« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »

2010年6月

暗渠ハンター 代官山ついでに三田用水猿楽口分水へ!

※なんだか、最近PCの調子なのかこのブログシステムの調子なんだかよくわからないですが、表記上の不具合が多くて・・・。文書作成過程で消したり修正したりした文字列や単語がそのまま残ってしまっていたり、明らかに違う変換コードによる変換がいつの間にかされていたりと、「開けてビックリ!」なブログ上の誤字脱字(ここまでくるともうそういう領域は超えてしまっているんですがw)が多くなってしまいました。気づいたそばから修正はしていきますが、みなさまにはお見苦しいところをお見せしてしまっております。まずはお詫び申し上げます。
***************************************************************

玉川上水から分水され、東北沢駅の横を掠めて東大裏を通り、
山手線の恵比寿〜目黒の尾根を走っていく三田用水。
その三田用水ですが、渋谷と恵比寿の間にもまたいくつかの分水がありました。
北から、鉢山口分水、猿楽口分水、火薬庫口分水。
(これより南下したところにある分水、白金村分水については先日書きました

さて、夏至の一週間ほど前、仕事を終えてから猿楽町に行く用事ができまして。
まだ日も長いので、と19時くらいまでなら取材もできるだろうから、ついでに猿楽口分水にでも寄ってから行くかと。

というわけでまだまだ明るい18時半前後の恵比寿代官山猿楽町、三田用水猿楽分水のレポートです。

そういえばちょうどやはり1年ほど前、暗渠ハンティング超カケダシの頃に、
鉢山口から東に続く分水と、付近の渓谷地形について記事にもさせていただきましたっけ。
(今もたいしたことないけど、読み返すと今に輪をかけてたいしたことないこと言っててかなり恥ずかしいんですが。もちっと頑張れよ自分)

さあそれはそうと。
恵比寿駅方面から分水にアプローチ。本来ならきちんと渋谷川に合流する比丘橋近辺からレポートすべきでしょうが、この後のアポの関係からやむなく山手線より西側あたりからスタートします。

実は恵比寿はひさしぶり。けっこう店も入れ替わってるなあ。
ここはまだ流路ではありませんが、恵比寿から山手線沿いを北に向かうと大きな五叉路にいきつきます。

Imgp8574

ここの五叉路には、恵比寿に数店お店をお持つ昼間っから泥酔できる憩いの大衆酒場"たつや"があったのですがを、いつの間にか建物ごとなくなって違うモンができてました。

Imgp8575

むー。たつや駅前店も賑わいがあってよかったのですが、この角のたつやはひっそりとした通好みっぽい感じがよかったんだけどなあ。
あーもっと通ってあげればよかった( <ってどっちみちさほど営業利益に貢献はできなかったと思うのですがw)。

さて流路方面に向かいます。
山手線と東急東横線に挟まれた敷地にある渋谷清掃工場の煙突がすぱっと空を分かつように聳えていました。

Imgp8576

この道を少し行けば流路に合流。この右側の歩道を通っていたようです。
(残念ながら本日工事中で痕跡をかぎまわれず)
そして私の背中のほうからさらに東に抜けて山手線をくぐり渋谷川に合流します。

Imgp8577

さてここから遡っていきましょう。
東横線に向けてナナメに登っていく道がありますが、ここが分水の通り道。

Imgp8578

この先で東横線をくぐると、当時を偲ばせる蛇行道となります。
東横線は左側の白い工事フェンスのところ。
数年後に完成する新しい渋谷駅(元東急会館の地下で、副都心線と繋がるようになってます)に通じるよう、地下化を進めています。

Imgp8579

じつはこの右側も崖。渋谷までは、上ったり下ったりを繰り返して"渓谷"を形作っています。

Imgp8580

これは崖からこの分水に降りてくる階段。

Imgp8581

すこし上ると、この道と流路は少し離れてしまいます。
道はゆるく右に曲がっていきますが、流路はこのまま正面の建物の左、東横線との間を伝っていきます。

Imgp8582

この通りのまっすぐ前にこれまた聳えるのが、代官山アドレス。
そう、昔の同潤会アパート跡地ですね。

Imgp8583

代官山、という地名を私が知ったのは、まだ地方で過ごしていた1970年代。
テレビで桃井かおり主演の"ちょっとマイウェイ"というドラマをやっていたのですが、
この舞台が"代官山" 。代官山の小さなレストランが舞台の、楽しい話でした。
(あーDVDでてるんだぁ。見たいなあ久しぶりに)

代官山○丁目、とかよく台詞に出てきていて、架空の名前かと思って当時かの地東京の地図を調べてみたら、あったわけです。 (ただし○丁目というのはありませんでしたが)
犬塚弘さん(クレイジーキャッツのね)扮する姉婿さんは、代官山駅の駅員さんでした。

それがいまはこんなんなってるとは・・・( と、あまりにも個人的でわかりづらい感慨にふける)。

代官山アドレスの手前に、橋の遺構が残っています。
これは暗渠ミュージシャン(?)加瀬さんのサイトやブログにもたびたび取り上げられていたはず。
このまんなかへんに見えるのがそれ。

Imgp8585

もっと近づいてみましょうね。

Imgp8586_2

新坂橋。
よく残っていたものです。
感謝。

しかしご覧の通りすぐ横は工事中。先に書いたとおり、東横線の地下化工事がまさにこの真下を通っているようです。
この橋、いつまで見ることができるでしょうか。

Imgp8587

この橋の上流を、背伸びをして撮って見ました。

Imgp8588
流路上は、建築資材が収められているような物置小屋が並んでいます。

その先に駐車場スペースがあったので、また東横線沿いの流路を覗き込みます。

Imgp8591

すこし上流では、また道と流路が重なります。
たぶんここから。この石垣の左をぐるっと入って流路は下流に流れていくようです。

Imgp8592

ここから前、つまり上流を向くとこんな風景。
左の階段上に代官山駅。

Imgp8594

いろいろな資料によると、
じつはこの辺から流路は代官山アドレス、つまり旧同潤会アパートの敷地を流れるようです。
確かに地形図でもそこが低く谷になっています。

当然、もうその谷は消滅していますが・・・。

なのでこのあとはこの道沿いを歩きましょう。
道は代官山駅横から急激に右にカーブしていきます。

しかしこの道自体も、このカープといい谷っぷりといい、
「ここが流路だったんだよ」と言われても納得してしまいそうな格好になってます。
(実際私も先日までここが流路と疑わなかったw)

ほら、この大谷石の断崖から例の如く下に向かって排水装置が伸びているところとか。
にょっきり。

Imgp8596

そしてこの道は並木橋から来る通りと信号で交差して、さらに猿楽町の奥(写真正面)へと行くのですが・・・。

Imgp8599

やはりここも、流路と思わせるようなカーブが描かれています。

Imgp8601

これをすぐに左に曲がります。ここで同潤会を抜けてきた(たぶんほんとうの)流路が東から合流します。
これが猿楽町20あたり。
このあとはこのまま旧山手通りへまっすぐに。
旧山手通り付近から下流をを振り返ったのがこの写真。
異常に広い歩道(右側)が元の流路である、と想像に難くないですね。

※この記事を書いている途中で、梶山公子さん著の「あるく渋谷川入門」という本を買って読んだのですが、そこにちょうどこの道と思われる記述がありました。昭和20年代のここにはまさに流路があり、そこに笹舟を浮かべて遊んだ、という方のお話です。うーん、すごい変わりようですね。

Imgp8612

この流路の谷めがけて周辺からも流路と思しき道もいくつか。

Imgp8614

さあ、旧山手通りを渡ればそこがヒルサイドテラス。
その中に猿楽塚があります。
ここから三田用水が分水されていたようです。

猿楽塚は古墳時代にできた二つの円墳だったそうです。
その一つが残され、猿楽神社となっています。

Imgp8611

Imgp8607

もちろん猿楽町という名の由来もここから。
詳しい説明が書かれてある表示板が建てられていました。

Imgp8606

付近には他にもいくつか見どころが。

こちらはちょっと離れたところにある公園。猿楽古代住居跡公園です。
もうそのまんまの、弥生時代の住居跡がある公園。

Imgp8617

そして猿楽小学校の横には、こんなY字路も。
左に蛇行した道が別れ、数十メートルさきでまた合流します。
蛇行する川跡と、あとからまっすぐに作った道路、と思われます。

Imgp8619

蛇行道にはちょっとした"すばる座状マンホール”も!

  Imgp8620

さて。
今回の地図はこちらです。
青が辿ってきた道。
これプラス、太い紫色の線が猿楽口分水跡です。

緑の太い線は、三田用水のおおまかな流路です。
そしてオレンジ色のは、以前書いた記事で取り上げた、鉢山口分水です。

より大きな地図で 三田用水猿楽分水 を表示

| | コメント (7) | トラックバック (0)

暗渠ハンター 北沢川下北沢東支流の断片とその他のことなど

自転車で出かける用事があり、小田急線東北沢駅近くを通りかかりました。
そうそう、この辺は北沢中から下北沢森厳寺に抜けていく北沢川の支流、森厳寺川またの名を北沢川下北沢東支流のあるところ。
ちょっと時間があったので少し寄ってみることにしました。
とはいってもフルで辿る余裕はなかったので、小田急線の北側から井の頭通り(北沢中の前)までの短い区間。
ここは以前庵魚堂さんやHONDAさんも取り上げられているので、一部風景を対比されてご覧になるとおもしろいかもしれません。

小田急線北側には、ひと目でそれとわかる深い谷があって、そこがこの森厳寺川です。
まんなかに植え込みが作られた緑道となっています。

Imgp8514

紫陽花がきれいに咲いていました。

Imgp8515

クルマの進入を止める、というよりも「ここはオレ様の陣地だかんね」的な主張を持った車止め。

Imgp8517

緑道はここまで。
さて北上して上流を目指します。
暗渠は二本となりますが、この右側(東側)を辿ります。

この、道の左側を川が通っていたんですね。

Imgp8518

細くなって暗渠が続きます。

Imgp8520

ちょっと質感が違った舗装になりました。前出HONDAさんのサイトの写真では、ここはもしかして最近まで砂利みちだった、かな・・・?

Imgp8522

井の頭通りに近づくと、暗渠沿いにおびただしい数の小さな公園が現れます。

Imgp8524

Imgp8526

Imgp8532

西側にも並行して暗渠があります。
おそらくはかつ、この2本を中心に付近一帯の田圃に水を供給する縦横無尽な水路が作られていたのではないでしょうか。
このへんに多数ある小さな公園は、その水の溜りや間の湿地なんかの跡、だと考えることができそうです。

Imgp8528

はじめて見た。昔の学校にあったような木の椅子の車止めw

Imgp8529

井の頭通りに出る直前では、スバル座状マンホールを見ることができます。

Imgp8535

そして井の頭通りにぶつかります、向こうに見えるのは北沢中。その間が井の頭通りです。

Imgp8536

井の頭通りを北に渡って振り返ります。
まんなか工事中の建物を挟んで、左ナナメに延びるのが今きた暗渠。
右ナナメ前にも一本。これが並行して走る暗渠です。
この2本が絡み合って森厳寺方面に流れていきます。
短いけど、今回はここまで。

Imgp8539

井の頭通りを上って少々いくと、山本商店

Imgp8540
アンティーク家具好きには超有名店。いつも店先で若い職人さんが一生懸命に古い家具を修繕して美しく仕上げている、なんだかこころ打たれるお店です。

あ。ちょうど森厳寺川付近に銭湯の煙突が見えてきました。

Imgp8541
「山の湯」。調べてみるとまだ営業している模様・・・。この辺すぐ近くに「石川湯」もあるはずだから、2軒とも健闘している模様。がんばってくださいね!

Imgp8542

大山の交差点から中野通りを北上します。
左手には玉川上水の緑道が整備されています。

Imgp8543
そういえばここは・・・・。
ちょうど一年ほど前、突然暗渠に対する具体的な興味が自分のなかで爆発した頃、初めて「暗渠を目的に、出かけてみよう」と思って立ったはじめての場所がここでした。
あの時は水系もなにもまだほとんどわからなくて、全く無計画「犬も歩けば暗渠にあたる」的に暗渠探しに出たのでした。そんで「あ、ここにあった!」と嬉しくなったのがまさにここ。ちなみにそのときは玉川上水を笹塚まで追って、甲州街道から続く北沢川上流の暗渠を上北沢から赤堤まで追って、経堂を越えて烏山緑道を少しだけ追って、という全くのランダム走行であったため記事にはしておりませんでした。
(そうそう、気がつけばこのブログの記事数もちょうど前回で300を越えていました。これもひとえにお読みいただいている皆さまのおかげです。この場をお借りしまして、改めてお礼申し上げます。いつもありがとうございます)

今回の地図はこちら。

より大きな地図で 下北沢東支流 を表示

以下はオマケ。
さらにもうちょっと中野通りを北上すると、神田川のすぐ手前に京王バスのターミナルが。

Imgp8544
以前「暗渠とバスターミナル」という記事で暗渠とバスターミナルの関係をプロットしましたが(リバーサイドさん、namaさんご協力ありがとうございました)、ここはプロットしただけで実際に昼間見るのは初めてだったので、嬉しくて1枚撮影!

| | コメント (2) | トラックバック (0)

暗渠ハンター 蘇我のJFE第五高炉と暗渠たち④これは暗渠かはたまた・・・

というわけで、日も傾きかけたころ、再び蘇我駅西口を出て
前回の「線路の下をくぐってくる流れ」がないものかと探索に出かけます。

だいたこのへんかなあ・・・なんてあたりに怪しく湾曲する道路発見。
この道路を少し歩いてみて振り返ったのがこのショット。

Imgp8444

まず左側に線路が見えますね。
これが外房線と内房線で、少し先に蘇我駅があります。つまり背後が千葉東京方面。
そして真ん中が怪しい道路。
右側に低い金網柵が見えますが、この金網柵のさらに右側は普通の片側一車線くらいの幅の道路です。
この真ん中の道路はこのように柵のこっち側で、ずらーっと縦列駐車の枠がある、
まあ「湾曲してずーっと続いている細長ーい駐車場」になているというわけ。
見た瞬間、「暗渠じゃね?」と思いました。

こんな風に、ずーっと先まで続いているわけですよ、
そりゃもう暗渠ファンがみたらゼッタイ「!」と思われると思います。
一定の幅で、囲われた道で、ゆるいカーブを描いて続いている道・・・。
私も昔の川跡を埋めて道路(駐車場)として使っているところ、かと思って小躍りしました。

Imgp8446

この道には、支流のような用水跡(と思しきもの)もいくつかみられます。

Imgp8448

Imgp8449

どんどん進んでいくと、こんな風に道路が横切っていたりして。
ここが昔橋だったところか?
・・・しかし欄干どころか橋跡のようなものは見当たりません・・・。
しかし一端暗渠だと思うと、もう自分を疑うことさえしなくなるようで・・・www

Imgp8450

この地点から後ろを振り返ってみましょう。
ほら。川跡っぽいでしょう?

Imgp8451

実はこの付近に2軒ほど本格的手作りっぽいキムチやさんがありました。
おおー、なんか美味そう!帰りに寄ってキムチ買って行こうっと♪

どんどん進むと、広大なJFEスチールの敷地にぶち当たります。
そしてさらにその向こうは海になります。
ここでこの道はおしまい。
JFEの敷地に川が流れ込んでいた、 ということか・・・?
さすが憧れのJFE、川さえ飲み込んでおられたかw?

Imgp8452

川が続いていたかと思われる部分を覗くことができる道が横に繋がっているので、
もう少し追いかけてみます。
おー、あの真ん中の茂みの右側、ちょっとくぼんでるから
あそこに川があったのかなーなんてピュアな気持ちで想像。

Imgp8454

さらに海側を眺めると、JFE工場かの煙突や給水塔、フレアスタック(排気口の出口から立つ炎)など
心躍らせるアイテムが見えます。

Imgp8458

夕日に映えてすごくいい景色。
なぜか映画「パラダイス・カフェ」のテーマソングが頭に流れてきましたw

Imgp8459

これはフレアスタックのアップ。

Imgp8460

よくこのような炎を見ると、
「CO2をムダに排出してけしからん」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
これは排出するガスを炎のチカラで化学変化させ安全な状態で大気中に放すしかけのひとつです
どうかけしからんと思わず、「おお、がんばってもやしとるわ」とやさしい目でご覧いただけるとありがたく存じます。

さーて「川跡」を戻って、キムチ買って船橋の大衆酒場に向かおうっと!
というわけで帰り道。

Imgp8461

光山商店、という「川沿い」のお店でキムチを買っていきます。
超自家製のおいしそうなキムチと、キムチ味の鱈(辛子明太・・・辛子明太「子」ではない)をゲット。

Imgp8462

もうここで半世紀お店を構えている、というおばさんに、
帰りしな「そういえば、この横の道は昔川だったんではないでしょうか?」
と尋ねてみました。

・・・すると、衝撃の事実が発覚!!!!!!!!!!

「いーやー、これはちょっと前まで線路だったのよう」

orz 川跡ではなかったんです・・・・・・・・。

聞けば、ここはJRの線路と昔の川崎製鉄の工場を結ぶ引込み線。
貨物列車ががたんごとん言いながら通っていた、
廃線の跡だったのです・・・。 軽く絶句。
うひゃーもうてっきり川跡だと思って疑いませんでしたよー。
そういやこの幅も両側の囲いもこのカーブも納得がいきます。
なんてアホなんでしょう自分。

しかし廃線や貨物線も最近めきめきと好きになっているので、
これはこれですっごく嬉しいんですがw

帰り道は、きたときと違って「廃線・・貨物線・・・引込み線・・・・鉄道・・・・」
と心の中で念仏を唱えるように歩きましたw

はい、そんな目で見た、内房線・外房線と合流する地点風景を改めてどうぞ。

Imgp8464

と、こんな具合にたくさんの思わぬ収穫を手にした私は
蘇我駅を発ち、無事に船橋駅前の大衆酒場、「一平」にたどり着きました。

Imgp8465

鰻の寝床のような、コの字型カウンターだけのいい風情のお店です。
やっぱいつ来ても安くてうまい!

Imgp8467

さくっと喉を潤して、これまた満足。
買ってきたキムチの匂いを気にしながら横須賀線に乗って都心へと向かう、充実の一日でした。

行程は①での地図をご参照ください。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

暗渠ハンター 蘇我のJFE第五高炉と暗渠たち③冠水注意かよw蘇我駅東口

蘇我駅の南を流れる名無しの川はは、JR線のぶつかるところで上流が暗渠になります。
暗渠上から下流を眺めたところ。

ここまで鯔の子の群が遡上してきています。
写真手前の川面の波紋は、もしかしたらこの群が描いたものかもしれません。

Imgp8427

下流から暗渠部分を見たものがこちら。
暗渠はまっすぐ線路に向かっています。
(写真がありませんが、実は左斜め前からくるもう一つの暗渠もここで合流し、水路のYは字路を作っています)

Imgp8426

線路にかかる陸橋を越えてまっすぐな暗渠をたどってみます。

Imgp8428

うーん。方向としては間違いないのですが、
このあと地上の痕跡は途絶えてしまします。

あきらめて、蘇我駅の東口(工場詣の反対側)に向かいます。
もうかえろっかな、と。
実は船橋の駅前にいい大衆酒場があって、帰りはそこに寄ろうと計画していました。
そこがもう開店している時間だし。

なんて考えて駅前ロータリーに着きましたが、そこに掲げられていた看板がこちら。

Imgp8434

えー。駅前ロータリーが冠水しちゃう可能性あんのかーw

・・・と笑っている場合ではない。
つまりどこかで水路に繋がっているはずではないか!
駅前に地図を見つけて、じっと観察。
あ、よく見りゃ「現在位置」の右のほうに青く描かれた水路が書いてあるではないですか!

Imgp8435

実は、冒頭に書いた「Y字路」暗渠のかたほうが、この水路だったようです。
Y字路からその方向を見たときには、すっかり普通の駅前商店街が続いていそうだったので
「どうせ痕跡ないだろうなあ」と相手にしていなかった・・・・。不覚でした。
暗渠の続きは、その商店街でなくもっとキツいカーブを描いて
商店街よりも線路側に一本あったのでした!

というわけですぐに現場直行!
おお、地図にあった水路はすでに蓋暗渠となっているではありませんか!
しかもすっごい左右に長い蓋です。
これははじめて見る蓋素材!
なんか木琴みたいな蓋だ(木じゃなくてコンクリだけどw)。

Imgp8430

自転車置き場となっているこの蓋暗渠を進むと、やがて線路と交差する地点へ。
この辺になるとさっきの木琴型コンクリ暗渠(<なんか矛盾をはらんだ言い方ですねw)は
同じコンクリでも違った仕様となっています。

Imgp8431

ここから、来た暗渠を振り返ってみましょう。
うーん、少なくともあの駅前の地図が描かれた時点では、
ここは開渠だったわけですねー。
それにときどき冠水まで起こすような開渠だったと・・・。
ふぅーむ。

Imgp8432

駅に戻ります。
いやー、いいもん見られた、これで思い残すことなく船橋の大衆酒場へ・・・。
と思い東口の階段を登って改札へと向かいます。
(蘇我駅は橋上に改札があります)

ある種の達成感を胸に、橋上の窓を覗いてみます。
さっきの暗渠の反対側が見えました。

あ。
続いてんじゃん!

しかも開渠になって!!!

Imgp8436

ズームで開渠部分をアップにしてみましょう。

Imgp8437

おおー!!!!

これは帰るわけには行かない!
船橋の大衆酒場ですぐにビールを飲むわけには行かない!!!

再び駅の階段を下りて、線路に沿って千葉方面に延びているこの暗渠&開渠にアプローチ!

近づいてみると、もうすっかりどぶ川のテイでした。
少し臭いもします。

Imgp8438

それでも、どこまで続いているか確かめたくなるのが旅先の暗渠ってものです。
追っていくと、一旦赤い鉄板暗渠になっていたりします。

Imgp8439

その先で流路がわからなくなってしまいました。
ここがその最先端部分。

Imgp8441

じっくり観察すると、どうやら写真右手のほう、
つまり線路・ホームがあるほうからの流れと合わさっているようです。

・・・・うーん。どうしよ。
せっかくだから、この線路の反対側がどうなってるか、
みてみっか!!!

というわけで、船橋の大衆酒場はよもや逃げるわけではないでしょうから、
とことん行ってみっかと。

改めてさっきの階段を越え、再び西口へと降りるのでした。
西口階段上から見るJFE第五高炉が、夕日を浴びてさらに美しく迎えてくれますw。

Imgp8442

さあ、もうひと探検!

行程は、①の地図をご参照ください。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

暗渠ハンター 蘇我のJFE第五高炉と暗渠たち②名無しの川の暗渠

はい、千葉市中央区は蘇我駅周辺のお話の続きです。
前回はたっぷり解体中の製鉄工場で引っぱってしまいましたが、ここからしばらくは暗渠がらみのトピックを。

蘇我駅の南側を東から西に流れる名無しの川。
写真のような開渠部分は、JRの線路の西側部分から海岸の工業地帯の運河までの僅かの区間です。
水面は穏やかで美しく風景を映しています。
底は決して美しくはないのですが、流れている水自体はまあまあの透明度。

魚はいないかねーと思ってよく目をこらしてみると、
実は5~10cmくらいの小魚が大量に上流に向かって遡上していました。
たぶん、鯔のこども?
はじめは可愛かったのですが、
そのあまりの大量の群れにちょっとキモチわるくなったりwww
いったいどこまで遡上していくのかな・・・。   

Imgp8405

すっかり街中を流れる川なので、あちこちにクルマ2車線分の幅のある橋が架けられています。

Imgp8404

前回チラ見せでご紹介したのは、この名無しの川から垂直に延びる暗渠。
同じように垂直な流路は数本ある(あった)らしく、
名無しの川にはこんな合流口がいくつか見られます。写真のようにすべてコンクリートで塞がれていましたが。
もうずいぶんまえに機能停止しているみたいですね。
なんだかすこし廃墟テイスト。

Imgp8409_2

前回の蓋暗渠は、この名無しの川を挟んで反対側にも延びています。
ほら。

Imgp8411_2

追いかけていきましょう。
いいですねー。半私有地化されているところも、都心の暗渠とおんなじです。

Imgp8412

その先はすっきりしていますが、
よく意味のわからない飾りブロックが何らかの自己主張をしています。

Imgp8413

いきなり、かっくん90度に曲がります。
やはり元は耕作地で、用水路だったのでしょうか。

Imgp8414

すらっとした蓋暗渠が続きましたが、この先にはちょっとした蓋の乱れなんかが見られました。
何者かによる破壊工作?局地的に不穏な空気が漂っている、と言えなくもありませんw
ここだけ蓋の材質が微妙に違うんだよなー。

Imgp8416

大きなクルマ通りにでるところで流路は追えなくなります。
この流路終りの蓋も立派。
大きくて威厳があります。

Imgp8418

この暗渠どんつきのあたりで見た、千葉版の大径マンホール。
色からして、この大径→小径整形工事はわりと最近なのかも。

Imgp8419

ではまた名無しの川に戻りましょう。

ここは「今井五号橋」。

Imgp8420

「五号橋」は立派な継ぎ目を残しています。
まあ現役の橋なんだからあたりまえか・・・。

Imgp8421

線路に近づくに従って川幅が細くなってきました。
こんな、自転車も通れないような細い、しかもナナメに架かった橋があり、
Imgp8425

この先のJR線路下でいよいよ暗渠となります。
 

こっからは、また次回で!

| | コメント (2) | トラックバック (0)

暗渠ハンター 蘇我のJFE第五高炉と暗渠たち①まずは工場詣から

JR千葉駅のひとつ先に、蘇我という駅があります。
この駅は、去年あたりから解体が始まっていることで工場マニアには有名な駅。
以前私もこんな記事を書きました

ここにはJFEスチールという日本が誇る製鉄会社があるのですが、
その第五高炉という鉄鋼生産工場のカナメ部分がゆっくりと解体されているのです。

それがいまどんな塩梅になってるか、もう一度見に行ってきたというわけ。
なんと言っても前回きたときはデジカメを持っていなかったんですね。
そんで相当悔しい思いをして、私をしてデジカメの購入を決意せしめた、という物件でもありますw
(実際前回ここに行って3週間後にはデジカメ買ったw)

アプローチは、京葉線で。
京葉線は、高架だし京葉工業地帯がよく見えるのでとても楽しいです。
ほんと飽きません。
ただ、空いてる電車で腰掛もせず窓からデジカメを構えて海側を見ているオトナ、
というのは周囲にとってはあまりキモチのいいものでないかもしれませんw

はい、窓からはこんな景色がたくさん見えます!

Imgp8325

蘇我駅にはあっという間に到着。
駅の西口を出るともう正面にそびえる第五高炉ですが、"参道"を近づいていくとまた陸橋の上からも絶景が!むわー!!

Imgp8350

前回と違うのはデジカメを持っているか否か、だけではありません。
前回の第五高炉詣のあと、私は暗渠に目覚めてしまっているのです。
蘇我駅周辺の暗渠もどうしても気になってしまうんですw

というわけで、早速参道の横に走る蓋暗渠発見!
いい物件です!
待っててね、第五高炉御参りしたらかならずアナタを追いかけるからねww

Imgp8344

さあもうすこし高炉に近づきます。
ちょっと暗渠仲間の方々にはイタいばかりかもしれませんが、
暗渠の前にしばし工場の魅惑のフォルムにお付き合いください。

Imgp8362

逆光なので、露出をあげてもう1枚。
デジカメは手に入れたものの、写真のテクは未入手なのです。

Imgp8364

さて、ディテールもどうぞ!

Imgp8374

うわ、なんかこれ宇宙戦艦ヤマトの第一艦橋みたいですねw

Imgp8375

となりには大きなサイロとでかい小屋(<すでに"小"屋ではないか)w。

Imgp8381

小屋部分の露出を上げてみましょう。

うわーなんか素敵なものが詰まってるー!

Imgp8379

遠くJFEスチール工場が続きます。
それはこんな素敵な眺め。

Imgp8394

どこかヨーロッパのデカダンな匂いさえするフォルム(意味不明)。

Imgp8383

はぁー。蘇我の工場満喫です!

1年半ほど前に来たときと、実はあんまりフォルムが変わっていませんね。
でも大きなクレーンはこの日も稼動していて、ゆっくりゆっくり解体は進められているようです。

JFEスチーという名前になる前、この工場は川崎製鉄といいました。
蘇我の町は川鉄の町でした。だから実際このあたりの町の名前は「川崎町」。
そんな町のシンボルであった高炉が解体されていくのを、
町の人はどんな気持ちで観ているんでしょう。
解体していく工場と入れ替わるように、このあたりにはショッピングセンターや郊外型の大規模リテールが続々と出来上がっていました。

さて、参道途中の暗渠に戻りましょう。

Imgp8345

本格的には次回以降で取り上げますが、
この辺は工場周辺の運河に繋がる川が流れており、この開渠と暗渠を追っていきます。
その他、後半ではあっと驚くオチのある謎の流路のことも。
どうぞお楽しみに!
(下の写真がその川。架かる橋の名前から「今井川」かと思ってましたが名前わからず ←6/15訂正)

Imgp8402

今回の蘇我シリーズの地図です。

より大きな地図で 苏我 を表示

| | コメント (6) | トラックバック (0)

暗渠ハンター 中央区の掘割夜さんぽ

今日は、流路も特定しない暗渠のお話と、暗渠がらみのイケてる展示のお話を。

こうあったかくなってきますってぇと夜もさんぽに行きたくなるもんで。

いきなりですが、夜の中央区湊を歩いてきました。
昔の川や掘でいうと、八丁堀駅付近を流れていた桜川から、南下したところにある鉄砲洲川あたり。
佃島は隅田川を挟んだすぐ対岸にあります。

湊は、再開発が進んでいるんだか滞っているんだかよくわからない、昔の風情の住宅がたくさん残っていながらもあちこち虫食い情に更地になっているとても「過渡期」なエリアです。
おかげで、夜さんぽでは暗い道ばかりで少々難儀しましたw
(だから、流路もかなりテキトーです。ってか暗くて確認する気も起きませんでした;;;;)

結構写真も撮ったのですが、当然暗すぎて使えないものばかり・・・。
今日はその中から選りすぐりの数点(っつか辛うじて使えそうなもの数点w)をご紹介しましょうww

ちょうど桜川と鉄砲洲川の間辺りには、こんなところがありました。

Imgp7967

自転車置き場になっていますが、この路面は川ないしは掘、ないしは用水を埋めたような形になっています。
どれどれ、この反対側つまり隅田川方面はどうなっているのかな、
と振り返ると。

Imgp7968_2

このあたりになぜかおびただしくある鉄骨だけの二階建て駐車場。
そこにさらになぜかぽつんと昭和風におしゃれな椅子が一脚おいてある・・・。
なんか夢に出てきそうな風景。
このすぐ向こう側は隅田川です。
さっきの駐輪場の暗渠風路面はここに続いているんだろうなあ、
なんて推測さえも停止しそうなシュールさです。

あまりできのいい写真がありませんが、
ほんとうにこの一帯は鉄骨二階建て駐車場が多いんです。
しかも、いまみたいに下に椅子こそ置いていないものの、
クルマが全然とめられていなくて「これは廃墟か?それとも現役か?」と区別の付かないようなものばかり・・・。

そんなところをでたらめに歩いていくと、
こんな怪しい下水みちも現れます。
でっかいミミズの妖怪みたいにも見えますね。 

Imgp7993

暗い中にあちこちに溝のあとが通っていて、
たいへん幻想的な廃墟&暗渠テイストを味わうことができます。
(あ、廃墟と暗渠って韻踏んでたw)

Imgp7975

これはもと下水の暗渠のようです。

Imgp7981

ずいぶん長いことうろうろしたような気もします。
残っている家は、看板建築だったりトタン建築だったり木造長屋だったり。
おまけにほとんど人通りもないので、
まるで中央区からどこか異空間に来てしまったような体験でした。

少し歩くと佃大橋にあたります。
さくがにここは明るいので、無事に浮世に戻ってきたような気持ちになります。
灯り恋しさに佃大橋を歩いて隅田川を渡ります。

これが佃大橋を渡ってすぐの、橋の下。ここは昔の佃川跡。

Imgp8004

よく見ると、流路の護岸のようなものを見つけることができます。

Imgp8005

さて、こんなふうに中央区の掘や川の跡を取り留めなく歩いて見ましたが、
このあたりの暗渠や橋跡・掘跡状況をもっとちゃんと知りたい!
という方に朗報。
区立のタイムドーム明石という施設で、
第9回特別展「水のまちの記憶」~中央区の堀割をたどる~
という素敵な展示をやっています。
これも先日見てきました。
そんなに広いスペースではないですが、
内容はすっごく充実してます。
特に特に、無料でもらえる図録がすごい!
展示内容をそもままお持ち帰りができます。
これはほんと行ってよかった!
7/11までやってる模様。夜も平日は7時までやってるので、
ぜひ帰りには湊あたりをさんぽしてみてくださいw

| | コメント (2) | トラックバック (0)

暗渠ハンター 三田用水白金村分水③ハチローと合流口

白金村分水の最終回です。

お昼ごはんにと期待していた「中華楼」、まさかの閉店。そこで多少賑やかそうな都道305号線まで出てみることにしまいた。
またここが味わいのある商店街なんですね!
目の前にはこんな長屋風の数件のお店が。
右端の和風カフェもいい感じなんですが、
やっぱりストライクはこの真ん中の「洋食 ハチロー」ですw

Imgp7882

ショウケースのサンプルメニューもGOODなんですが、決め手はこれ。
「お座敷洋食」の文字ww

Imgp7902_2

まあ実際は2階がお座敷らしいです。空いているランチタイムの終わるころなので、
フツーに1階のテーブル席に通されましたw

それでも満足!フライと昼ビールの最強コンビ。なおかつ店内は昔のどっかの地方都市みたいな タイムスリップ&空間スリップ感にあふれています。
ハチロー、かなりよし!
怪我の功名。人間万事塞翁が馬。災い転じて福となす。人生楽ありゃ苦もあるさ。(どちらかといえば苦より楽のほうが後に来てほしいがw)

Imgp7901

さて、せっかくなのでこの通りの風情を満喫していきましょう。
古い通りなのでしょうね、こんな軒先が並んでいたり。

Imgp7884

看板建築全開だったり。
きっと看板建築マニアの方々には有名な通りなんだろうなあ。

Imgp7885

お。暗渠サインの銭湯も健在です。三越湯。

Imgp7888

まるでオセロなペア看板建築。

Imgp7894

つながってるけど片方が塞がれて・・・。
ウインク看板建築w

Imgp7896

さあ、白金村分水の先に参りましょう。
資料にある川筋はすでに暗渠らしさが見られませんが、

Imgp7903

おそらく合流点に近い平坦なこのあたりではもう網の目のように用水が張られていたのかもしれません。支流、というか縦横に細い暗渠らしきものが見え隠れしています。

Imgp7904

なんかこの残し方が粋w
道に落ちてる芸術品みたいです。

Imgp7909

すきっとスマートな蓋暗渠だってあるし。

Imgp7915

そして首都高の高架の下を通り、渋谷川に合流することになります。

Imgp7916

まんなかへん、足場の向こうに四角い合流口。
HONDAさんが書かれた半年前より、当然ながら工事も進んでいるようです。

Imgp7918

橋上から渋谷川下流を望む。
川にまで建機が入ってるんですね。

Imgp7919

以上、白金村分水、おしまい。
帰りはやっぱり庭園美術館に寄ってみようかな。
ロシア構成主義の展示やってるし(ロトチェンコとステパーノワ。アールデコ好き、構成主義好き、高橋幸宏さん好きな人にはおすすめです!6月20日まで!)

その途中、再開発が進む白金の街角にあった空き地にて。
ナガミヒナゲシの花畑みたいになってました。
外来種であっという間に日本に繁殖し、今ではあちこちの路傍でみられるようになってきましたね。私の好きな花の一つです。
これも「雑草」て言われるのかなw

Imgp7922 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

暗渠ハンター 三田用水白金村分水②こどもホールと中華楼

外苑西通りを越えると、自然教育園の裏手に出ます。
自然教育園は大名屋敷のでかいお庭をそのまま自然林として保存している都心では貴重なところ。
隣り合わせの庭園美術館はアールデコ様式の建築でも有名ですね。
どうでもいい情報ですが、この二つの施設は、アルコール類の持ち込みは禁止されています(確か庭園美術館は数年前までOKだったはずだが・・・)。こんないいロケーションで飲むビールはさぞうまいだろうになあ。。。もったいないことですorz

その自然教育園にあるいくつかの池からの流れと合流する地点がここです。
奥の塀の向こうが自然教育園。

Imgp7857

この一角はいかにも使い道を持て余していそうな、意味不明のスペースになっています。
消防施設がどすんと置いてあったり、

Imgp7858

「遊び場」として一角が割かれていたりw

Imgp7859

こんなふうな、「中途半端な使われ方」のスペースが好きですw
いかにも「都市計画」からするとノイジーなスペース。
こどもの遊び場ではなく、「土地が遊んでいる」の意である、とは以前暗渠先輩の庵魚堂さんnamaさんとこのコメントでおっしゃっていたんだっけな・・・。御意ですねw。

ここを経て、首都高速高架沿いに進みます。

Imgp7860

しかし一本高架の外側も結構あやしい!
土地的にはこちらのほうが低いです。
用水は周辺田畑への分水の目的があるから高いところを流れるとして、
もしかしてこちらはその高い分水から水を受け付近の田畑を潤す2次分水だったのかもしれませんね。

Imgp7861

この流れに、向こうの坂上から合流するような支流がありました。
これがHONDAさんが書かれていたヤツかな。
右の道、行ってみましょう!

Imgp7863

果たして、ありました。HONDAさんの記事にあった「道の真ん中の井戸」。

ほんとに道の真ん中にあるんですよ。車止めかとw

Imgp7865

本流に戻ります。
プラチナ通り(やっぱこの名前気に食わんなW)を越えて細い道に入っていきます。

Imgp7869

左右の支流暗渠もいいかんじ。

Imgp7871

分水暗渠のほとりには、こんな洗い場的なスペースもなんとなくに残っています。

Imgp7874

新しいマンションの玄関先に古い井戸が半端に残されています。

Imgp7878

半分民間信仰なのかもしれませんが、古い井戸をつぶすときは、
井戸が息ができるよう竹筒のようなものをさしておかないとダメ、
と言われています。それにあやかって
「竹筒の代わりにポンプ残しとくからこれで息して!」的な意図が読み取れるかとw

お。暗渠上には古い大きなマンホール。ホール周辺の意匠は、この前和田掘給水所の前でみたのとそっくりだー!

Imgp7880

なんて思っていたら、すぐ先にこんなミニ版も!!!!
こりゃ初めて見た!

Imgp7879

ハンドホールでもない、マンホールでもない・・・・・。
「こどもホール」と命名しますw

ここのそばには、今日一番のお楽しみ、これもHONDAさんが書かれていた
レトロ中華料理店「中華楼」!

さてー腹減ったからビールと餃子で休憩!!!
と思いきや。

Imgp7900

廃業・閉店してましたーーーーーーー!!!!!
あー、たった半年前にはあんな元気そうにブログに登場していたではないですかー!
無念。悔しい。はらへったw

景気も実は昨年で底を打っていた、とあちこちで言われたりしていますが、いもり川といい笄川といい、最近都内の開発のスピードが盛り返しつつあるのかも知れませんね・・・。

さて次回は最終回。
中華楼の代わりに入った「お座敷洋食」と、看板建築と渋谷川への合流までのお話です。

行程は前回、①の地図を参照ください。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

暗渠ハンター 三田用水白金村分水①長者丸の谷

以前からいきたい行きたいと思っていた三田用水白金分水。HONDAさんの昨年末の記事にも登場(実はもっとまえから登場w)、さらにいきたい欲が高まっていたのですが先日やっと彼の地へ!

その白金村分水を数回に分けてレポートします。

スタートは三田用水からの分水口とされているここ。
恵比寿駅と目黒駅の間、日の丸自動車教習所がある辺りです。
(写真の奥のほうが渋谷方面。すなわち三田用水の上流です)
Imgp7814

日の丸自教の脇の道を入り、ものすごい傾斜で谷を降りていきます。
やがて山手線と、山手線に並走する湘南新宿ライナーの線路。これは元の貨物線ですね。
(最近ホントに貨物線が気になるw)
山手線は高架になっていますが、湘南新宿ライナーは未だ踏切が残っています。
それがこの「長者丸踏切」。このあたり一帯はむかし長者丸と呼ばれていたそうです。
Imgp7823

この踏切を越えると山手線の高架を渡って山手線内に入ります。
おっとその前に、「山手線高架の橋裏」をどうぞw

Photo

ここからしばらく暗渠らしい姿は観ることができません。
おとなしくガーデンプレイスの崖下など歩いていきます。

Imgp7829

すると!道の右側に暗渠発見!! しかし金網フェンスに阻まれ中には入れません。

Imgp7831

仕方がないので回り込んでこれを追いましょう。
意外とあっさり回り込んで暗渠上を歩ける道を見つけました。
これはさっきの金網方面を望んだところ。

Imgp7833

さて踵を返して下流に向かいましょう。
なーかなかのいい暗渠景色が広がります!!!

Imgp7834

奥に進むと、右手に道路より一段高い護岸のようなものが現れます。

Imgp7835

そこは苔むす日蔭の楽園。オニタビラコが咲いていました。

Imgp7837

ちょっと細くなって、かすかな傾斜のV字蓋が続きます。

Imgp7838

あ、やばい。また金網フェンスが見えてきました。
くっそーずいぶん歩いて来たのにまた引き返さなきゃならんのか・・・・。

Imgp7839

と思ったら、これじゃ意味なしw
堂々とフェンスの横を通って進みます。

Imgp7840

この先の続きは砂利道です。

Imgp7842_2 

さらに道が細くなって、またコンクリ暗渠に戻り、ほどなく行き止まりになります。

Imgp7844

このへんになると、縦横に支流のような水路跡を見ることができます。

Imgp7846

もと来た道を振り返ってみると・・・
暗渠の先にガーデンプレイスがそびえていました。

Imgp7848

さて、さきほどの行き止まりの下流に回り込んでみましょう。
HONDAさんの記事によるとこのあたりが都電長者丸線跡。
しかし鉄知識のない私はその痕跡を見つけることができませんでした。

そのかわりと言っては何ですがw、道端にひっそりと井戸。

Imgp7853

この向こう側に細長いマンションが建っているのですが、
そこに先ほどの暗渠の続きを見つけることができます。
これ。

Imgp7854

この右半分が暗渠です。

最初の踏切からこのあたりまでは、昔「長者丸」と呼ばれていたところ。
おめでたい名前ですが、再開発も進んでいるようです。
井戸の対面の土地ではおそらく古い大きな家の取り壊しが終わり、更地化しているところでした。

Imgp7852

都会のまんなかとは思えませんねー。

さて暗渠は外苑西通りを越えてさらに下流に向かいますが、今回はここまで。

Imgp7855

上が外苑西通り上の首都高速線。向こうの木々は自然教育園です。
次回はここから白金を抜けて、HONDAさんの記事にあった「中華楼」でヒルメシを食わんと進んでいきます!

あ、おまけとして、首都高の橋裏をどうぞw

Imgp7856

奥は目黒・五反田に抜けるトンネルです。

今回のシリーズの行程(白金村分水)の流路はこちら。

より大きな地図で 三田用水白金村分水 を表示

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »