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ジョアン・ジルベルト来日公演最終日~最後の奇跡

Dvc00125  先日2006初日公演のお話を書きましたが、11/9はその最終公演に行ってきました。(写真は最終日、ジョアンの会場着を待ちわびる会場風景) 

 

2003年の初来日や今回の初日は緊張感が漲っていましたが、この日はとってもあったかい感じのするステージでした。 
1曲目は205分、私の大好きな曲「僕は家には戻らない」。のっけからノリのいい曲でスタート。7曲目の「フェリシダージ」も素晴らしい出来。
しかし今回来日ではギターの音量は抑え目で、ジョアンの声が前に出てくる音響ですね。75歳という年齢からジョアンが見つけたベストなバランス、なのかも知れません。そうそう、今回はバチーダの合間に「ワンストロークで2拍・または4拍引っ張る」という「省エネ奏法(?)」も多用していましたね。 
 
22曲めにやったスロウナンバー「コルコヴァード」は、まさに「魂で歌う・魂で弾く」物凄い完成度で、鳥肌ものでした。その後第1アンコール、2アンコールとあったのですが、途中2度ほど「眼鏡」に関するハプニングが。1度目は「オ・パト」が終わろうとする頃、眼鏡がずり落ち出しまって一瞬エンディング中断、2度目は32曲目・最後の曲「イパネマの娘」の途中で右手で落ちそうになる眼鏡を直し、その間ギター無し1小節ほどアカペラ。「現場」にいない限りこんなジョアンを見ることはないでしょうね、いつもカンペキを目指すお方だから・・・。そのお詫びかどうか解りませんが、軽く5コーラスは繰り返して演奏する大長編曲となりました。 
 
また、初日同様「イザウラ」も、ホワイトアルバムに入っているバージョンとはかなり違って年輪を感じさせる歌声・節回しでした。「仕事に行かなくちゃならないけど、君のそばを離れたくないよ、♪アー♪ヤー♪ヤー」という意味合いの歌なのですが、若い頃とはちがった愛情のありかたが滲み出ているような気がしました。 
そして「ショォ!」という合いの手みたいなのが忘れられないのは今回来日で初演の「ピカ・パウ」(って読むのかな?)。知らない曲でしたが、いままでのボサノバとは似ていても全く違うグルーブがあり、どこか民族的な可愛らしい曲でしたねぇ。 
 
どこかの雑誌にも書いてあったのですが、ジョアンのステージはまさに「声とギター」だけなのですが、たまーにギターの音の奥でストリングスやピアノのような音のハーモニーが天井のほうから聴こえてくることがあるのです。今日の公演でも2回ほどありました(不思議ですが、ぼくの空耳ではないと思います)。「ドラリッシ」と、それから終わりのほうのスローな曲で。まさに豊かな音・響きを生み出すことのできる「至宝の技」なんだなあと思いながら聴いていました。豊かに満たしてくれます、耳も心も。ジョアンの年齢からいって日本では最後の演奏になるかもしれないこの場にいられたことに、深く感謝してしまいます。長生きしていただきたい、と心から思います。 
 
招聘・運営にあたったスタッフの皆さんも、たいへんおつかれさまでした。ありがとうございました。 
 
・・・特にジョアンのステージの後は「しばらくほかの音楽は聴きたくない」病になってしまうのは私だけでしょうか・・・。 

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音楽」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。

音楽聴きたくない病に罹っているひとりです。

拍手の件、ジャズ・ライブならともかく、「私その曲知ってる」とか「その曲好き」という独りよがりな主張で、一音たり聴き逃すまいと耳を澄ます大勢の人の気持ち(そしておそらくジョアンも)を逆なでする拍手はあまりに無神経に空しく会場に響いていました。

逆に曲が終わり、次に手を動かした瞬間ぴたっと拍手が止まるのは演奏者の視点でみると怖かったですが(笑)
少しも休む間を与えられないというのはすごいプレッシャーだろうな、と。

今回は三日目、最終日を聴きに行ったのですが、個人的には三日目が圧倒的でした。
初来日を凌ぐぐらいに。

最終日のジョアン、後半になって少し持ち直したとはいえ、随分しんどそうでしたよね。
その分、指が動かなかろうが声が枯れようが何がなんでもやり通そうとする姿勢に心打たれました。

言葉に置き換えられない至福で満たしてくれて心からありがとう、と言いたいです。

投稿: | 2006年11月12日 (日) 17時59分

コメントありがとうございます。
すばらしいコンサートでしたね。
3日目いかれたのですね。うらやましい!!

投稿: lotus | 2006年11月12日 (日) 19時41分

こんばんは、遊びに来てしまいました。
最終日も行かれたのですね~。しかも写真を見るに、もしかしてジョアンの真ん前の一階席…羨ましいです。
それにしても、75歳にしてスタイルをまだまだ突き詰めているというのは凄いですね。

投稿: 山原クイナ | 2006年11月19日 (日) 03時36分

山原クイナさん、遊びに来てくださってありがとうございます。最終日は、非常にリラックスしたステージでした。(前回の最終日の盛り上がりを期待してた人にはちょっと食い足りない感じがあったかもしれませんね、贅沢なこといいますと;;;)。
しかし最後といわず、ぜひまた拝みたいものです。いまだにステージを思い出すととろーんとしちゃいます。

投稿: lotus | 2006年11月19日 (日) 14時27分

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» ジョアン・ジルベルト東京公演 最終夜 (2006-11-09) João Gilberto 4ª noite [Review Blog of Umio]
Ótimo! 最終日,ジョアンと僕たち観客との距離が近く感じられるコンサートでした。 昨日に引き続いて,ステージに登場するなり「こんばんわ」。で,やおら演奏を始めるという始まりか... [続きを読む]

受信: 2006年11月11日 (土) 02時13分

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