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2006年11月

ヒメツルソバ

近所に、暗渠の上に造った遊歩道があります。ここには四季折々の草花が咲き、ご丁寧にも草花の名前を入れたプレートがあるので非常に楽しめます。(このプレート、、パソコンで出力してパウチした、といった作りなので、きっとどなたかご近所の方が好意で作られてるのかも知れません。感謝です)

ちょうど今頃だと、ムラサキシキブ、ジュウニヒトエ、ハギなど渋めの銘柄が道を彩っているのですが、ふと見つけて気に入ったのがこれ。かわいいでしょう?

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プレートによると、「ヒメツルソバ」というんですって。遊歩道の花壇の一角を埋め尽くすように群れながら、こんな可憐な花を咲かせています。可愛らしい球状の花を見ていると、こちらもついやさしい気持ちになってしまいますね。

花屋さんに売っているような花も綺麗でいいのですが、私はこんな、野に咲く草が好きです。「こんなところに!」という見つけた喜びと、「こんどまた会えるかな」という儚さがいいような気がしませんか。

 

さて、この名前をしっかり憶えて帰ろうと、何度か頭の中で復唱していると、どうもある妄想が頭の中から離れなくなってしまいました・・・。

・・・休日。さてこれからどこへでかけようか、と考える正午に近い時間。道を歩いてふと見ると、鄙びていながらも誇り高く品のある店構えの蕎麦屋が。ちょっと寄っていくかと暖簾をくぐり、まずはビールと板わさを注文。苦いホップの香りを充分楽しんだ後は掻揚げをあげるごま油の香ばしい香りを肴にぬる燗を一本。午後の予定をぼんやり考えながら、もりをお願いしてずるずるっとすすり上げ、街へ出て行く・・・。

粋ですねえ。蕎麦屋酒・・・。(妄想終わり)

話が大幅にドリフトしましたが、こんな妄想をしてるとヒメツルソバさんから「野暮でしょ」と言われてしまいそうですね。

 

 

・・・というわけで、今日のヒルメシにはビールともりそば(茶そばですが)をいただきました。つるつる。

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ジョアン・ジルベルト来日公演最終日~最後の奇跡

Dvc00125  先日2006初日公演のお話を書きましたが、11/9はその最終公演に行ってきました。(写真は最終日、ジョアンの会場着を待ちわびる会場風景) 

 

2003年の初来日や今回の初日は緊張感が漲っていましたが、この日はとってもあったかい感じのするステージでした。 
1曲目は205分、私の大好きな曲「僕は家には戻らない」。のっけからノリのいい曲でスタート。7曲目の「フェリシダージ」も素晴らしい出来。
しかし今回来日ではギターの音量は抑え目で、ジョアンの声が前に出てくる音響ですね。75歳という年齢からジョアンが見つけたベストなバランス、なのかも知れません。そうそう、今回はバチーダの合間に「ワンストロークで2拍・または4拍引っ張る」という「省エネ奏法(?)」も多用していましたね。 
 
22曲めにやったスロウナンバー「コルコヴァード」は、まさに「魂で歌う・魂で弾く」物凄い完成度で、鳥肌ものでした。その後第1アンコール、2アンコールとあったのですが、途中2度ほど「眼鏡」に関するハプニングが。1度目は「オ・パト」が終わろうとする頃、眼鏡がずり落ち出しまって一瞬エンディング中断、2度目は32曲目・最後の曲「イパネマの娘」の途中で右手で落ちそうになる眼鏡を直し、その間ギター無し1小節ほどアカペラ。「現場」にいない限りこんなジョアンを見ることはないでしょうね、いつもカンペキを目指すお方だから・・・。そのお詫びかどうか解りませんが、軽く5コーラスは繰り返して演奏する大長編曲となりました。 
 
また、初日同様「イザウラ」も、ホワイトアルバムに入っているバージョンとはかなり違って年輪を感じさせる歌声・節回しでした。「仕事に行かなくちゃならないけど、君のそばを離れたくないよ、♪アー♪ヤー♪ヤー」という意味合いの歌なのですが、若い頃とはちがった愛情のありかたが滲み出ているような気がしました。 
そして「ショォ!」という合いの手みたいなのが忘れられないのは今回来日で初演の「ピカ・パウ」(って読むのかな?)。知らない曲でしたが、いままでのボサノバとは似ていても全く違うグルーブがあり、どこか民族的な可愛らしい曲でしたねぇ。 
 
どこかの雑誌にも書いてあったのですが、ジョアンのステージはまさに「声とギター」だけなのですが、たまーにギターの音の奥でストリングスやピアノのような音のハーモニーが天井のほうから聴こえてくることがあるのです。今日の公演でも2回ほどありました(不思議ですが、ぼくの空耳ではないと思います)。「ドラリッシ」と、それから終わりのほうのスローな曲で。まさに豊かな音・響きを生み出すことのできる「至宝の技」なんだなあと思いながら聴いていました。豊かに満たしてくれます、耳も心も。ジョアンの年齢からいって日本では最後の演奏になるかもしれないこの場にいられたことに、深く感謝してしまいます。長生きしていただきたい、と心から思います。 
 
招聘・運営にあたったスタッフの皆さんも、たいへんおつかれさまでした。ありがとうございました。 
 
・・・特にジョアンのステージの後は「しばらくほかの音楽は聴きたくない」病になってしまうのは私だけでしょうか・・・。 

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私の常識を打ち破ってくれた音~イエロー・マジック・オーケストラ中期の2枚のアルバム

   

音楽に限らず、それまで自分が思っていた「常識」ってありますよね。
そんな常識をばっくりと壊されたことが何度かありまして、そのひとつ(ふたつ?)がこれ。
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Mhcl209イエロー・マジック・オーケストラ(以下「イエロー」と略)の1981年のアルバム「BGM」(左)と、その半年後に発表した「テクノデリック」(右)。
それ以前からイエローは大好きで聴きまくっていましたが、それまでのイエローとは音も音色も全く違った、コンセプトの大転換が行われたアルバムです。
これらには、「それまでのイエローとは違う」だけじゃなくって、ほかのどんな音楽にも全く聴いたことのない音がぎっしり詰まっていたのです。(実際、録音手法とか、ディレイの使い方などの加工手法、サンプリングという音源開発手法とか、テクノロジー的にも当時かなり実験的な最先端を突っ走っていました)
1981年、3月発表の「BGM」で新しいコンセプト(戦略)を掲げ、11月発表の「テクノデリック」で戦略・戦術まで完成させた、という理解を私はしています。
どちらのアルバムも、基本的に「暗い」トーンです。
当初は音や詩に込められた(であろう)「アルバムの意味」を解釈しようと必死でしたが、今はもっと単純に「音楽」として聴くことができるようになりました。
それでもスゴい。深い。
特に「テクノデリック」で聴ける音の世界はいまなお新しいです。LMD649という手作りマシンを駆使して、灯油缶を叩く音、工場のプレス音や口で発した擬音語で作り上げたリズムパート。そこにねっとりと絡みつくように塗りこんだ細野氏のベース。そしてこのアルバムのカラーを最も印象付けるフレイバーは坂本氏の、重い足取りで音符の上を歩くようなピアノでしょう。
アルバム中の「階段」「プロローグ」~「エピローグ」あたりではこのような味わいを思いっきり堪能できます。細野ベースの大ファンとしては、「灯」も代表曲として推したいところです。
思春期のころにこのアルバムに出会ったことは後々の音楽観ばかりか人生観に大きく影響しました。
まだ聴いたことのない方は、ぜひ一度、なるべく大きな音量で聴いてみてください。
 
 
 
さらに「BGM」発売にあたっては、衝撃的なビジュアルの広告が現れました。
ボウリングシューズを履いた振袖姿の舞子さんが、ボウリングの球の代わりに温泉マークのついたLPレコードをいましも投げようとしているスチール。これにかぶさる梅は咲いたか、Y・M・Oはまだかというキャッチコピー。驚きました。今でも憶えてるくらいですから。
音楽と広告が織り成す、常識の通用しない世界。そこにたくさんの「宝物」が当時の私には見えたような気がします。
この広告に出会わなかったら今の職業を選んでなかったかもしれません。
BGM BGM

アーティスト:YMO
販売元:ソニー・ミュージックハウス
発売日:2003/01/22
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テクノデリック テクノデリック

アーティスト:YMO
販売元:ソニー・ミュージックハウス
発売日:2003/01/22
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ジョアン・ジルベルト2006年公演初日!

待ちに待ったジョアン・ジルベルトの3回目の来日公演に行って来きました。

過去2003、2004年と行っているのですが、たぶんお歳からいって今回が最後かなあ、と。

主催者側もそういう意味合いで「最期の奇蹟」と銘打った公演です。

Dvc00105_1初日は11月4日。17時開演でしたが、予想通りの遅れで1時間15分後くらいに始まりました。(写真は開演前、ジョアンを待ちわびる人々の図)

「ただいまアーチストはホテルを出発しました」という場内アナウンスが開演時刻をすぎてから入っても、会場は暖かい笑いに包まれました。もう3回目だからね、みんな慣れっこ。

そして始まったジョアンの演奏。はじめは、時差とかでつかれちゃったかなあ、なんて思ってましたが、

後半のノリはすごかった。いつもCDで聴いてるのとはちがうコードをちりばめて、まばゆい演奏を披露してくれました。私が特に印象に残ったのは「オ・パト」。間に入るコードがかっこいー!!!

それと、前回公演の最終日に即興でやってくれた「ニホン、すき」みたいな曲も、アンコール時のイパネマの前フリとして披露してくれたのも嬉しかったですね!

最後の「イザウラ」も枯れた味があってよかったなー。そんなふうに枯れても好きな人といっしょにいたいなあ、なんて感じの歌でした。(「仕事があるけど、きみと一緒にいつまでもこうしていたいよ」といったよいうな意味の歌詞なんです)

最終日もいくもんね。どんなふうに演奏が変わるか、これまたとっても楽しみです。

でも頼むから、ジョアンの演奏始めるときにイントロにかぶって拍手するのはやめてください>一部のひと。せっかくはるばるブラジルから(たぶん)身を削って来てくれてるジョアンの演奏を、精一杯聴いていたいのです;;;。

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