暗渠ハンター マナイタ放浪記 第0話

東京の暗渠は、やっぱり山手線より西側の、凸凹地形の上のほうが断然おもしろい。

長い間ずっとそう思っていました。

 

でも、ほんとうにそうなのでしょうか。

ほんとうにそうならそうでもいいのですが、

そう結論付けるのは、

東京の城東エリア平坦マナイタ地域を、

ちゃんとこの目この足で確かめてからでないとフェアではないな、と思い、

2015年の後半から、時間ができるごとにちょくちょくこつこつと

江戸川区、葛飾区、足立区、墨田区、江東区あたりを確かめ歩いています。

 

さてさて、数年かけて歩き回っている感想を先に申し上げますと・・・。

やっぱり西の、高低差のあるエリアのほうが愉しいです。

(笑。ごめんなさい)

かねてから私は、暗渠の3つの愉しみとして

①つながり(とぎれとぎれの川の痕跡が頭の中で繋がると、パズルを解いたときみたいな嬉しさがある)

②うつろい(川の歴史を、街の移り変わりと重ね合わせて奥行きを見る愉しさがある)

③そのもの(川の痕跡や暗渠そのものが見ていて愉しい)

と申し上げていますが、

まあ歩いているまさにその時、ライブでは①と②の愉しさがあるわけです。

 

いっぽう、このマナイタエリアの暗渠というのは、

殆どが人工の排水路や農業用水であったもの。

しかも、多くが緑道になっていたり、親水公園として新たに水が流されているところがとても多いです。

(あとで親水公園の出現数をカウントしてみようと思います)

 

だから、ほとんど流路がバレバレです。主な水路は、少し古い地図にしっかり載っちゃっているし。

つまり推し量ってつなげる①の愉しみが、西側凸凹エリアに比べて少ないのです。

西側の場合は地形や家並み、暗渠サインなどを頼りに

脳内に新たな川の地図を作っていく愉楽の作業が存在するのですが、それが希薄なんですね…。

それと、そもそも親水公園や緑道といった「暗渠ANGLE」でいうところのレベル4

つまり加工度最大級の暗渠というのは私はあまり萌えないのですよね。

あ、これは個人の感想・趣味嗜好の問題ですが。

なので、総論としては「おもしろくない」。

歩いていても、まるで砂漠を歩いているようです。

 

 

ですが、さんざ歩いてみて分かったのは、

だからこそのおもしろさ・愉しさがたしかにあるんだ、

ということでした。

マナイタエリアには、緑道や親水公園のルートに全く乗っていないのに、

突如として現れる「お宝」が存在しているのです。

先に述べたように、人工の水路が殆どですし、

「マナイタ」というくらいですから高低差はほとんどありません。

それらは何の予告もなしに「そこにいて、私を待って」いるのです。

そう、それはまるで、「砂漠で宝石を見つけた」ような愉しさなのです

(砂漠を歩いたこともないし道で宝石を見つけたこともないけど)。

そして宝石を見つけるためには、何の痕跡もない広い広いマナイタを

、修行のように歩き倒さねばならないのです。

 

これから断続的に、そんなエリアでの宝石との出会いを、

何回かにわたって書いていこうと思います。

 

何年も前に、

この城東地域を丸一日歩き倒して案内してくださった『東京マナイタ学会』会長の深沢さんに敬意を表し、

シリーズ名は「暗渠ハンター マナイタ放浪記」とすることにします。

 

写真は、この後ご紹介する「砂漠で見つけた宝石」の例。

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暗渠ハンター 田中山のふもとで

20171発目です。

 

2014年の3月に、こんな記事を書きました。

暗渠ハンター 田中山いまむかし

昭和半ばに付近にお住まいだったリバーサイドさんから証言を頂いたりして、

「そこにもう水はなかった」的な方向に傾いていましたが、

去年、現場付近でこんな物件を見つけてしまいました。

正確には、同行の相方が見つけたんですけどね。

道路にいきなり橋跡、です。

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このへんから、排水路が始まって前出の流れへとつながっていったのではないかなあ。

もちろん、昭和初期以前、の時代のことでしょうけれど。

 

*

 

去年はイベントなどの稼動が多かったので、毎日が目まぐるしく過ぎていきました。

今年はもう少しじっくり腰を据えて取材したり考えたり書いたり、していきたいなあと思っています。

みなさま、どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。

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暗渠ハンター ひるねこBOOKSさんでの「猫と暗渠」抄録3

谷中の「ひるねこBOOKS」さんでの「猫と暗渠」トーク、
ここでの高山ぶんについて、エッセンスをご紹介するシリーズ3回目です。
さて3つの暗渠で猫を探していてなんとなくわかったことがあります。
経験上、「暗渠には猫が多い」のは事実だと思います。確かに多い。
ですが、ひとくちに「暗渠には猫が多い」といっても、やっぱりそれでも
「いることが多い暗渠」と
「さっぱりいない暗渠」があるんだということ。
(あたりまえなんですが、改めてわかりました)
そしてその「いることが多い暗渠」とは、
暗渠のなかでも「よどみの場」であることが多いということ。
3つの暗渠では、たいてい人や車が普通に通る場所には猫はいません。あたりまえだけど。
そういう、とうとうと水が流れそうな場所ではなくて、
傍らの植え込みや公園、横の袋小路の塀の上とかとか、
「流れないところ」「よどむところ」「気の溜まるところ」に、猫がいるんですよね。
Nyan1

まっすぐ流れるところでなく、ゆっくり渦を巻いて流れる「よどみ」にこそ、猫がいる。
Nyan2
「よどみ」は、命が生まれる場所です。
我々の命を生んだ銀河系。それは我々が観測できる最も大きな「よどみ」でしょう。
そこに、猫がいる。
大いなる命の根源としての「猫のいる暗渠」。
いっぽう、
昔から猫は、我々の物語に、実に様々な姿で登場してきます。
眠り猫。招き猫。そして化け猫。
我々の暮らす日常に、様々な異形となってよきに悪しきに入り込んでくる。
入り込んで、我々に異界の存在を示唆し続けています。
私の知る限りでは、犬はそんな「異界の使い」として物語に登場することは稀です。
だから、猫のいる暗渠は特別な存在であり装置なのです。
異界の・生と死の境界としての「猫のいる暗渠」。
実は、「猫のいる暗渠」とは、特別な暗渠なのです。
そんな場所を、畏れと敬いを込めて
『ニャン渠』と呼ぶことにしましょう。
Nyan3
さあ、今日は暗渠のなかでもひときわ神聖な畏敬すべき場所、『ニャン渠』誕生の瞬間です!
この記念すべき日のこの会を、
第1回『ニャン渠サミット』としましょうではありませんか。
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そしてこの記念すべき日に集ったみなさんを、勝手に
『ニャン渠大使』に任命します!パチパチパチ!!!
と、会場内が興奮のるつぼと化したところで私のパートは終え、
後半の吉村深掘りトークにバトンタッチしたのでした。
ご参加くださった『ニャン渠大使』のみなさん、
ほんとうにありがとうございました。
その後、大使活動は順調ですか?
以上、ひるねこBOOKSさんでの「猫と暗渠」抄録を終わります。
【ご参考】当日参加者に配られた『ニャン渠大使任命証』(みほん)
Nyan5
本年もご愛顧ありがとうございました。
みなさまよいお年をお迎えください。

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暗渠ハンター ひるねこBOOKSさんでの「猫と暗渠」抄録2

谷中の「ひるねこBOOKS」さんでの「猫と暗渠」トーク、
ここでの高山ぶんについて、エッセンスをご紹介するシリーズ2回目です。


「暗渠サインランキングチャート」と猫の関係についての話の後は、
まあそういうけど、ちゃんと確認してみっか、ということで、
何本かの「猫にちなんだ暗渠」を実際に歩いて、
何匹の猫さんに出会うことができるか、というレポートをしました。
全て、下流から上流に向かっての徒歩探索です。

1本めは、私が戯れに「猫顔支流」と呼んでいる目黒川の支流暗渠です。
まずはお客様に
「この支流が猫の顔に見えてくる」魔法をかけてからの現地レポートです。
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ほら、見えてきましたか?

しかし、結局ここでは一匹も出会えませんでした。
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続いて2本目。
「猫又橋」が掛かっていたことで有名な川・礫川ですが、
訳あってここではなくこの上流の「谷端川暗渠」を辿ります。

この企画始まって以来ようやく出会えました。
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3本めはひるねこBOOKSさん至近、かつ猫の名所・谷中ぎんざの下を流れる藍染川です。
途中殆ど出会えず焦りましたが、
霜降商店街に入ってからが豊作。
合計10匹の猫さんを確認。
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まとめです。
7

さてここで、ひとつ気が付いたことがあったので、
私から問題提起をさせていただきました。

そこから、また次回。

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暗渠ハンター ひるねこBOOKSさんでの「猫と暗渠」抄録

谷中にね、「ひるねこBOOKS」さんというかわいらしい本屋さんがあるんですよ。
猫の本や北欧のアートなんかも扱う、ほんとに素敵な空間なんです。ちなみにビールも飲めます。

ここで、今年の9月に『暗渠マニアック!』コンビでトークショーをやらせていただきました。

場所にちなんで、演目は「猫と暗渠」です。
今回から数回に分けて、そのときの高山分のエッセンスをご紹介していきますね。
(お越しくださった皆様、その節はどうもありがとうございました。
以降、大使活動はいかがでしょうか?)


タイトルは
「猫と暗渠 ~暗渠はニャンダーランドだ!」。
このタイトルに、吉村は縦軸深掘り系、高山は横軸俯瞰系でアプローチしていきます。

まず私は、1枚目のスライドで自分のゴール設定をします。なんつっても谷中で、しかも「ひるねこ」さんですからね、猫好きな方ばっかしなわけですよ。
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このスライドを映しながら会場のみなさんに
ではみなさんの中で暗渠も好き、という方は?
と伺えば、
なんと全員がすでに「暗渠も好き」だという結果に。
やる前からゴールに到着してしまいました。


まあ気にせず進めて、いつもの祝詞みたいな前置きをお話し、本題は「暗渠サインと猫」についての件を。
暗渠には猫が多い、というのはもう誰もが認める事実ですが、
私が提示する「暗渠サイン」のチャートには、いつも意図的に「猫」は記載していません。

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それがなんでか、というお話をしました。
まあ端的に言えば猫は「動産」だからです。
「暗渠サインランキングチャート」は不動産物件を挙げてチャートにしているんですよね。

これに関連して、「粗大ごみもチャートに入れるべきでは問題」や
「ビールケースも入れるべきでは問題」についても
見解を示させていただきました。
さて、このあとメインのお題にはいりますが、
それはまた次回で!

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