暗渠ハンター 西荻暗渠サロン実施報告

11月18日(土)の「トロールの森」参加企画『続・西荻案内所』の傘下で実施した

『西荻暗渠サロン』、大盛況のうちに無事終了いたしました。

おいでくださったみなさま、入りきれなくて入場をあきらめざるを得なかったみなさま、

どうもありがとうございました。

トロールの森事務局の野田さま、西荻案内所の奥秋ご夫妻、昼の連動企画地図カフェを運営された白水さま、そして登壇者はじめこの企画にご協力くださったみなさまにも心からお礼申し上げます。

どうもありがとうございました。

さてざっとプログラムを振り返ってみましょう。

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まず第1部。会場転換の都合で30分ほどスタートがおくれてしまいました。

(申し訳ありませんでした)

18時半からの1番手は、今回物販もされていたミシン刺繍作家の菅原しおんさん。

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独創的な表現手法はもちろん、暗渠、土木、トマソン物件などのモチーフを積極的に取り扱った作品写真には会場から嬌声やため息が。

恥ずかしいから、と自作の覆面でトーク。

2番手は城跡ハンターの樋口薫さん。

暗渠と城跡、という演目で、城でなく城跡の魅力、そして暗渠との共通点などお話してくれました。「暗渠 城跡」で検索するとほぼ間違いなくご自分のブログが最上位でヒットするとのこと。

世界におけるナンバーワンポジションを築かれているわけですね、間違いなく。

3番手うしみてぃさん。

以前から杉並にご縁の深いうしみてぃさんには、杉並の暗渠を中心にお話してもらいました。

暗渠サインの新候補として「コモディイイダ」! 数量的な検証も面白かったですし、結果からいえば十分有力だと思います!

ここで第一部終了。

なんとここまでの3人は全員「本日初トーク」。

そんなふうには全然見えませんでしたね。twitter等での評判もすごくいい!

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休憩を挟んだ第二部は、「●●・●●●」という有名な映画を題材に、

各所にマニアが突っ込みを入れて深く解説する、というものです。

ただし、ここでその映画を上映するわけにはいかないので、

場面名が書いてあるテキストのスライド

(一行、数文字のテキストなので、スライド画面としてはほぼ白紙)

をみながらみんなで画面を想像してもらいました。

これで用意したスライドは326枚、すなわち326場面。

上映時間が110分くらいだから、

およそ20秒ごとにシーンがかわるという目まぐるしい映画ですね。

登壇者は、

小金井みわこさん(文房具・マンホールマニア視点)

傭兵鉄子さん(マンホール・鉄道・自衛隊マニア視点)

ジョージさん(近代建築視点)

そしてスライドだけの出演として

スソアキコさん(古墳視点)

これに吉村高山の暗渠視点が加わります。

場面名スライドに合わせて各登壇者が任意のところで挙手し、

用意してきたスライドでマニア的深堀をはじめる、と。

「そんなとこ観てたんかい」

「どこまで深く考察すんだよ」

連発。会場のお客様からもマニアトークがばんばん出てきて、

異常な空間でしたね(いい意味で)。

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この様子は「ハッシュタグ#暗渠サロン」とか「暗渠サロン」「暗渠」などで検索すると、

その一端が垣間見れるかと。

ほんと、企画したこちらが一番楽しめたような気がします。

みなさんありがとうございました。

何度かの休憩時間を使って、喫茶凸さんからの突別メニュー

「●●●のしっぽ」

「自衛隊炊き出しカレー」

を賞味してもらったり、

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デビューを間近に控える

「善福ジゴローとヒマナンデス」(って名前でいいんでしたっけw)

に飛び入りしてもらって西荻暗渠ソングを歌いあげてもらったりと

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休憩する暇のない楽しさ。

結局この第2部は3時間近くやってたのかな。

さいごに私から

「このあらすじスライドは暗渠のようなものです。

みなさんはこの白紙を見つめながら、映画の場面を妄想し、それを愉しんでいた。

それもひとつの暗渠体験なのです」

ともっともらしいことを言わせていただいて締めさせていただきました。

登壇者、会場で発言いただいたみなさんには心から敬意を表します。

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長めの休憩のあとは、すでに時は23時ころ。

「あとは余興の余興みたいなものですから、どうぞ無理のないよう」

と申し上げましたがそれでもたくさんの方が残ってくださいました。

ここからは、吉村高山がこれまでやってきた36個のスライドトークのメニューから、

お好きなものをみなさんに選んでいただいてそれを再演するコーナーです。
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意見は多少割れましたが、多数決で選ばれたのは

去年の4月に北品川・うなぎのねどこでやった「『暗渠マニアック!』的千葉埼玉対決!」でした。

吉村が千葉側、髙山が埼玉側に分かれて、

蓋暗渠対決とか人物対決とか、ジャンルごとにそれぞれのすばらしさをアピールするもの。

やっぱもう過去のトークなので、

「吉村がこう来ると思ったのでこんな戦術でスライドを作った」

とか、過去の戦いを振り返る感想戦のように

お互い割と冷静な振り返りトークになりましたね。

…ちなみに。ここにいた方でもしかして、

「高山のスライドはやたら文字が多いな」

と感じた方がいらしたかもしれません。

じつはこの時、私の母親が危篤状態、いつ逝ってもおかしくない状態でして。

万が一私が会場に来れないときのために、

「エンターボタンだけだれかが押してくれればスライドが成立するように」

という対策だったのです。

母はこの6日後に旅立ちましたが、

「この日はしっかりお勤めしてこい」とのことか、当日無事にトークすることができました。

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このトークが終わったのが24時を回ったあたり。

これなんとなくみんなで撤収作業、となり、

無事に「西荻暗渠サロン」の閉幕となりました。

はあー。快い疲れ。

みなさま、ほんとうにありがとうございました。

続・西荻案内所」は23日まで続きます。


今後とも、『はじめての暗渠散歩』、『暗渠マニアック!』をよろしくお願いいたします。

相方吉村も、ほんとうによく頑張ってくれました。

さいごになりましたが、改めて礼を言います。ありがとう、おつかれさま。

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暗渠ハンター 「はじめての暗散歩」こぼれ話8(最終回)

はじめての暗渠散歩』こぼれ話の、おそらく最終回。

(もう前回で自分の作品についてはひととおり書いちゃったから)

 

最後は、いろいろ周辺のお話をつれづれと。

 

まずタイトルですが、これがなかなか決まらなかったですね。

コラムとして収録されている、吉村の「渋谷川ホッピーマラソン」。

この時久々に4人集まるので、この日に飲みながら考えようって。

まあいろいろアイデアは出て最終的にはこの『はじめての暗渠』に落ち着きましたが、

・ゼロからはじめる暗渠

・いまさら聞けない暗渠

とかも冗談交じりで出ましたな。ほとんど「新書」のノリで。

「世の中9割が暗渠」とか「なぜできる人は暗渠に行くのか」とかも頭をかすめましたが、それは黙ってました。

 

そして表紙。

これはもう、満場一致でさくらいようへいさんに描き下ろしてもらおう、ということに。

4人とも、さくらいさんの暗渠イラストが大好きでしたし、何しろ今回はタイトル通り「暗渠好きのすそ野を広げたい」という意図の下での本なので、やわらかいさくらいさんの絵の世界がぴったりであろう、と。

2016年の『西荻ドブエンナーレ』はじめ、「街の魅力再発見装置としての暗渠」に意欲的に関わってくださっている西荻窪の街ですが、我々「暗渠マニアックス」と西荻の街を最初につなげてもらうきっかけも、実はさくらいさんのイラストだったんですよねえ。

どんなイラストを仕上げてくださるか楽しみに待っていたのですが、果たして、ああ、あそこの暗渠がモデルか!とニヤリ。

すてきなイラストを描いてくださってありがとうございます。

 

帯文。

これも、我々4人と編集さんでいろいろと意見交換をさせてもらっての結果です。

これまたみんな大好き、泉麻人さん。

まさか泉さんが書いてくださるとは…。

本の内容を伝えるとすぐに快諾くださったとのことでした。

思春期のころから好きで読んでいた作家さんに著作に絡んでいただくとは、なんと嬉しく誇らしい…。どうもありがとうございます。

 

まえがきにも触れておきましょう。

読者が最初に触れることになるであろう書き出しの一文は、

何の迷いもなく出てきたものでした。

そしてタモリさんや桑田佳祐さんの話にも触れながら

その他たくさんの有名人…みたいに書きましたが、

・アニメ監督の大地丙太郎さん

・たけし軍団のグレート義太夫さん

・ビジュアル系バンドA9 のギタリスト ヒロトさん

などが当時の頭の中にありましたね。

そして最後は「四重奏」で〆ましたけど、

いま考えてみたら「4人のオムニバスアルバム」みたいな言い方でもよかったかもしんないなあ、って(笑)。

まあ数年後にもう一度評価してみましょうかね。

 

あとがき代わりの謝辞には、

やはり書ききれない方々もたくさんいるのです。

私事で挙げれば、

・千代崎川に注目するきっかけを頂いた河北直治さん

・千代崎川取材に快く応じてくださった中田カヨさん

・そのきっかけをつくってくださった中田征毅さん

・市場橋の昔のことを教えてくださった本郷町満寿屋のおじいちゃん

・阿佐ヶ谷の川の「磁石男」のことを教えてくださった大提燈米店のだんなさん

・根岸住宅地区での記憶を補ってくれたSusan Lynn Tildenさん

・同じくそれをサポートしてくださった石黒陽子さん

・千代崎川にかかってた水門のことを教えてくれた山元町のおばちゃん

・不審者に優しい言葉をかけてくれた大平町のじいちゃん

・藤右衛門川のほとりでご一緒してきた高野竜さん

・道祖土小学校に招いてくださった増田校長

に、今回も大変お世話になりました。

そしてこれまでの恩人

・『暗渠マニアック!』で我々を導いてくださった山田智子さん

・目黒区「川の資料室」で私の暗渠リテラシーを高めてくださった新津紅さん

にも、改めてこの場でもお礼申し上げます。

みなさま、ほんとうにありがとうございました。

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暗渠ハンター 「はじめての暗散歩」こぼれ話7

はじめての暗渠散歩』こぼれ話7回目は、

「暗渠サインを見逃すな!」

です。


これも、初出は
MIZBERING

連載の2回目で繰り出したネタです。

もうこの話は、私の暗渠話の核というか根っこというか、

もう定番中の定番ですね。

暗渠マニアック!』でもしっかり1章取りましたし。

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そろそろ飽きてきた方もいらっしゃるかもしれない・・・。

でもまあ、YMOでいうところの「東風」とか「TECHNOPOLIS」みたいな、

いつでも出てくる安定感、みたいな受け止めをしていただけるとありがたいです。

この「発見」は、私の暗渠ライフの原点でもあるので、

たぶん今後も事あるごとにご紹介していくことになるのでは…。

 

そういえば、暗渠サインに関しては、

「猫は暗渠サインにしないのか」

「ビールケースは」

「粗大ごみは」

「植木鉢は」

といったご意見も多々いただいておりますが、

これは11/4に神楽坂モノガタリにて行われた

『猫×暗渠 猫でめぐる暗渠』のたかやまパートで

しっかりと否定し、あらたな定義と分類を提唱させていただきました。

これについては改めて、どこかでご披露いたします。

ひとつだけヒントを申し上げれば

まずは

・ここで使われる「sign」とは、『まえぶれ』という意味で使っているという前提であること

・その上で、「暗渠の存在をまえぶれとして示すもの」かどうかの吟味が必要であること

・それが、「ここは昔川だった」ことと、『だから・なぜならば 関係』が成立するものであるかどうか、ということを軸に話を展開させていきました。

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ロラン・バルト風に言うと

暗渠がある風景に対して

・徴候→暗渠サイン

・象徴→猫やビールケース

・記号→「暗渠」というコトバ

みたいな。違うか。もう少し考えます。

ま、これからもこういうフレームワーク、どんどん開発していきますからね!

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暗渠ハンター 「はじめての暗散歩」こぼれ話6

はじめての暗渠散歩』こぼれ話6は、

「車止め、集めて、比べて、分けてみた」

です。

 

これは今回のための書き下ろし。

ただし、この「車止め分類チャート」だけは

20169月から約2か月間、杉並区立郷土博物館で実施した

荻窪暗渠展

の展示パネルとして作ったものがベースになっています。

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いつかこのチャートについてあれころ解説してみたいなあと思っていたところ、

この本の話をいただいたのでようやく書き進めたものでした。

 

やはりこれを語るには、私の本職のことにも触れねばなるまいと

「ポジショニングマップ」による分類と、いかにそれが私のからだに染み付いてしまったか、

というエピソードを入れました。

ほんと、30年前にマーケティング職に就いて以来、

この二次元マトリクスで世界を捉えるくせがついてしまっているんです。

もしかしてこういうフレームワークって構造主義の流れから出てきてるのでしょうかね。

わかんないけど。

だとしたら思い当たる節があります。

高校生の頃から栗本慎一郎が大好きだったんですよ。

彼はよく二項対立で論を構えてたし自分でも「二項対立が得意」ってどこかに書いてました。

ポジショニングマップも「二項対立と二項対立の組み合わせ」ですもんね。

その頃に病の素地が形作られたのかもしれない…。

まあ分類の話でしたね。

およそ『暗渠マニアック!』で展開した私の担当分もそうですし、

私が「暗渠七つ道具」と呼んでいる独自フレームワークの中の

暗渠ANGLE

暗渠サインランキングチャート

などのやつも、

ほぼすべて出発点は「分類」ですもんねー。

おまけにさっそくここでも自分の作品を「分類」しちゃってますしね。

…だって、楽しいんだもん、分類。

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…でも、こんな記事を愉しんでくださるかたってほんとにいるのかな、

という不安ももちろん抱えながら書いております…正直いうと。

 

さいごには車止めの値段についても触れました。

ほんとに買った方がいらっしゃれば、ぜひ手元に置いた感想などもお寄せいただければと思います。

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暗渠ハンター 「はじめての暗散歩」こぼれ話5

はじめての暗渠散歩』こぼれ話の第4回ですね。

今日は

「かんじる川・羅漢寺川」

いきましょうか。

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巻末にもあるとおり、これはもともとMIZBERING での「水のない水辺から」連載時のひとつとして、2014年に書いたものが原型です。

MIZBERING連載時は、web媒体ですので字数や写真の制限がありません。

それこそ好きなだけ書いて貼ってしていたものを、

概ね4000字程度にそぎ落として写真も厳選しての仕上げを施しました。

 

この作品は、暗渠の説明がほとんどですね。

ただ、説明が単調にならないよう「リア充」や「妖婦」などの伏線を張って

「暗渠との向き合い方の多様さ」をお伝えしたい、

という意図で書いたものでした。

 

もともと、私の大好きな暗渠なんですよ、ここ。

私が暗渠の道に入ったのは世田谷区と目黒区と渋谷区が交わるところ近辺に住んでいた頃なので、

わりとそのころから「ホームグラウンド感」もありましたし。

 

途中で出てくる「苔香園」。「港区にその名を冠したビルがある」と初出の稿から書いています。

201710月、つまりこの本が発売となる間際になって、偶然そのビルに縁ができたお話にもふれておきましょう。

急にある会社に用件ができ、ぜひお会いしたい、とwebにあったメールアドレスに初めて連絡を入れました。

ほどなく「当社に来て頂けるならば」と快諾の返信のシグネチャに書かれていたのがこのビル名だったのです。

これには驚きました。ってか二度見して口にも出しちゃいました。

当日の商談の終りに、先方の社長さんに

「ここの大家さんにお会いしたことはありませんか」

とお聞きしたのは言うまでもありません。

…その結果は、またどこかでw…

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