
玉川上水の水面。この木の茂り方!夏ですねーw
Imgp0391

場面は変わりまして、団地の西側です。
西側には、すぐそこに
「烏山川の水源」といわれる高源院が控えています。
そこまでをつなぐのが、この暗渠。
Imgp0400

Imgp0402

ちょっと形を変えてどんどん続きます。
Imgp0403

しかーし。いいとろで金網の向こうに消えてしまいます。
Imgp0404

このあたりのことは、もちろん庵魚堂さんの
「世田谷の川探検隊」
にもしっかり書かれておりました。

この延長線上に、高源院。
立派な池がありますね。
Imgp0409

たくさんの鴨がいて、
コウホネの黄色い花も咲いていました。
Imgp0411

池尻からは結構時間がかかったので、
ちょっとした達成感がありました。
「もう終わりかー」なんてさびしい気持ちにもなりますw
高源院をぐるっと回ってかえろっかなーと思っていたら、
お!おしくらマンホールか!!!
Imgp0416

よくみたら輪郭はカブってなかったです。
惜しい!!きみは「おしくらマンホールもどき」だったか。

などと考えて進んでいると、
あ!!!!!!!!!!! 右手に見えるのは・・・。
Imgp0417

高源院の先にも流れがあったようです。
高源院の北を東西に流れる暗渠でした。
しかし暗渠はここで終わり。
西に向かって微妙に高くなっているので、
この暗渠を西に伸ばしたこの道が川筋だったのかもしれません。
Imgp0419

ちょっといくと、おそらく高さのピークにあるのが
この下本宿南公園。
Imgp0421

ここから西は微妙に下りになり、
玉川上水牟礼分水(高山地区を通り抜ける、これ)から
中川・水無川となる谷に向かっているようです。

さすがにこの流れは手持ちの資料にはありませんでした・・・。
今後も調べを続けてみます!

より大きな地図で 烏山川・高原源院あたり を表示

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暗渠ハンター 烏山川の上流①烏山松葉通り住宅の橋たち

烏山川の上流をたどっていくと、
甲州街道を北に越えたところに「烏山松葉通り住宅」という
昭和の香りがする団地があります。
昭和35年~40年に完成し、4階建ての棟がたくさん並んで
合計256戸(<おお、切りのいい数字!)。

地形でみるとこんなかんじです。
(google earthさんおよび「東京地形地図」さん毎度ありがとうございます)

Photo

桃色の円に囲まれたところがその団地。

この団地がふつうじゃない。
いえね、あっちこっちに橋跡が残る、
橋跡パラダイスなんですよ。
おそらく、昔はこのあたり、
烏山川の流れを使った用水路が
縦横無尽に走っていたんじゃないでしょうか。
団地造成が昭和30年代ですから、
それこそその前は見事な田園風景が広がっていたんだと思います。

甲州街道の北側、団地の敷地は高めのフェンスが設けられていますが、
甲州街道南側・下流からたどる川の軌跡上には・・・
Imgp0357

こんな風に欄干が残されています。
うひょー。

団地の敷地に入ってこの裏側を見てみると・・・
Imgp0360

目の前のこの砂利道が川跡、ということになりますね。
今年の夏でしたが、池尻から烏山川を辿って遡上してみました。
まあここまでは比較的楽に暗渠を追うことができたのですが・・・。
この松葉通り住宅に入ると
もうどこがどこだか流路がわかんなくなっちゃうんです。
いえ、暗渠サインが見つからなくってわからないんじゃなくって、
あちこちに橋の欄干が残りまくっているからなんです。

この敷地の東端で最初に見かけた欄干がこれ。
Imgp0324

「お!!!もしや橋跡!?」と喜び勇んで近づいたのですが、
この右側の住宅の「低い塀」にも見える・・・。
なんかポストも設置されてるしw
それに橋跡だとすると、
このおうちは川跡の上にどっしり建ってるってことになるよね・・・。
さすがにそれはないか・・・。塀か。やっぱ塀か。
と思って通り過ぎました。
ところが。

この団地の敷地内には
これとおんなじつくりの欄干があっちにもこっちにもあったんです。
Imgp0326

ほら。
この橋の向こうは、かなりそれっぽい荒れた暗渠道になっています。
Imgp0327

この周囲にはこんなスペースもあり、
Imgp0330

やっとさっきの「塀」は橋跡だという確信が持てました。
この橋跡の流れ以外にも、
敷地内には至る所に暗渠や橋が見られるんですね。
Imgp0333

Imgp0338

もう烏山川上流に向かうのをいったん止めて、
さんざんこの団地をうろうろしてしまいました。
ってかこれは黙って通り過ぎるわけにはいきませんw
Imgp0343_2

Imgp0348

お、またこの形の橋跡が。
Imgp0347

また違う場所にも。
Imgp0349

あろうことか、敷地内駐車場のフェンスとして
堂々と使われてたりもしますw
Imgp0351

この駐車場のはしっこを見ると、
なんか怪しい凹凸もありますね(正面)。
Imgp0352

近よってみると・・・。
Imgp0353

おおー。道路に川跡が残ってるー。

こちらは欄干のない橋。
Imgp0356

もともとはあったのかなあ。

しばらくうろうろしたのですが、
何せお盆の頃のピーカン天気。
あまりに暑いのでちょっと休憩。
この団地内には、給水塔のたもとに
団地住民のみなさんのこまごましたお買いものを一手に引き受ける
京王ストアがありました。
これがまた昭和の香りが充満するいい味のスーパーで。
ここで買った冷たい飲み物をぐびっと飲み干し、
もうすこし水源までの旅をすることに。
Imgp0336

ここから上流に向かうには、中央高速の高架を潜ります。
その高架の橋裏が、
ワッフルみたいに美しかったのでつい撮影w
Imgp0339

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暗渠ハンター 野方環7調節池についでに寄ってみる

野方にいったんです。西武新宿線の。
ミーハーですが、アド街みていきたくなってしまったんです。

あのマグロメンチが食べたくなって。

リバーサイドさんのこの記事
味噌maxさんのこの記事
しかすけさんのこの記事なんかも見て、
野方周辺はいってみなくちゃなーと思ってはいたのですが。
実際に野方行きの引き金を引いたのは
アド街だったことをここに告白いたします・・・。
ごめんなさい。

そういう事情なので、先のみなさんが取り上げてらっしゃるものに比べ
ここでは
「マグロメンチの店を探してたらついでに見つけちゃった」ような
断片的な暗渠写真を取り上げますのでどうぞそのおつもりで
ごらんになってください。

店の位置なんて全然覚えてないので、
駅を降りてマグロの匂いだけを頼りにさまよいます。
途中で見つけたのが、
野方5-30あたりのこの路地。
Imgp7192

あきらかなツートン路地です。
しかも一方にかかるいくつかのマンホール。
おお、なんかかくかくしてていいぞ!
Imgp7194_2

どこにつながるか楽しみ!よし跡を追うぞ!
っていつもならなるんですが、
すみません今日だけはマグロメンチが優先なんです。

果たして見つかるかなーなんて思っていたら
意外とあっさりマグロメンチの「とりよし」が見つかりました。
いい勘してるぞ自分!
お店を見つけて安心したので、
実はもう昼時で激しくお腹もすいていたから、
まずは軽くどこかで食事をして、
そのあと仕上げでこれを食っちまおう、という作戦に切り替えます。
どこかいい感じの昼から飲める大衆食堂はないものか・・・。
探索ターゲットが変わりましたw

途中目についてついふらふらと入ってしまったのが
この「野方文化マーケット」。
Imgp7196

そういえばこれもアド街に取り上げられてたなあ。
ゆるーい不思議な呼び込みテープがかかっているお店がある
小さな商業集積地です。
高いところにアーケードがあり、
その下に身を寄せるよにいろんな店が入ってます。
Imgp7198

日曜昼間なのに閉まってる店が多かったので、
もしかしたらもう「過去形」の商業集積地なのかもしれません。

その少し先で見つけ、これは!!!と思って入ったのが
野方食堂
Imgp7201

ここはいい!すごくいい!!
何代も続いている、正統派大衆食堂です。
肴っぽいメニューも充実していて、
みんなお客さんが昼酒してる!!!
Imgp7199

Imgp7200

この後メインディッシュが控えているので、
軽くポテサラと鳥皮のから揚げだけにしましたが、
両方すっごく美味しかった!
メニューを見るとほかにも美味そうなもん満載。
これは近所だったら絶対虜になる店です。

店員の方もすごく適度に感じがいいし、
何よりも厨房の人(客席からよく見える)たちが、
すごく誇り高く満足げに仕事をしてるんです。
いやーこれでさらに野方好感度アップしました。

いかんいかん、暗渠の写真も入れなくちゃ。
Imgp7206

で、いよいよマグロメンチを買っていただきます!
(おいおい上の写真解説なしかよw)

またまたnamaさん風ショット。
(でもバックの道は暗渠ではない)
Imgp7209

・・・美味かった。
これですっかり「野方=美味しい街」イメージが定着してしまいました。

マグロメンチを食べながら、
せっかくだからと妙正寺川方面に歩きます。
環7をくぐる橋のたもとにあった施設がこれ。
神田川環七地下調節池インフォメーションセンター
です。
Imgp7213

神田川環七地下調節池とは
ご存じ環7の下を掘りぬいた災害用の調節池ですが、
調べてみるとこれは完成期によって
「第1期」と「第2期」とあるんですね。
こちらは第2期で、妙正寺川と善福寺川に取水口を持つもの。
ちなみに第1期はその南側、神田川に取水口を持つやつです。
東京都のwebにスペックが載っていました。
しかしこのインフォメーションセンター、
なんか単なるプレハブの作業小屋みたいに見えるんだけど、
空いていればなんか展示でもあるのかしらん・・・。

そして隣接してあるのが妙正寺川取水施設の事務所です。
あれ?この手前のオブジェはどこかで見たことがあるなと思ったら
蛇崩川の上流のほうの緑道にずらっと並んでいましたね。
意味ないのかと思ってましたが、もしかしたら
近代暗渠においてテクニカルな
意味を持つものなのかもしれません・・・。
想像機能その1 暗渠内の気圧を調整する。
想像機能その2 暗渠を覗く逆潜望鏡。
想像機能その3 緊急増水時にここから水を逃すバイパス。
想像機能その4 暗渠信仰の人々が用いる神具。
想像機能その5 火事の時にここにホースをつないで消防水に利用。

・・・もういいか。

そして対岸から見る取水口です。
Imgp7217

ここが地下巨大空間につながるのかと考えるだけでドキドキしますね・・・。

あ、取水口に比べたらかなり小さかったんで気が付かなかったけど
環7の橋のたもとには別の合流口があった。
Imgp7218

環7調節池で思い出しましたが、
最近高嶋哲夫著「東京大洪水」という小説を読みました。
いつも髪を切ってもらってるサカモトさんにお勧めいただきまして。
これが結構面白いですよ。
主人公は気象学者。大型台風に襲われる東京の川のお話。
荒川スーパー堤防、カミソリ堤防とか、
もちろんこの環7調節池も、首都圏外郭放水路とか
そしてあのトンネルなんかも出てきて・・・。
結構楽しめました。

さて、
前半はミーハーだったり
食い物ばかりだったりでどうなることかと思いましたが
なんとか水の話題で行けたのではないかと。

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暗渠ハンター&工場萌え 晩秋奥多摩紀行②沢井駅の小澤酒造の澤乃井などのこと

前回の続きで、今日は「沢づくし」なタイトルでお送りします。
贅沢なタイトルですね。

青梅線奥多摩駅から沢井駅に戻ります。

沢井駅を降りると、
こんな赤々とした紅葉の木。
Imgp7373

すでに時期を逸しているような気もしますが、
まあ針葉樹の緑と紅葉の赤で、
クリスマスっぽい気もするので臆するところなく
あえて載せマス。
Imgp7376

これなんか、ポインセチア(セインポチア?いつもわかんなくなる)的な
風情も漂うので、やはり
あえて載せマス。
Imgp7377

もう12時はとうに過ぎているのですが、
奥多摩駅でヤマメの塩焼きを食べて
ワンカップを2本飲んだだけなので(<充分という気もするw)、
なんかこう、バナキュラーな方々が日々集う
鄙びてそうだけど実は繁盛してる的なお店が駅の近くに
ないかなあと沢井駅ホームから物色していたのです。
小澤酒造とは線路の反対側に一軒だけありました。
まずはそこに行ってみようかと。
その途中で、味のある暗渠に出会いました。

これこれ。
Imgp7387

道の真ん中を斜めに横切る埋め跡。
道を横切ったあとは、こんなふうにだくだくと
多摩川の谷に向かって流れていきます。
Imgp7389

上流はなんと、この石塔の下をくぐってきています。
Imgp7388

石塔の裏側は・・・。
Imgp7390

鉄板蓋のある側溝、ですね。

この側溝は、
青梅線の下をくぐってこちらに向かっているようです。
Imgp7391

線路では木の蓋暗渠となります。
Imgp7392

ここでこの木蓋を踏み抜いてしまったら危険極まりないですね・・・。

そしてレールを渡り終えたらまた
コンクリ蓋暗渠に。
Imgp7393

さらにその先はハンキョを経て開渠になりますが、
こんな側溝でも流れる水はとても綺麗です。
Imgp7395

さてその先の昼飯処ですが、
かなり期待イメージとは違っていたので、
ばっさり省略。
適度にお腹を満たしたあとは、
線路を越えて急な坂を下り小澤酒造に向かいます。
下り坂を降りる途中に振り向いたショット。
右側が小澤酒造の敷地です。
敷地沿いに水路が隠れているのがわかります。
Imgp7386

駅から徒歩3分、といったところでしょうか。
これが「澤乃井」ブランドを江戸時代から作り続ける
小澤酒造
Imgp7381

小澤酒造の敷地は、
青梅線沿いに走る国道411号線の両側に跨っています。
それを結ぶ、地下トンネル。
Imgp7382

もう水の香りぷんぷんです(<念のため、実際に匂いはしません)。
地下トンネルの底のほうには
こんな水も湧いて染み出ています。
Imgp7418

トンネル出口には、
酒の仕込み水。
Imgp7383

さあ、これから酒蔵の見学ツアーが始まります!
(ちなみに。ツアー参加は無料、予約もできますが
当日でも枠が空いていれば参加できます)

約40人の見学者を引き連れ、
当番制の社員の方が酒蔵を案内してくれます。
しかしこの回の説明の方、
「まるで案内専門!」ってくらい上手に楽しい
プレゼンテーションでした。

入り口には神棚。
神聖な場所です。
Imgp7402

厚い土壁で覆われた酒蔵。
これも四季を通じて内部の温度を安定させるための工夫です。
Imgp7404

酒蔵の中はひんやりしていて、適度に冷たい湿り気が充満しています。
あたりはきっとたくさんの菌類が
「かもすぞー」ってやってるに違いない。

工程に沿った酒蔵の見学を終え、最後はこの酒を造る湧水を見に。
Imgp7408

さらに厳かですねー!
ここにあった説明ポスターによると、
「澤乃井は、『蔵の井戸』と『山の井戸』の二つの湧水を使ってるよ」
「二つとも鉄分やマンガンなど不要物、有機物が少ないのが特徴だよ」
「『蔵の井戸』(ここ)は170前に掘られた140mにもなる横穴だぜ」
「『山の井戸』は、ここから4キロ離れた山奥にあって、20年前にみつけられたよ」

ということでした。
その『蔵の井戸』がこちら。
Imgp7409

わかりづらい写真ですねw
横穴式井戸なので、穴の奥のほう(写真上方)から
湧いた水がたまってきているのですね。
多少無理な言い方をすれば、
湧水の暗渠の出口がここなわけです。

さすがに「命の仕込み水」源泉ですから、
湧水はガラスの向こう側。触れません。

およそ30分くらいの見学の締めは、
テイスティングです。
Imgp7415

できたばかりのお酒をいただきながら、
甘口・辛口の見分け方やお酒の種類の話を伺います。
ちなみにみなさん、お酒の甘辛ってちゃんとわかります?
私はイマイチわかりません;;;
(美味い美味くないはわかるつもりですw)
大雑把にいうと、
辛口:すっきりしている、キレがある味。
甘口:コシ、コク、がある悪く言えばくどい味

なんですって。
そんで、澤乃井はすべて辛口、なんですって。

このテイスティングの酒が美味かったので、
帰りに売店にて720mlゲット。銘柄は「しぼりたて」。

私は酒についてはいわゆる「貧乏舌」なのかもしれません。
確かに大吟醸(米を50%削る)、吟醸(同70%削る)
なんかもそれ自体は美味いと思うのですが、
何杯も飲んだり、特になにか肴を食べながら飲むのには
こういう「特定名称酒」よりも断然「普通酒」のほうが
美味いと思うんです。
まあ普通酒の中には当然「明らかに美味しくない」酒も
ありますけどね・・・。

さて最後は小澤酒造から望む渓谷の多摩川。
Imgp7421

川面の緑と紅葉の赤が、
やっぱりクリスマスチックw

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暗渠ハンター&工場萌え 晩秋奥多摩紀行①奥多摩駅の工場と暗渠

さて今回シリーズは、暗渠や工場などの複合企画です。
紅葉華やかな季節に、
JR青梅線のどんつき・奥多摩駅そばの奥多摩工業の工場と、
それからその数駅手前の沢井駅そば、小澤酒造の酒蔵へと行ってきました。
そのご報告をもちろん暗渠付きでお送りします。

まずは奥多摩駅。
「駅から見える工場。それも意外なコントラストで」
という意味で工場マニアの間では有名なスポット。
私の専門は化学工場ですが、ここは以前からかなり行きたくっていました。

都心から約二時間、青梅線で多摩川の源流を遡り
(イメージカット)
Imgp7304

支流である日原川が多摩川に注ぎ込むあたりに終点の奥多摩駅があります。
全貌ではないですが、
まずはホームからもそれが見えるってのはかなりの衝撃です。
Imgp7307

気分が盛り上がりますねぇ。

駅を降りて奥多摩町役場に向かう道から
この工場の正面風景にアプローチできるのですが、
駅前でひっかかっちゃたのがこれ。
Imgp7314

いえね、駅前にテントが出てて、
ヤマメの塩焼きと澤乃井のワンカップを売ってるんですよ。
澤の井とは、この後見学に行く小澤酒造のお酒の銘柄です。
これに直球どまんなかで私のハートを打ち抜かれて、
ちょっと休憩、と相成りましたw
もふもふ。美味い旨い・・・。
これかなり幸せ度数高いです。

ちなみに駅の前には道を隔てて
多摩川に注ぎ込む直前の日原川の渓谷があります。
Imgp7347

つまり駅そばは川筋。
やっぱりバスターミナルがありました。
ってこれは単に駅前だからかw
Imgp7350

さていよいよ奥多摩工業へ!
正面に回り込むのに歩いて3分、ってくらいなのですが、
途中日原川を渡ります。
橋から見える日原川は、ものすごい透明度!
やっぱ山奥なんですねぇここは。
Imgp7323

まずは雰囲気をつかんでいただくために、
工場の全景をパノラマ写真でご覧ください。うりゃ!
Imgp7343_2

さあでは仔細に見ていきましょう。
まずはタンクみたいなパーツ。
Imgp7328

もっとアップで。
Imgp7329

つぎは各所を結ぶベルトコンベヤみたいなところ。
Imgp7331

その続き。
Imgp7333

まるで「ハウルの動く城」。
さらにアップ。
Imgp7332

ふぅー。
この紅葉の山の斜面に増殖する
なんともまがまがしい無機質の塊たち・・・。
普段お目にかかれないエキセントリックさです。
川崎あたりの京浜工業地帯でだって、
都心の様々な日常風景に隣り合って建っていることで十分
コントラストの強い「違和観」を作り出しているのですが、
この「違和観」はそれを箱庭みたいに凝縮していますね・・・。

そんなロケーションは、私のような工場萌え以外の人をも
惹きつけるようで・・・。
Imgp7335

右隅に写っているのは何人かのコスプレ集団です。
わざわざこのロケーションを選んでコスプレの撮影をしてましたw

工場の周りは紅葉がきれい。
しかし石灰を扱うだけに周辺の木立にも白い粉がばらまかれるんですね。
これは紅葉する木に交じる白い木。「紅白葉入り乱れる」の図。
Imgp7336

さて駅前に戻ってきます。
次の電車まで時間もあったので、暗渠はないかと駅前探索。
駅前は数件のお店が並びます。
Imgp7351

その裏側にあったのがこれ。「柳小路」。
いかにも「数件の飲み屋とともにある暗渠」が期待できるネーミングですね。
Imgp7352

すこし進むと、カーブとともに側溝が現れます。
Imgp7354

お、なんかいいかんじの消火栓。
Imgp7356

消火栓からいまきた道を振り返ります。
Imgp7357

正面にあるのは、味わい深い飲み屋さん。

その先も飲み屋さんが何件か点在し、
この町の歓楽街であることがわかります。
お、護岸みたいな石垣も現れました。
Imgp7358

すぐに柳小路は終わってしまいます。
終点の正面には三河屋さん、その横にお社。
Imgp7360

お社の向こう側は日原川が流れています。

さあそろそろ電車の時間だ。
再び駅前に戻ります。
おおーなんか貴重な山の幸。
Imgp7365

Imgp7364

電車に乗って次の目的地、小澤酒造がある沢井駅に戻ります。
さっき飲んだ澤乃井があんまりうまかったので、
電車のなかでもう一本w
んまい!
Imgp7366

今回と次回分の地図はこちら。

より大きな地図で 奥多摩 を表示

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暗渠ハンター 大阪森ノ宮から玉造

大阪の環状線の東のほうの駅。
ちょうど大阪城がある近くにあるのが「森ノ宮」です。

ちょっとこの地まで日帰り出張の仕事があり、
仕事時間の前後にこのへんを少しだけ散歩しました。
まったく土地勘がない初めての場所。
地図の下調べさえない唐突な散歩。
所用自体は、
それに臨むのにある種の緊張を強いられるような性質のものだったので、
その前後の冷却タイムとして・・・。

JR森ノ宮駅の改札を出たところの地図で付近を確認。
駅のすぐそばにくねっとした路地があったので、
目的地と反対方向でしたがまずはそこをめざすことに。

なんのことはない森ノ宮駅の高架下の一角です。
Imgp7233

しかしここの奥に進むと、この路地に屋根がかぶさり・・・。
Imgp7234
これもアーケード街ていうのかな。
よくみると左下に小さな側溝がありました。

アーケードの端っこまで進んでいまきた道を振り返ります。
Imgp7236_2 
側溝は右下にまだ続いています。
アーケードを抜けると道端には護岸のような構造物が現れます。
Imgp7237
はたしって川跡なのか・・・。
これから待つ仕事のことを思うと、
そんなことを考えるのも億劫になってしまいました。
(珍しくげんなりモードw)
まあはるばる大阪まで来て、
わずかの時間でこういう類のものを見られればそれでいいやあ。
そんな気持ちで街歩き。

ふとJRの高架を見上げると、
それはそれは神秘的で美しいテクスチャの橋裏が。
Imgp7239

ちょっと気分が晴れてきたw
住所でいうと中道1-12というあたりです。

ここからは地図にも頼らず30分ほどの風来坊活動。
なんか変な窓。
いくつかの枠が塗りつぶされるように埋められていました。
Imgp7243

道端の販促品屋さん。
なんだか「Dream Realizer」って文句がいやに刺さりました。
Imgp7245

細道に入ってさらにうろうろすると、
古い建物が目に入ったので近づいてみることに。
Imgp7247

あ。家の前に水路っぽいものが。
デラックスな蓋つきです。
Imgp7248

辿ってみようと試みましたが、この両端の先に水路は見当たりません。

さて数時間の仕事が終わって帰り道。
JRの隣の駅である玉造方面を目指します。
あ、もちろんあてがあるわけじゃないんですが。
上町1-1にある交番付近で、水路らしきものを見つけました。
Imgp7258

どうやらこの付近には昔、お寺が集中しており
「寺町」と呼ばれたそうです。
付近には、給水塔なんだか火の見やぐらなんだか
わからない廃墟テイストの塔。
Imgp7256_3

その南側には、府営寺山住宅という団地がそびえます。
Imgp7262

このあとも目を皿のようにして水路を探しましたが、
もうそれらしいものを見つけることはできませんでした。

森ノ宮から玉造まではほぼ平坦で、
劇的な崖や谷はありません。
しかし、玉造から南にかけて(長堀通)の手前には
ちょっとだけ下り傾斜があります。
その玉造から長堀通に降りるところに、階段。
Imgp7263

下から見るとこんな感じ。
Imgp7264

ローマみたい!
と、言えなくもない。玉造2-16のあたりでした。

さらに並行してもう一本。こんどは細め。
Imgp7266 

ふう。もう目の前が玉造駅です。
おお。駅前からJRを見上げたらまた美しい橋裏景色が。
Imgp7268_2 

見上げてごらん橋の裏を♪
ってなこと考えてたらなんか少し元気になってきました。

東京までの新幹線で今日の仕事のレポートを仕上げようと
今日は自宅からPCを担いできています。
新幹線でPCひろげるの初めて。
よし、さくっとレポート書いて、
名古屋あたりからビールでも飲んで帰るか。

より大きな地図で 森ノ宮 を表示

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暗渠ハンター 大池小池・洗足池界隈③貉窪のはなし

洗足池へのもう一本の流れ、貉窪の湧水からの流れを追います。

遠い昔の話になりますが、
小学校の学芸会のときにやった劇が「むじな沢のはなし」って題だったんですよね。
貉がお寺の和尚に化けて猟師夫妻から食べ物をだまし取ろうとするが、
なんか間抜けなことをした拍子に夫妻にばれて
猟銃で撃たれて食べられちゃう、
みたいな話でした。
積極果敢だった当時の私は、その主役の猟師に立候補。
しかし指導の先生から
「むしろlotusはむじなの役のがいんじゃね?(意訳)」と言われ
あっさり主役を明け渡しました。
(ちなみに主役の子はイケメン、現在劇団四季w)
いわば悪役ですよ、このむじなは。
ここから始まったのか私の助演人生w

それ以来むじなって聞くと
手製のスキンヘッドカツラを被って舞台に立った日を思い出します。

さあそんな貉窪。
洗足子どもの広場横から洗足池に流れ込む短い開渠。
ここ数年で整備されたもの。

ここから上流をたどっていきます。
前回の長原からの流れとの間に尾根がひとつ。
その尾根の下を流れるようです。
Imgp7052

手元資料では、この尾根の上にも暗渠の徴が書かれているので
そっちもチェックしながら。
尾根に登る途中に、こんなかわいらめずらしい家。
土台にしている大谷石のところにも入口がある・・・
Imgp7053

まわりの大谷石をよく見てみると、あとから入口を作りつけたみたいですね。
しかしちょっとこの尾根には暗渠らしさは見当たりません;;;;。

あきらめてさっきの「本流」に戻ります。

実はこの流れ、北千束3-52と南千束1-9の間を通るのですが、
地図によってはここ、一部開渠が描かれてるんです。
それを確かめてみようと近づいてみます。
あったあった。開渠区域は小さな崖になっています。
その下を眺めてみました。
Imgp7059

がーん。もう埋められて暗渠になっとる・・・。

Imgp7060_2

が、埋められたのは最近、といった風情で
ちょっと想像モードに入るだけでさらさら流れる水の音が聞こえてきそう・・・
な気もする。
Imgp7061
この崖下で御庭のお掃除をしていたご婦人にお声をかけてみました。
が、ご婦人おっしゃるにはずいーぶん前にここは埋められましたよ、とのこと。

この形而上学的開渠は、こっちのほうに下って行って
さっきの谷を通り洗足池に入ります。
Imgp7066

さあ、さらにむじなの上流に。
崖下形而上学的むじな開渠は、
こんなふうにうまく歩道に化けて続いています。
右が暗渠、まんなかが歩道。左は車道。
Imgp7069

上流を振り向くと
Imgp7068
左が暗渠で右隣が歩道ですね。
その先車止めの向こうで歩道と暗渠合体。

これがずうっと北に続きます。
そして大井町線北千束駅の横の高架の下をくぐります。
Imgp7074

洗足池には、弁天様を祀る小島がありますが、
じつはこれは人口島。
このあたり北千束の駅が線路を造成した時(昭和初期)に出た
たくさんの土を運んでできた島なんですと。

高架を越えて坂を登り終えるあたりで、
このむじな歩道暗渠は姿を消します。
ここがはしっこ。
Imgp7075
さあここからは地形を頼りに遡れるところまでいってみましょう。
歩道の延長線上にはこんなところが。
Imgp7076
まあ間違いないでしょう。
この先に回り込んで先を確かめます。

おお。
この崖下を流れているのね。
Imgp7077
反対側は・・・。
Imgp7078

うーん、これですねえ。
行き止まりは階段。
Imgp7079
ここで先はおえなくなります。
実際地形的には、
この先環7の被る形で貉窪の谷頭がある模様。
さすがに環7には暗渠見つかんないっすね・・・。

洗足池シリーズはこれでおしまい。

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暗渠ハンター 大池小池・洗足池界隈②池の端から長原の湧水へ

さてではいよいよ洗足池(大池)へ!
まずは洗足池駅前から。
駅の北側、つまり池側にはこんな車止めに囲まれたスペースが。
Imgp7018

これを歩道橋に登って上から見ると・・・。
Imgp7020_2

駅のホームは盛り土をした高いところにありますが、
入手した付近の史料によると、もともと洗足池駅は盛り土なしの
フラットなホームだったそうです。
ホームの盛り土の下を通る水路でもあるのでしょうか・・・。

さあ振り返ると洗足池です。
Imgp7022

ちょっと腹が減ったので、池畔にあるお店でビールとランチ・・・。
池を眺めながら一杯なんて、贅沢な店です。
Imgp7023

値段もそれなりだけど。

店を出て中原街道を東に回り込もうとするところに
池から出る流れを制御する水門。
Imgp7024

そしてそのすぐ横には・・・
Imgp7026

バスの操車場でした。

池の周りを歩いて図書館
(この図書館は池端にテラス席など構える洒落たところです!)を越え、
池のすぐ端の小さな公園に入る手前にあった暗渠。
Imgp7027

ちょっと奥に入ってみましょうか。
Imgp7028

いやー、この壁。
すごい味わいです。
壁写真家Sさんの真似w
Imgp7031

・・・やめときゃよかったかw

切り株が化石みたいになって残ってる。
Imgp7029

民家の入口に消えていきます。
Imgp7030

このすぐ裏は洗足池。

いったん洗足池に出てから、
まずは池の北東の端から東に延びる谷にリーチしようかと。
あ、洗足池にはこんなかわいい色した鴨?がいました。
くちばしとね、足がね、紺色なんですよ。
Imgp7033

東に延びる「長原の湧水からの流れ」はすぐに見つかります。
こんなあからさまな暗渠。
Imgp7034

ここを少し行くと、廃屋のような家の敷地に池みたいな・・・。
Imgp7035

長原の・・・・湧水・・・・?
なわけないか。

ここを過ぎると大きな道と合わさり、
その歩道の下を流れます。
Imgp7037
ども整備されすぎてあまりおもしろくなくなっちゃいましたね・・・。
まあ気にせずとにかくたどれるところまで行ってみましょう。
・・・右を向いても
Imgp7038

左を見ても。
Imgp7039
谷地形を味わうだけでも楽しいし。

あ。トマソン?
Imgp7041

なんてよそ見をしてるうちに、
暗渠の痕跡はここでおしまい。
Imgp7044

もうすぐそこは環7と中原街道が交わる交差点。
地形図で見ても(前々回①と同じ地形図を再掲)、
1
この先が谷のはじまりのようです。
すなわち、「長原の湧水」の地。
残念ながら「ここが湧水!」というポイントはもう見つかりませんでした。

目黒区文化財マップ(暗渠が記載されている)を見ると、
この暗渠にはひとつ支流があって、
途中から南に駆け上がる流れが確認できます。
それを見に行ってみっか!と勇んで歩きましたが
民家がぴったり隣接していて目視はできず・・・。
ただ、その位置にはきりっとした崖が続いて、
Imgp7046

きっとこの下に暗渠があるのでしょう。
Imgp7045

こんなところに崖があるとは思わなかった・・・。

今回のはちょっと落ち着いた感じの暗渠でしたね。
さあ次回は洗足池に北から流れ込む貉窪からの流れをご紹介します。

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暗渠ハンター 大池小池・洗足池界隈①小池とその先

「小池さん」、といって、
ラーメンを連想するのはいったい何歳以上の方々なのだろうか。
(と実際訊いてみましたが、30前後の方々は
「シャ乱Qの歌のタイトル”ラーメン大好き小池さん”で知ってる。
でも小池さんがどんな顔してラーメン食べてるか知らない」という回答も得られました)

小池さんのラーメンはほんとうに美味そうだったなあ・・・。
などと古いネタを枕にして始めるのが、
大田区にある洗足池(大池)と、そのそばにある小池のシリーズです。
まずは近辺の地形図をどうぞ。
Photo

洗足池・小池の周りにはいくつかの谷。
洗足池を出て呑川に注ぐ「洗足流れ」について
そして
洗足池に流れ込む清水窪からの流れについては
過去記事にしたことがあったので、
今回は
■洗足池に流れ込むその他の流れ
(貉窪からのやつと、長原からのやつ)
■小池から流れ出て洗足流れに合流するやつ

をご紹介します。

で、初回の今日は小池を。

長原駅からアプローチします。

駅前でまずは地図を確認。左上の水色が池。
Imgp6953
近頃までこの池は民間のつり掘だったようで、
見る地図によっては「つり掘」と書かれていたり
何の表記もなかったり。
この駅前地図でも「小池釣堀」になってますね。
よし行くぞ!

駅から向かう道で、もうすでに興奮すべき状態に。
これみてください。
小池方面に向かってまっさかさま(多少誇張あり)に
道が落ちていきます。
Imgp6955

小池に向かう道すがらも、
「どこか小池に流れ込む暗渠はないものか」と
期待に胸を膨らませますが、
あまり明確なところはありません。
唯一ここくらいかな・・・
Imgp6959

そしてここが小池。
水面に空が映ってきれいです。
今は小池公園、という名を冠され、
こざっぱりと整備されています。
Imgp6964_2 
周囲は下り坂に囲まれ、
おおきなスリバチの底に水が溜って
この小池ができていることがわかります。
Imgp6965

Imgp6961

Imgp6962

池は元釣堀、ということですが、
岸のあたりはかなりの浅瀬。
岸からやや奥にたくさんの棒が立っていますが、
この棒の先からがくんと深くなっています。
Imgp6967
もしかしたら釣堀から公園池に転用した際に、
多少周辺を掘って浅瀬を「追加」したのかも、
という疑問が湧いてきました。
どれどれ、地図を見比べてみましょう。
これが前掲の駅前地図(「釣堀」扱い)。
Imgp6953_2
そしてこちら、
あとで出てくる小池小学校付近にあった地図(「小池扱い」)。
Imgp6991
うーん・・・。
「小池」のほうが若干丸くなってますね・・・。
微妙ですが。周りの道を手掛かりに比べるとよくわかります。

お。南西の方角に、ここからの水が流れ出ると思しき水門が。
Imgp6966

では小池を離れて、この水門の先を探ってみましょう!
おそらく盛り土をされた道路をこえて左側へ・・・
Imgp6971
その先に見えるのは・・・
Imgp6970
・・・よく見えないw

けれどこのまっすぐに続く茂みが水路でしょうね。
水路に下りる道がないので、
コの字ウォークで先を確かめます。
少し先の魚屋さんがある角で、また水路に近づけそう。
Imgp6974
この角の「魚長」さんという魚屋さんなのですが、
「うなぎ」=川魚→流路の存在?
なんてついつい反応しちゃいますね。

いや実は実は「コロッケ」という店先にあった貼紙にも多いに反応してしまいまして。
魚屋さんでコロッケって、珍しくない?
ちらっとお店を覗くと鮮魚以外にも各種惣菜やらドーナツまで売ってる!
ハラも減っていたのでさっそくコロッケ購入!
そのついでに、お店の方に
このお魚屋さんで売っている鰻など、もしかして小池と関係があるのですか
的なことをお尋ねしてみました。
ご主人がおっしゃるには、
・もともと品川(←後日訂正:大森海岸です)で魚屋をやっていたので、小池やその下の流れとは関係はない。
・しかしずいぶん前からここに店を構えているので、小池のことはよく知ってる。
・元々小池からつながる店裏の流れは、一面沼と竹薮だった。
・その沼
(←後日訂正:沼ってか、基本的には用水路だったみたいです。それが水かさが増えてたまに沼みたいになっていたようです)にはたくさん魚がいて、でっかい雷魚もいたよ。
・小池は時々で大きくなったり小さくなったりして境界は曖昧だった。
・いつ頃からか池は釣堀になったが、2~3年前にやめて区が買い取って公園にしたようだ。
・近くの自治会館にけばそのころの写真がいっぱいあるよぅ。

とのことでした。
ふーん。おおきくなったり小さくなったり。
さんざん形を変えてきたんですね。
(この自治会館も、場所を聞いて寄ってくればよかった・・・今度近くに来たら絶対いくぞ!)

取材wを終えて早速店裏の流路を見に行きます。
あ、これはコロッケと流路の記念ショット(namaさん風)。
Imgp6980
美味そうでしょw?
おーい、だれかビール買ってきてくれー!!

はい、次はコロッケ抜きで。
Imgp6977
これは下流に向かったショットでしたが、
上流向きはかなりショッキングです。
Imgp6978
なんと。はしご式開渠の枠が見えますね。
そのまんま土で埋めちゃったのか知らん。

実はここは2本並行して走っていて、
もう一本(より手前・魚屋さん側)の
崖下に流れるのがこれ。
Imgp6975

いい塩梅の秘境感です。
さらにコの字ウォークで先に進みます。
次の流路が見られる所では、すでに1本になるのですが、
これが下流方向。
Imgp6984
今度は通れる道になっています。
手前にはこの暗渠に降りる階段付きです。
さて階段を降りて振り返ったのがこれ。
Imgp6986
そして下流の様子はこれ。
Imgp6987
左側、ようやく歩ける暗渠が登場します。
このあたりで漸く気がつきましたが、
ちょうど1年前くらいにHONDAさんがこのあたりを記事にされてました。当ブログとは写真が格段にキレイです!!!

ああ、やっぱり住民の暮らしによく馴染んでるのねw
Imgp6988
この暗渠をまっすぐ行くと、小池小学校にぶつかります。
Imgp6989
小池小も、坂に挟まれた谷地にできた学校ですね。
Imgp6990

おお!敷地の中に小さな池が見えるけど・・・
Imgp6992
まさか違いますよね、フェイクですよね。
小学校以下は、流路は住宅地の間に一旦隠れ、
銭湯の裏手を通って
Imgp6995
また洗足池から呑川に続く「洗足流れ」そばの
鰻やさん(<また鰻だ!)の横に現れます。
Imgp7001
おや、入口の狸の足元にあるのは・・・
Imgp7002 
いやいやこれも明らかにフェイクだってw

こんな暗渠姿を見せながら
Imgp7003_2
洗足流れに合流していきます。
Imgp7004

それにしても、
さっき銭湯があった暗渠に並行する通りは、
コインランドリーや豆腐屋さんもあって、
暗渠臭が薫り高く漂ういい道でした。
Imgp6994
Imgp7000

というわけで。
第1回の〆は、落ち葉の集まる秋の洗足流れで。
Imgp7007

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