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私の常識を打ち破ってくれた音~イエロー・マジック・オーケストラ中期の2枚のアルバム

   

音楽に限らず、それまで自分が思っていた「常識」ってありますよね。
そんな常識をばっくりと壊されたことが何度かありまして、そのひとつ(ふたつ?)がこれ。
Mhcl208
Mhcl209イエロー・マジック・オーケストラ(以下「イエロー」と略)の1981年のアルバム「BGM」(左)と、その半年後に発表した「テクノデリック」(右)。
それ以前からイエローは大好きで聴きまくっていましたが、それまでのイエローとは音も音色も全く違った、コンセプトの大転換が行われたアルバムです。
これらには、「それまでのイエローとは違う」だけじゃなくって、ほかのどんな音楽にも全く聴いたことのない音がぎっしり詰まっていたのです。(実際、録音手法とか、ディレイの使い方などの加工手法、サンプリングという音源開発手法とか、テクノロジー的にも当時かなり実験的な最先端を突っ走っていました)
1981年、3月発表の「BGM」で新しいコンセプト(戦略)を掲げ、11月発表の「テクノデリック」で戦略・戦術まで完成させた、という理解を私はしています。
どちらのアルバムも、基本的に「暗い」トーンです。
当初は音や詩に込められた(であろう)「アルバムの意味」を解釈しようと必死でしたが、今はもっと単純に「音楽」として聴くことができるようになりました。
それでもスゴい。深い。
特に「テクノデリック」で聴ける音の世界はいまなお新しいです。LMD649という手作りマシンを駆使して、灯油缶を叩く音、工場のプレス音や口で発した擬音語で作り上げたリズムパート。そこにねっとりと絡みつくように塗りこんだ細野氏のベース。そしてこのアルバムのカラーを最も印象付けるフレイバーは坂本氏の、重い足取りで音符の上を歩くようなピアノでしょう。
アルバム中の「階段」「プロローグ」~「エピローグ」あたりではこのような味わいを思いっきり堪能できます。細野ベースの大ファンとしては、「灯」も代表曲として推したいところです。
思春期のころにこのアルバムに出会ったことは後々の音楽観ばかりか人生観に大きく影響しました。
まだ聴いたことのない方は、ぜひ一度、なるべく大きな音量で聴いてみてください。
 
 
 
さらに「BGM」発売にあたっては、衝撃的なビジュアルの広告が現れました。
ボウリングシューズを履いた振袖姿の舞子さんが、ボウリングの球の代わりに温泉マークのついたLPレコードをいましも投げようとしているスチール。これにかぶさる梅は咲いたか、Y・M・Oはまだかというキャッチコピー。驚きました。今でも憶えてるくらいですから。
音楽と広告が織り成す、常識の通用しない世界。そこにたくさんの「宝物」が当時の私には見えたような気がします。
この広告に出会わなかったら今の職業を選んでなかったかもしれません。
BGM BGM

アーティスト:YMO
販売元:ソニー・ミュージックハウス
発売日:2003/01/22
Amazon.co.jpで詳細を確認する

テクノデリック テクノデリック

アーティスト:YMO
販売元:ソニー・ミュージックハウス
発売日:2003/01/22
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コメント

はじめまして。
TBありがとうございました。
やっぱりこの2枚のアルバムには、ぶったまげましたよね。
本当に出会えて良かったと思えるアルバムです。

投稿: omiyage | 2006年11月 8日 (水) 20時52分

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» ♪ YMO の いわゆる「テクノデリック」 [♪誰が聞くのか?]
「BGM」と並んでYMOの最高傑作といわれるアルバム。 ビートルズでいえばサージェントにあたると思います。 初めて聴いた時の感想は、「サンプリングってスゲ~」でした。 勿論LMD-649(松武秀樹さんて、やっぱり凄いです)なんかの苦労なんて知りもしなかったんで。 ルパート・..... [続きを読む]

受信: 2006年11月 8日 (水) 20時47分

» テクノデリック [1-kakaku.com]
開発されたばかりの新機材・サンプリングマシーンを(おそらく、世界ではじめて)使用した作品。ホッチキスやポラロイドカメラの操作音、工場の騒音などを加工・編集した音の断片がアルバムのあちらこちらに散りばめられた本作は、楽曲の質の高さ、サウンド・メイキングにおける実験性(特に坂本龍一の音楽的過激さがよく出ている)という意味において、YMOの臨界点を示すアルバムとなった。また、「ケイレン、ケイレン、みんな元気に」という意味不明の歌詞を持つ「体操」など、ギリギリのユーモア感覚も彼らならでは。(森 朋之)... [続きを読む]

受信: 2007年1月21日 (日) 04時15分

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