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暗渠ハンター 二ヶ領用水上流部⑥登戸駅付近の暗渠

もう暑さと疲労に耐えかねて、登戸駅前で少々休憩。はあはあぜいぜい・・・。

第1回二ヶ領用水探索(って後半ほとんど脇道に逸れてますがw)もこれで帰路につくことになりますが、その前に。
せっかく久々に登戸に来たので、ちょっと確かめたいことがいくつかあって。
ずっとずっと前にこのあたりに2年余住んだ事がありました。
当時、家から駅にいく間の道はもしかしたら蓋暗渠だったかも・・・と最近思い出して、それを確かめに行きたくなったのです。
なんとなく、「あの道はいつも歩くとがこがこ路面で音がしていたよなあ」って。

再開発で駅前が一気に豹変した登戸ですが、
その梨畑の傍らの道は、未だしっかりそのままの姿で残っていました。

果たして・・・・蓋暗渠!!! これです!奥が登戸駅前方面。

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同じ地点から反対側を望むと、まだまだ先に続きます。

Imgp9056

おお!無人野菜販売所も当時のままだ!!!

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懐かしいやら嬉しいやら、自分の記憶を讃えるやらでちょっと浮かれてしまいますw

ここから駅に向かいますが、ちょっと先の五叉路で蓋暗渠は道の反対側に移動し、やはり駅に向かって続きます。

Imgp9060

こーんなこーんな。うーん、おぼろげな記憶でもこんな景色でした。

Imgp9061

嬉しくなった私は、昔何度か通った飲み屋さん跡も見に行くことにしました。
(浮かれてるのでちょっと長くなります;;;)

そこは当時「鮎鷹(あいたか)」と言って、
屋根瓦の古い平屋作りの店でした。
入口にはひっそりとした暖簾をかけ、横にはボロい赤提灯。
でも古い暖簾や鴨居の鶏の透かし彫りなどは、全体がボロでもある種の格調が感じられるのでした。
がらごろと引き戸を開けると、
コンクリート敷きの床に逆「て」の字型にカウンターがあるだけの店。
席数は10あまり。
壁はベニヤ貼り。所々に色あせた戦艦長門だの長瀞の四季だの意味のわからないポスターも数枚貼られていました。
中全体が煤けたような風合いで(実際煤けていたと思う)、
メニューも20年近く前に作って掲げたっきりといった風情で、竹の札に墨文字で書かれた数個の料理名がぶら下がっているだけ。
薄暗い店内なので到底読めません。
このやる気のなさがたまらなく優しい店でした。

お店は、よたよたしてるけど恰幅のいい翁が1人で仕切っています。
いや、仕切るというほどお客が来ないんですが。あまり他の客に会った記憶がありません。
無口な翁でした。定休日は「雨が降った日」です。
「降るとどうも面倒だから暖簾は出さないんだよ」とのこと。
翁はいつもカウンターの中で丸椅子にすわり、
大きな湯飲みに焼酎、体調の悪い日は烏龍茶を入れて、ときたまぐびりと飲んでいました。
そんな翁に私はいつもビールを注文しました。
翁はきっちり冷えたキリンビールをよたよたと冷蔵庫から取り出すと、いつも最初の一杯だけお酌してくれるのです。
「おつかれさん」としゃがれた小さな声で人生の大先輩から注がれるビールは、
どこか格別な味がしました。
いつも私は、炭火で柔らかに焼いてくれるレバーを食べました。
翁はボロボロの団扇で、BGMもない店内にぱたんこぱたんこ音を響かせながらゆっくりゆっくりレバーを焼きます。
うっかり炉の前のカウンターに座ってしまうと、目の前のグラスに舞い散る灰が入ってしまうこともしばしば。そうやって焼いてもらった翁のレバーはじゅわっと滋味にあふれていました。
はじめは入るのにずいぶん敷居の高い店でした。社会人になったばかりの私は、まだ「1人で飲み屋に入る」こともできなかったし。
しかしある日思い切って入ってみるとなんと居心地のいい空間だったことか。この店で無事、理想的な一人飲みデビューを果たしたというわけです。

月日は流れ、8年前ほど前の夜だったでしょうか。
仕事で偶然この近くを通った私は、「鮎鷹」がどうなっているのか知りたくて店の前を通ってみました。
外観は全く変わりませんが、見慣れぬ明るい光が漏れる店内からは、大音響のカラオケが聞こえていました。
もちろん入ってはみませんでしたが、もう翁は店にはいないこと、店の中もメニューも雰囲気も前の面影は微塵もないことが一瞬にして理解できました。

なんだか話がちょっと文学的(w)になっちゃいましたが、そんな鮎鷹のさらにその先を見たくなってしまったのです。

躯体はそのままですが、ラーメン屋さんになってました・・・。

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まあ最早昔の鮎鷹を全く期待していなかったので、嬉しくも哀しくもない、無表情なキモチで建物と対面・・・。
ふむ・・・。

「元」鮎鷹向いに小さな路地があったので徒に入ってみます。
何度か入ったことがある路地ですが、その路地には小さな蓋暗渠が交差していました。
看板の後の青い金網の向こう側に細く延びています。
こんなところにも蓋暗渠があったんだなあとこのときはじめて鮎鷹の昔を懐かしむようなキモチになりました。

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そして、駅前の南武線と並行している小さな商店街の入口まで移動。
当時は全く気にも留めませんでしたが、どうやらここも川跡だったようです。
祠の手前に四角いマンホールが見えますが、「ん?」と思ってよくよくあたりを見回すと・・・

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反対側に橋跡、ですね。

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この橋の下から、次の写真の赤いところを通って駅前まで続いていたようでした。
さんざんこの道通っていたのに・・・。

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というわけで、おまけの登戸駅前もこれにておしまい。

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2060 ・・・用水・上水など水路系」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
登戸ってこんなに立派な蓋暗渠があったんですね。

飲み屋さんのおはなし、なんだか良い話でした。
その飲み屋さんのその後をみてしまったこと、
微妙な心境になられたかもしれませんが、
でもこの記事からその穏やかで優しいむかしの感覚が
じわじわ流れてくるように思います。
そしてそういう思い出を持たれていることが羨ましくなりました。
・・・わたしもそういうマイ飲み屋が欲しいです~。

投稿: nama | 2010年7月26日 (月) 12時38分

ありがとうございます。
もう登戸の駅前から立派なのがあって、ちょっと驚きましたw
鮎鷹へのコメントもどうもありがとうございます。
なんだか今となっては「あれは夢だったか?」と思うような空間でした。
隣に玩具店があるのですがそことは店の中で繋がっているようで、そこを引退した店主のおじいさんが半ば道楽でやっているようなお店でした。
まだ玩具店はあったのでそこでお話も聴けたのでしょうが、
まあなんかあえてそこまでは・・・と思って見るだけで帰ってきました。
もう一介の昔の客としては何もできないので、せめてこんなところで最大限の感謝の意を表したい、そんなキモチでおります。

投稿: lotus62 | 2010年7月26日 (月) 12時51分

あー、面白いシリーズでした。自分でも出かけちゃったくらいですもんね。
登戸より北に関してはそんなに馴染みはないんですが、この辺りに共通する風景っていうのは確かにあるなあって思いました。
この辺りを舞台にした我が親父の武勇伝はさんざん聞かされております。小田急の鉄橋に立って電車ギリギリまで待って多摩川に飛び込むチキンレースやってたとか。
そんなことはともかく、僕も次回は「冷静に」二ヶ領用水探索してみたいと思います。やはり久地の円筒分水までは行かないと納得できないでしょ。

投稿: えいはち | 2010年7月27日 (火) 21時08分

えいはちさん、どうもありがとうございます。
それにしてもお父様やんちゃすぎますw 登戸~宿河原は、お父様と幼い頃のえいはちさんが駆け回った(w?)思い出のエリアなんですね。
私も少々登戸に住んでいた、と申しましたが住所は確か宿河原でした。(宿河原堰近くの川沿いに田中屋という川魚料理屋があるのですが、そこが大家さんをしてる住宅におりました) 私ものちほど、宿河原~久地方面に出かけたいと思っています。やはり円筒分水は見ておかないとw

投稿: lotus62 | 2010年7月28日 (水) 10時25分

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