暗渠ハンター 上下水道のエキスパートにお教えを賜る
あ、今日は写真は少ないです。
とあるメーリングリストからご案内をいただいて、
第11回善福寺川フォーラム「善福寺川復活のカギは下水道」に参加してきました。
処は荻窪のあんさんぶる杉並(ぎょうさの満州近いw)、
時は10/30、午後イチからのスタートです
みなさまご記憶に新しいかと思いますが、
この日は台風接近で暴風暴雨。
ほんとは午前中にスリバチ学会フィールドワークに参加して、
そんで午後ここに来ようと思ってたんですが
そんな天候なので日和って(<文字どおり、なのか字面の天気と正反対なのか、は議論を呼ぶことと思いますw)、
スリバチフィールドワークはサボることにしこちらだけの参戦・・・。
まあそれにしても寒かったっすね;;;。
で、ですね。
これがおもしろかったんですよ!
(企画・運営元の一つである「神田川ネットワーク」市橋さんが
すでに「杉並・生活者ネットワーク」のページでご報告されています)
さてその内容ですが、
「社団法人 全国上下水道コンサルタント協会」
の上下水道のエキスパートが5名いらして、
前半は、
元東京都下水道局流域下水道本部長の藤田昌一さんの講義。
我々(<って誰だよw)はよく合流管とか雨水管とか汚水管とか
言ってますが、
東京に圧倒的に多い「合流管」の問題とその対策状況について
お話がありました。
中味をシンプルに言うと、
・「合流管」は、大雨が降るとオーバーフローを起こしてトイレ含む生活排水を近くの川に流しちゃうよ。
・これで川が汚くなるし、それを問題だという人が多いよ。
・下水道局でもこりゃいかんと思ってて、『合流改善』というテーマでいろいろ取り組んでるよ。
・『合流改善』のコンセプトは、究極的には「雨水を下水に流さない」方法をいろいろ考えて実行しているよ。
というもの。
簡単に内容をワンシートにまとめましたので、
1分でこの問題をわかりたい方はぜひご覧ください。
(チャートにしたのは私ですが、内容のライツは完全に講師の藤田様にありますのでご注意くださいねw)
これが面白かった!!
下水道関連については諸々興味があって
部分的に知っていたりもしましたが、
・そられがこの『合流改善』という基本方向あってのものだ、と知ったこと。
・たくさんの具体策が体系的に理解できたこと。
が本日の大収穫です。
そして後半は、他のエキスパートの方々を交えたパネルディスカッションです。
お1人ずつのお話は短かったのですが、
やっぱ各エキスパートのおっしゃる言葉はそれぞれに重みがあって興味深かったですね。
質疑応答の時間に質問しきれなかったので(たくさん参加者から質問が出ました)、
合間の休憩時間にこそこそっと藤田さまに質問に行かせていただきました。
質問させていただいたこととそのお答えは以下です。
Q:お話の中にあった「雨水吐口マンホール」(大雨などによって合流管内の水量が増えたときに、オーバーフローした汚水が川に向かう分岐点のこと)は、マンホールの外見で判るのですか?
A:NO。見た目にはわからない。
ついでにマンホールの件で追加質問。
Q:大径マンホール(とは言いませんでしたが、下の写真のような状態をご説明しました)はなぜこんな見てくれになっているのですか?
↓参考写真:大径マンホールとはこんなやつ
A:この塞がれた「大径」が必要な機能を持ったマンホールである(であった)、または特別な大きな機材をここから入れたからである(その詳しい機能や機材については時間の関係もあり聞けていません;;;)。そのため口径を大きくして掘ったが、この大きな口径の蓋を嵌めるとなるとまずは蓋のコストが掛かりすぎること・蓋をしたとしても重すぎて今度は開けられなくなることから、通常の大きさの蓋で開閉できるよう掘り口を埋めたものである。
なるほど。特別なミッションを持った人孔ということですね。
しかもこの大径の下はこの大きさの空洞が潜んでいる、と・・・。
マンホールの蓋に話題が及んだのをいいことに、
もういっちょ質問!
Q:「連続麻雀牌マンホール」(いま勝手に命名w空川の駒場東大前駅付近でも見られますが、写真はnamaさんがこんな記事で掲載されていました)はどんな意味や機能があるのですか?
A:それは、「サイフォン式」で暗渠どおしが交差している所にあるマンホールである。サイフォン式で交差させる場合清掃用の器具を入れるのに長細いスペースが要るため、このような形のマンホール(?)蓋が付いている。
とのこと。へぇー!
ほんとはもっといろいろお伺いしたかったんですが、
ちょっと会の趣旨からも外れてきてしまいましたし
ここまででご遠慮いたしました;;;;;
藤田さまはじめ全国上下水道コンサルタント協会のみなさま、
どうもありがとうございました。
また、この会にお誘いいただきましたケロキ師、MMZのみなさま、
神田川ネットワークの市橋さんはじめみなさまに
改めて御礼申し上げます。どうもありがとうございました!
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コメント
どもども、お疲れ様ですた。
ワークシートの見やすさに脱帽です。さすが~w
「合流改善」「越流水」なんて専門用語、聞いてるだけでわくわくしちゃいますよね~!
投稿: nama | 2010年11月 2日 (火) 10時13分
namaさん
雨風はたいへんでしたが、学ぶポイントの多いフォーラムでした。
こんなエキスパートの方にお会いすると、当日のテーマ以外のことでも
あれこれいろいろ訊きたくなっちゃいますよね。
さぞnamaさんももっと質問、したかったでしょう・・・w。
越流水、3Q、水コ協(でしたっけ?)・・・普段聞かないけどいい響きの単語もたくさん教えていただきましたねw
投稿: lotus62 | 2010年11月 2日 (火) 12時02分
水コン協、って仰ってたような。
投稿: nama | 2010年11月 2日 (火) 12時54分
わぁー、行かれたのですね。いいなぁ。
当日の朝まで行く気満々だったのですが、
台風接近で、車で家族を送迎しなければならなくなり、
予定を変更せざるを得ませんでした。
(リアルな善福寺川の濁流を見ることも画策していたんですがw)
lotusさんの記事を読むと、なおさら残念な思いが・・・。
投稿: リバーサイド | 2010年11月 2日 (火) 20時09分
荻窪って良いお店いろいろありそうな感じですが、
なぜか「ぎょうさの満洲」が中心になっちゃうんですね、我々は。
先日、満洲で昼飯食べてから、環八を行くバスで高井戸・美しの湯に、と思ったのですが、
メシ食べ終わったらなぜか温泉行く気が失せて、帰っちゃいました。
結局、荻窪まで満洲だけのために行ったことに…。
リバーサイドさん、ツイッターで悩まれていましたね。
投稿: えいはち | 2010年11月 3日 (水) 02時27分
namaさん
あ、そうでした水コン協!
リバーサイドさん
嵐の中のご送迎、おつかれさまでした。
直撃を免れたとはいえ、結構な風雨でしたものね・・・。
そんな中での合流管の話だったので、「いまごろ汚水が川に・・・」
なんて想像しながら聴くことができましたー。
えいはちさん
われら満州中心主義者w。
この日も満州に寄りましたが、荒天だというのにけっこうお客さん入ってましたよw
投稿: lotus62 | 2010年11月 4日 (木) 09時52分
大径マンホールはそういうミッションがあったのですか。
合流改善は、ビルや家に雨水利用用の貯留タンクを付けるようにしたり、地下浸透設備をたくさん作って解決してもいいかなって私は思います。なかなか面白いテーマですね。
投稿: 俊六 | 2010年11月 6日 (土) 11時05分
おお、これは貴重なお話!
あ、全国上下水道コンサルタント協会の名簿に職場の親会社の名前が。
実は職場では下請けで下水道台帳図とか水道台帳図作ってるんですが、
部署が違うのでほとんど参加したことがないのです。
(どのみち東京23区内のものはほとんどやってませんが・・・・)
投稿: しかすけ | 2010年11月 6日 (土) 23時15分
俊六さま
合流改善の具体策については拙記事ではあまり触れませんでしたが、
これら個人設置の貯水タンクや
公共設置の浸透設備もかなりのお時間を使われてご説明いただきました。
いずれにしても行政がこの問題をきちんと理解して対応に当たらないと
解決は難しそうなものばかり。
せめて私たちから小さな声をあげたり小さな実践をしていかねばな、と感じました。
・・・このフォーラムのおかげで、俊六さんの主要河川の開渠のお話も
より興味深く読ませていただくことができました!
しかすけさま
ええー!!!そんな職場でいらしたんですか!!!
かなり羨ましいw!!!
いつかお仕事絡みのお話も聞かせてください!!!
投稿: lotus62 | 2010年11月 7日 (日) 13時11分